2022.01.12
感触遊びとは?保育に取り入れるべき理由や遊び方を紹介
保育活動に感触遊びは欠かせないものです。感触遊びは乳児期から楽しめるものがありますので、年齢に関係なく保育活動に取り入れていきましょう。
まずは感触遊びの特徴や保育に取り入れるべき理由について解説し、具体的な遊び方も紹介します。
感触遊びとはどんな遊び?
保育園で行う感触遊びとは、身近なものを使ってその素材の感触を楽しむ遊びのことです。
身近なものとは、例えば「マカロニ」「はるさめ」「パン粉」「小麦粉」「新聞紙」などが挙げられますがこれは一例であり、感触遊びとして楽しめる素材は多種多様です。
子どもは素材に触って、冷たい・温かい・ふわふわ・ぐにゃぐにゃなど、いろいろな感触があることを学んでいきます。
感触遊びを保育に取り入れた方が良い理由
感触遊びを保育に取り入れると、子どもの五感が刺激され発達を促していくことができます。
「こねる・丸める・ちぎる」など指先を動かす感触遊びをすることで、指先の感覚や運動機能を鍛えるとともに、手先の器用さを育てていくことにもつながるでしょう。
感触遊びには以下のような働きがあります。
● 情緒が安定する
毛布にくるまった時の心地良さやは、感触を通して感じているもの
● 物を識別する能力を育む
おもちゃ箱から目当てのおもちゃを手探りで探すなど、目で見なくても触って物の形が分かる
● 危険察知能力を高める
熱いストーブに触ったときに手を離したり、体に虫がついたら払うなどの防衛
感触遊びは子どもに必要な能力を育んだり発達に良い影響を与えますので、保育士さんは積極的に取り入れていきましょう。
感触遊びの遊び方を紹介
保育園で実践できる感触遊びを紹介します。
遊ぶ際に必要なものや押さえるべきポイントについても説明していますので、感触遊びを取り入れるときの参考にしてみてください。
カラフルマカロニ
マカロニを活用して感触遊びを楽しみましょう。マカロニはさまざまな形のものが売られていますので、感触の違いを味わうためにも何種類か用意することをおすすめします。
【材料】
● マカロニ(リボン型・貝型・ペンネなど)
● 酢:小さじ1
● 食紅
● ジップロック
● 小さい容器
● アルミホイル
【作り方】
1. マカロニの種類ごとに分けてそれぞれジップロックに入れます。
2. 小さめの容器に酢と食紅を混ぜ合わせます。(色の分だけ作ってください)
3. 2をジップロックに入れて封を閉じ、揉んだりしながら色を馴染ませていきます。
4. 色がなじんだらアルミホイルの上に置いて、乾いたら完成です。
【遊び方】
マカロニの形によってツルツルしていたり、でこぼこしていたり、指先で触った時の違いを楽しむことができます。
カラフルマカロニ遊びは茹でる必要がないため、最初から最後まで子どもが行うことができる点がポイントです。
はるさめで感触遊び
透明感のあるツルツルな麺状のはるさめは、感触遊びにぴったりです。
【材料】
● 乾燥はるさめ
● 水
● 鍋
● ざる
【作り方】
1. 沸騰した鍋に春雨を入れて茹でます。
2. ざるに上げて水気を切ったら完成です。
【遊び方】
手で軽く触ったときはツルっと、思い切り握った時はぐにゅっとした手触りが感じられます。
茹でる前に一度、子どもたちに乾燥した状態のはるさめに触ってもらいましょう。
茹でた後との違いを知ることで、食材についても学ぶことができます。
はるさめに触る前は、よく冷めていることを確認してください。
パン粉粘土
粘土遊びは感触遊びの代表的なものですので、身近な食材であるパン粉を使って手作り粘土を行いましょう。
【材料】
● パン粉
● 水
● 食紅
● 霧吹き
【作り方】
1. 何種類かの食紅をそれぞれ水で溶かしておきます。
2. 食紅を溶かした水を霧吹きに入れ、少しずつパン粉に吹きかけます。
3. 粘土のようになるまでよくこねたら完成です。
【遊び方】
まずは粘土にする前のパン粉に触れて、ザラザラした手触りを楽しみます。
徐々に霧吹きで水を吹きかけていくことで、パン粉から粘土に変化していく様子が観察できます。
適度にモチモチしたパン粉粘土に仕上げるためには、それなりに力が必要です。
乳児の場合、パン粉をある程度まとめる作業は保育士さんが行った方が良いでしょう。
片栗粉スライム
片栗粉でスライム遊びが楽しめます。不思議な感触のする片栗粉スライムは、0~5歳と幅広い年齢の感触遊びに最適です。
【材料】
● 片栗粉
● 水
● パットなど容器
【遊び方】
片栗粉に水を加えて混ぜるだけで、簡単にスライムが完成します。
水の量は少しずつ加減しながら加えてください。水が少ないときと多い時とで手触りも変わってきます。
また、強く握ると一瞬固まるのに、すぐに溶け出す様子は子どもにとって面白い現象でしょう。
サラサラだった粉状の片栗粉が不思議なスライムに変化する過程を楽しみましょう。
氷でお絵描き
氷を使ってお絵描きをしてみましょう。キラキラ輝くカラフルな氷に子どもたちも大喜びです。
【材料】
● 水
● 製氷皿
● 絵の具
● ストロー
● アルミホイル
● 画用紙
【作り方】
1. 製氷皿に少しの絵の具と水を加えてよく混ぜます。さまざまな色水を作ってください。
3.2. 製氷皿をアルミホイルで覆います。
アルミホイルを貫通させるように色水の中心にストローを指します。
冷凍庫で1日凍らせたら完成です。
【遊び方】
ストローをつまんで氷を取り出し、画用紙の上を滑らせてみましょう。
冷たさを感じながら氷でお絵描きする楽しさが味わえます。
溶けてきたらビニール袋に入れて色がどう変化するのか観察したり、ビニール越しに色水の感触を楽しんだりと、最後まで飽きることなく遊ぶことができます。
出来上がった氷はアイスのように見える可能性があるため、間違って口に入れることのないよう保育士は注意して見守っていてください。
高野豆腐で感触遊び
意外にも高野豆腐は感触遊びに適した食材です。
【材料】
● 高野豆腐
● ぬるま湯
● パットなど容器
【遊び方】
まずは水に戻す前のかたい高野豆腐の感触を体験します。
「豆腐なのにかたい!」と子どもはびっくりするかもしれません。
次に、高野豆腐をぬるま湯に浸してふやかします。しばらく時間がかかるかもしれませんが、徐々にお湯を吸って大きくなる高野豆腐に子どもは興味を示すでしょう。
お湯をたくさん吸った状態の高野豆腐はプルプルした感触になります。
ぎゅっと握って水気を絞れば、まるでスポンジのようだと感じるかもしれません。
手でちぎったり、型抜きしたりと年齢によって工夫して遊んでください。
小麦粉絵の具
小麦粉を使った感触遊びは小麦粉粘土が一般的ですが、絵の具としても活用してみましょう。
【材料】
● 小麦粉
● 水
● 絵の具
● 画用紙
● 鍋
● 絵の具を入れる容器
【作り方】
1. 小麦粉と水を1:4の割合になるように混ぜて鍋に入れ、弱火にかけます。
2. だまにならないよう気を付け、トロっとするまで温まったら火を止めて冷まします。
3. 2に絵の具を混ぜて色を付けたら完成です。
【遊び方】
完成した小麦粉絵の具は手に取って感触を楽しみましょう。そのままフィンガーペイントをするのもおすすめです。
大きな画用紙があれば、ダイナミックにフィンガーペイント遊びを行うことができます。
保育士は「この色を混ぜたら何色になるかな?」と子どもに問いかけてみましょう。
小麦粉絵の具が混じり合うことで、新しい発見につながるかもしれません。
絵の具がベタっと手につくのを嫌がる場合は無理強いせず、できる範囲で楽しむようにしましょう。
新聞紙で感触遊び
新聞紙があれば手軽に感触遊びをすることができます。破いたり丸めたりできる新聞紙遊びは低年齢の子どもに人気です。
【材料】
● 新聞紙
● 水
● たらい
【遊び方】
まずはシンプルに子どもたちと新聞紙を思うがまま破って、びりびり遊びを楽しみます。
新聞紙を手に持ったときのくしゃっとした感触や、びりびりと破れる感覚を十分に楽しんだ後は、破いた新聞紙をたらいに集めます。
集めた新聞紙に水を加えて、手でぎゅっと揉んだり押したりしながら水を含ませていきます。
しばらくすると新聞紙がポロポロした感触になり、さらに続けると粘土のようにまとまってきます。
最初の段階で水のりを混ぜると本物の紙粘土ような質感になるので、丸めたり形を作ったりと遊びやすくなるでしょう。
緩衝材(プチプチ)遊び
子どもはプチプチ・カシャカシャした感触がおもしろい緩衝材が大好きです。
緩衝材を利用して感触遊びを行いましょう
【材料】
● 緩衝材
● テープ
【遊び方】
プチプチした緩衝材は何も手を加えなくてもそれだけで感触遊びの道具になりますが、プチプチをボールのように丸めてテープで止めればプチプチボールが完成します。
軽くて安全性が高いプチプチ遊びは、乳児にもおすすめです。
手で持った時の独特の感触に子どもは夢中になるかもしれません。
プチプチの上に寝転がったり足で踏んでみたり、全身を使って感触遊びを楽しむことができそうです。
スポンジスタンプ
身近な素材のひとつであるスポンジも感触遊びとして活用することができます。
【材料】
● スポンジ
● はさみ
● 絵の具
● 水
● パレット
● 画用紙
【遊び方】
まずは絵の具をつける前のスポンジのふわふわ感や弾力を触って感じてもらいます。
スポンジの種類によって手触りが違いますので、いくつか用意しておくと良いでしょう。
スポンジをはさみで好きな形に切って、片面に絵の具をつけます。
絵の具のついたスポンジを画用紙に押し付けてスタンプのようにして遊びましょう。
水や絵の具を含んだスポンジの変化を確認しながら、スポンジスタンプが楽しめます。
保育活動に感触遊びを取り入れて身近な素材にたくさん触れよう
感触遊びは身の回りの食材や日常生活で使うものを利用して、素材の感触を楽しむ遊びです。
子どもはさまざまな素材に触れる体験を重ねることで、指先の感覚や五感を育んでいくことができます。
今回紹介した感触遊びを保育に取り入れて子どもたちと一緒に楽しんでください。
記事公開日:2022.01.12
記事更新日:2023.03.24