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2019.07.11

HSCを知ると保育がもっと面白くなる!保育士のみなさんに伝えたい3つのこと

高野あゆみ 高野 あゆみ(たかの あゆみ)
 HSC幸せ子育てサロン代表・2児の母
 心理カウンセラー・保育士資格所有
 娘の激しい登園渋りがきっかけでHSC
 を知り、HSC支援活動を行う。

【HSC幸せ子育てサロン】http://hsc-kosodate.com/
【Blog】http://hsc-kosodate.com/category/blog/
【Insta】https://www.instagram.com/aym_1130/

これまで、HSCの基礎知識、HSCが園で見せる特徴、HSCへの対応方法、HSCを育てる保護者への対応方法についてご紹介してきました。

前回までの記事はコチラ

・「HSC」とは?クラスの5人に1人はHSCかもしれません
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/549

・ HSCが園で見せる特徴とは?HSCはこんな場面で「つらい」と感じています
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/568

・HSCにはどう対応すればいいの?園で出来る5つの効果的な方法をご紹介!
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/577

・HSCの保護者にはどう接すればいいの?保育士のみなさん必見!コミュニケーションのコツ
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/592

HSCに関する連載も今回が最終回となります。
この記事では、HSCを育てる親として私が保育士のみなさんにぜひ知っていただきたい3つのことをお伝えしたいと思います。

 

HSCは身近な大人からの影響をうけやすい

保育士のみなさんにぜひ知っていただきたいのが、HSCは身近な大人からの影響を受けやすいということです。

Ohana記事⑤写真1

人間が生まれてから5歳くらいまでは、人格形成の土台を築く大切な時期だと言われていますね。この時期に、身近な大人から愛情を受けて良い環境で育ったかどうかが、その後の子どもの人生に大きく影響していきます。

なかでもHSCは、一般的な子どもよりも相手の感情を読み取る能力に長けているため、より影響を受けやすいと言われています。

HSCは、まだ言葉がしゃべれないうちから非言語コミュニケーション能力を発揮します。つまり、大人の表情や、声のトーンや、しぐさなどから、相手がどのように感じているのかをひといちばい鋭く読みとっているということです。

「お昼寝の時間、早く寝てよ~と思っている日に限って全然寝てくれない」
「大人の気持ちを見透かしているような気がする」
など、思い当たることがあるかもしれません。

そのため、HSCは気持ちを汲んでもらえない環境で育つと、情緒が不安定で深い問題を抱えがちになり、他の人よりも不安やうつになりやすいという研究結果も出ています。

しかし、逆に自分の気持ちを汲んでもらえるような愛情に満ちた関わりを受けると、本来持っている才能や良い面がどんどん出てきます。

子どもは1日の大半を保育園で過ごしますから、保育士のみなさんの関わり方が、HSCの子どもの人生に与える影響がとても大きいのですね。

子どもにとって、保育士の先生方は親と同じくらい重要な存在です。

「あなたはあなたでいいんだよ」と、ありのままの自分を受け入れてくれる大人がいるということが、その子の将来を支える土台となります。

 

これからの保育に求められる合理的配慮

ここで少し、時代の流れに目を向けてみましょう。
みなさんは「合理的配慮」という言葉をご存知でしょうか

Ohana記事⑤写真2

困難をかかえている子・スペシャルニーズのある子に対して、一人ひとりの特徴や場面に応じて必要な配慮をしていきましょうというものです。

具体的には、このようなことです。

  • 言葉での指示が苦手な子→絵で伝える
  • 疲れやすい、緊張しやすい子→休憩スペースを作る
  • じっとしていられない子→噛むと安心するグッズを身に付ける
  • 音に過敏な子→イヤーマフを付ける(周囲から聞こえる音量を小さくするもの)

※参考:内閣府リーフレット『合理的配慮』を知っていますか
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf

とはいえ、ここはまだ理想と現実の差がありますよね‥。

配慮をしてあげたいと思っても、「人が足りない」「お金が足りない」「時間が足りない」「設備が足りない」など、現場には様々な制約があると思います。

親の立場からしても、「園にこんな配慮をお願いしていいのかな。迷惑にならないかな。」と遠慮してしまうこともあります。

保育士のみなさんと保護者で話し合いながら、園で出来ること、家庭で出来ることを実践していけるといいなと思っています。すべて完璧にできなくても、今の環境で、出来る範囲で、出来ることから少しずつ始めていくことで、家庭も園も、子どもにとって安心な環境になっていくのではないかと思います。

 

HSCを育てることは最高に幸せな挑戦

HSCの概念を提唱したアーロン博士は「HSCを育てることは、最高に幸せな挑戦です」と言っています。

Ohana記事⑤写真3

娘は1歳で保育園に入園してから年中まで、大泣き大暴れで朝のお別れをしていました。何年も続く登園しぶりに、「なんでこの子は普通に登園してくれないんだろう」と心身ともに疲れきっていました。

ある日、私は通勤電車の中でHSCの記事を見つけました。読み進めていくうちに、じわじわと涙が溢れてきました。

「HSC・・?もしかして娘はこれかもしれない。敏感な気質があったから、登園をあんなに嫌がっていたのか。娘は泣いて暴れながら、一生懸命訴えていたのかもしれない。」

「今までごめんね。」という気持ちと「ようやく助けてあげられる。」という気持ちが湧いてきました。

それから専門書を読んだり勉強会に参加したりしながら、子どもの気質の特徴や適切な関わり方を学びました。親である私自身の内面にも深く向き合いました。

すると、少しずつ娘が変わってきたのです。泣いたり、暴れたり、叫んだり、かんしゃくを起こしたりすることが不思議なくらい減りました。すーっと落ち着きを取り戻したという印象でした。

子どもを変えようとするのではなく、まずは、周りの大人が変わらなければならないということを痛感しました。そして今は、HSCの娘を育てられるのはなんて幸せな挑戦だろうと思えています。

 

Ohana記事⑤写真4

HSCという敏感な気質を持つ子のことを知ると、子どもの見方が変わり、子どもへの対応の仕方が変わり、子ども自身が変わってきます。

保育士のみなさんが、HSCの存在を知っていて、寄り添ってくださることが、子どもにとっても、親にとっても、大きな支えとなります。ぜひこの記事を通してHSCを知ったことを1つの強みとして、悩んでいる親子の支えになっていただけたら嬉しいです。プロとして日々子どもたちに向き合っている保育士さんだからこそ出来ることがあると思っています。

HSCだけではなく、全ての子どもがその違いを受け入れられ、一人ひとり必要な配慮を受けられること。その子らしい才能で、その子らしく輝ける世の中になることを願っています。

最後に、毎日大切な子どもの命を守ってくださっている保育士のみなさんに、心から感謝し敬意をお伝えしたいと思います。

 

これにて連載終了です!お付き合い頂きありがとうございました。

園向けのHSC講座や、HSCを育てる親向けの個別相談を受けております。ご希望がありましたら以下サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡くださいね。

HSC幸せ子育てサロン 高野あゆみ
http://hsc-kosodate.com/

記事公開日:2019.07.11

記事更新日:2019.07.09