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2022.01.12

異年齢保育での遊びのねらいとは?遊び方やメリット・デメリットも解説!

異年齢保育での遊びのねらいとは?遊び方やメリット・デメリットも解説!

年上や年下の子ども達と触れ合う機会となる異年齢保育は、子どもの育ちに良い影響をもたらすと言われています。

異年齢保育を実施している園の保育士さんは、異年齢保育の注意点を踏まえてさまざまな遊びを取り入れていきましょう。

異年齢保育での遊びのねらいとは

一般的に保育園では同じ年齢の子ども同士でクラス編成を行いますが、最近は異なる年齢の子どもがひとつのクラスで活動する異年齢保育も増えているようです。

年少・年中・年長とさまざまな年齢の子が同じ空間で活動するので、同年齢同士ではできないような遊びに発展することもあります。

異年齢保育を実施するねらいにはどのようなものがあるのでしょうか。

主に2つのねらいが挙げられますので、それぞれ見ていきましょう。

異なる年齢の子との関わり方を学ぶ

少子化が進む現代では一人っ子の家庭も多く、近所の付き合いも希薄化しているため、普段の生活の中で異年齢の子と関わる機会が減少しています。

異年齢保育では活動を通して自然と異なる年齢の子ども同士が関わり、お互いが刺激し合いながら共に成長していくことが期待されています。

また、さまざまな年齢の子ども達との関わりを通して、子どもは小さい子どものお手本になろうとしたり、お兄ちゃんお姉ちゃんたちの真似をしようとしたりします。

保育所保育指針においても、年下の子どもに対してはいたわりや思いやりの気持ちを感じ、年上の子どもには憧れを持つなど、お互いに育ちあうことが大切だと述べられています。

異年齢保育を通して社会性や協調性を養う

異年齢保育で年上・年下の子どもと触れある経験を積むことで、自然と社会性や協調性を身に付けていくことができます。

「相手の気持ちを汲み取る力」「自分の意思を伝える力」が育みやすいのが異年齢保育の特徴です。

困っている年下の友達を助ける思いやりの心は、幼児期に育みたい生きる力となるコミュニケーション能力、すなわち社会性を培うことにもつながるでしょう。

異年齢保育での遊び方を紹介

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保育園で異年齢の子ども達みんなが楽しめる遊びはどのようなものがあるのでしょうか。

定番の集団遊びや制作活動などを紹介します。

異年齢保育で行う集団遊び(1) じゃんけん列車

じゃんけんをしてどんどん列を伸ばしていくじゃんけん列車ゲームは、じゃんけんのルールさえ理解できれば遊べるので、異年齢保育の活動に取り入れやすいでしょう。

【遊び方】

1. 歌いながら室内を歩き回り、歌が終わったときに近くの人とじゃんけんをします。

2. 負けた人は勝った人の後ろにまわり、肩を持ちます。これを1列の列車になるまで繰り返し行います。

3. 最後の1列になったとき、1番先頭の子どもが勝ちとなります。

じゃんけん列車はルールのある遊びなので、3~5歳児の子どもで行ってください。

異年齢保育で行う集団遊び(2) しっぽ取りゲーム

室内戸外関係なく楽しめるしっぽ取りゲームは定番の集団遊びです。

【遊び方】

1. 異年齢同士でペアを組み、年下の子どものズボンにしっぽに見立てたタオルなどを挟みます。

2. しっぽを取られないように逃げながらも、他の子のしっぽを取ります。

3. 1番多くしっぽを獲得したペアが勝ちです。

異年齢保育でしっぽ取りを行う場合は、ペアで行うことがポイントです。

ペアの子どものしっぽが取られないよう、協力し合う姿が見られるかもしれません。

異年齢保育で行う集団遊び(3) 爆弾ゲーム

爆弾ゲームはルールが簡単なので3歳頃から楽しむことができます。

【遊び方】

1. 異年齢の子どもが交互になるように輪になって座ります。

2. ボールを1つ用意し、音楽が鳴っている間ボールを隣の子どもに渡していきます。

3. 音楽が止まったときにボールを持っていた子の負けです。

ボールを投げたりずっと持っていたりする子がいるかもしれませんが、お兄ちゃんお姉ちゃん達の姿を見てルールを学んでいくことができるでしょう。

異年齢保育で行う制作活動(1) トントン相撲

子どもに紙相撲を作ってもらい、異年齢の子ども同士でトントン相撲を楽しみましょう。

【作り方】

1. 画用紙を適度なサイズになるよう四角く切って半分に折ります。

2. 半分に折った画用紙に好きな絵を書いてもらいます。(横から見たときのアングルで書くと、紙相撲らしくなります。)

3. 絵の周りをハサミで切り取り、人形を自立させたら完成です。

土台となる土俵は保育士が空き箱や段ボールなどを利用して作成しておきましょう。

強くたたけば勝てるわけではないトントン相撲は、異年齢保育の遊びにぴったりです。

異年齢保育で行う制作活動(2) モザイクアート

卵の殻を活用するモザイクアートは年齢に応じて役割を決めて行うと良いでしょう。

【作り方】

1. 卵の殻にアクリル絵の具で色を塗ります。

2. 絵の具が乾いたら卵の殻を少し大きめに割ります。

3. 魚や動物などの絵を鉛筆で下書きした画用紙に、卵の殻をボンドで貼り付けていきます。

卵の殻に絵の具を塗る作業は少し難しいため、5歳児クラスの子どもにお願いし、貼りつけはみんなで楽しく行うと良いかもしれません。

異年齢保育を導入するメリット

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保育園で異年齢保育を導入するメリットについて紹介します。

1. 友達関係や活動の幅が広がる

年上の子どもが遊んでいる姿を見て、年下の子どもは「僕もやってみたいな」「楽しそうだな」とさまざまなことに興味や関心を持ち、その結果活動の幅が広がります。

年上の子も年下の子と仲良くなることで、保育園での居場所を広げていくことができるでしょう。

同年齢同士でも刺激をもらいながら遊んだりしますが、異年齢保育はそれ以上にお互いが影響し合うのです。

2. 子どもが相互に教え合う

異年齢保育を導入することで、子ども同士で物事を解決する場面が増えるかもしれません。

例えば、3歳児がおもちゃの取り合いでケンカをしていたとします。

そこに5歳児の子どもが仲裁役に入り、3歳の子どもに「おもちゃは順番に譲り合って使うんだよ」と教えます。

これは異年齢保育でよく見られる光景です。

5歳児は自分が思っていることを言葉で伝えられる子が多いので、このような場面に出くわすと、どうしたら良いのか考えて年下の子どもに教えてあげることができます。

異年齢保育は子どもが相互に学び合い、人との関り方を学べるメリットがあると言えるでしょう。

3. 発達差が目立ちにくくなる

子どもの発達には個人差があるため、同年齢保育では子どもの発達差が目立つ傾向があります。

しかし異年齢保育の場合だと異なる年齢の子どもが一緒の活動をするので、成長の差が浮き彫りになることも少なく、子ども自身もコンプレックスを感じず活動できるでしょう。

ただし、特別な支援を必要とする子どもには適切な対応が求められます。

発達が気になる子の中には環境の変化に不安を感じやすい子もいますので、異年齢保育を行う際には保育士がそばに付くなどの配慮が必要です。

異年齢保育を導入するデメリット

異年齢保育のデメリットも把握しておきましょう。

1. 子どもがストレスを感じる場合がある

異年齢保育はメリットに注目されがちですが、デメリットもあります。

そのひとつとして挙げられるのが、子どもが受けるストレスです。

例えば、活動のレベルが合っていない場合、年上の子どもの場合は物足りなさを感じますし、年下の子どもはついていけず参加することができません。

楽しいはずの保育園での遊びの時間がつまらないもになってしまっては、子どもにとってもストレスに感じるでしょう。

また、年上の子どもが年下の子どもを仲間外れにしたり、いじわるをするなどの問題も起こり得ます。

反対に「お兄ちゃん、お姉ちゃんだから小さい子の面倒を見ないと」とプレッシャーに感じてしまう子もいるかもしれません。

保育士は、異年齢であるがゆえに生じる問題があることも覚えておきましょう。

2. 保育士の負担が増える

年齢が異なる子どもが同じ活動をするので、力や体格の差が遊びの中で危険を伴う可能性があります。

そのため、保育士は同年齢保育のとき以上に子どものケンカや怪我に注意して保育を行わなければなりません。

また、いくら子ども同士がお互いに成長し合える環境と言っても、当然年齢によって体力や出来ることに違いがありますので、活動を行う際は年齢に合わせた指導が必要になることもあります

全員が安全に楽しめる遊びを考えなくてはならないため、どんな活動を取り入れたら良いのか悩んでしまう保育士さんも多いかもしれません。

このようなことから、異年齢保育に携わる保育士の負担は大きいと言えます。

異年齢保育で遊ぶ上での注意点

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異年齢保育で子ども達の活動を見守る際に保育士が注意すべき点について紹介します。

1. 年齢に合った玩具や遊びを取り入れる

小さい子どもに配慮するあまり、大きい子どもが満足に遊べなくなってしまっては異年齢保育の意味がなくなってしまいます。

例えば誤飲事故が心配だからといって小さいパーツのおもちゃを禁止にしてしまうと、4~5歳児はつまらなく感じてしまいます。

そのような場合は部屋に仕切りを作るなど配慮を行い、保育士の見守りの元、安全に遊べる環境を作ってあげましょう。

2. 子どもの負担を減らす

異年齢保育は、年上の子どもが年下のお手本となって憧れる存在になってもらうことが期待できるものですが、年長児が負担に感じることのないよう気を付ける必要があります。

年下の子どものお世話を無理やりさせることのないよう、子どもの自主性を大切にした保育を行うよう心掛けましょう。

異年齢保育の遊びを通して子供の成長を促そう

さまざまな年齢の子ども達が活動する保育園では異年齢保育を実施することで多様な経験を積み、子どもの発達を促していくことが期待できます。

異年齢保育のねらいや注意点を把握し、子ども達が楽しめる遊びを取り入れてください。

記事公開日:2022.01.12

記事更新日:2022.01.12