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2019.06.27

HSCにはどう対応すればいいの?園で出来る5つの効果的な方法をご紹介!

高野あゆみ 高野 あゆみ(たかの あゆみ)
 HSC幸せ子育てサロン代表・2児の母
 心理カウンセラー・保育士資格所有
 娘の激しい登園渋りがきっかけでHSC
 を知り、HSC支援活動を行う。

【HSC幸せ子育てサロン】http://hsc-kosodate.com/
【Blog】http://hsc-kosodate.com/category/blog/
【Insta】https://www.instagram.com/aym_1130/

これまで、HSCの基礎知識、HSCが園で見せる特徴についてご紹介してきました。

前回までの記事はコチラ

「HSC」とは?クラスの5人に1人はHSCかもしれません
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/549

HSCが園で見せる特徴とは?HSCはこんな場面で「つらい」と感じています
  https://ohana.hoiku-hiroba.com/post/568

 

この記事では、HSCが園で「つらい」と感じるシーンごとに、効果的な対応方法をご紹介します。
HSCの子どもたちにどんな対応をすればよいのか?具体的にイメージしやすくなると思います。



HSCの接し方の基本

HSCの接し方の基本は、

・無理強いしないこと
・子どものペースを尊重すること

です。

あらゆる刺激を体いっぱいに受けて頑張っているHSCは、ひといちばい疲れやすく、ストレスを感じやすい傾向があります。
無理強いせず、子どものペースを尊重するということは、HSCの心を守るためにとても大切なことなのです。

ただでさえ忙しいのに、子ども一人一人のペースを尊重していたら回らないよ~!と思うかもしれません。でも、ちょっとした工夫で出来ることもあるのです。

少しでもイメージがしやすいように、HSCが園で「つらい」と感じるシーンごとに、5つの効果的な対応方法をご紹介します。

 

①朝のお別れは子どもの様子をみながら負担のない方法を探す

子どもが朝のお別れをしぶる場合は、子どもの様子を見ながら色々な方法を試してみましょう。

Ohana記事③写真1

子どもが母親と離れることに対して、怖さや不安、寂しさを感じるのは自然なことですが、HSCの場合は、人よりも何倍も強烈にそれを感じています。
場合によっては、朝のお別れから気持ちの切り替えが出来ずに何時間も引きずったり、食事や睡眠がとれなかったり、登園しぶりが何年も続いたりします。

子どもが朝のお別れをしぶるとき、みなさんはどのような対応をしていますか?

・「ママが良いねー」と共感しつつお別れする
・「今日は何して遊ぼうか?」と声をかけて好きなおもちゃに興味を向ける
・時間をかけずにサッとお別れする

など、色々なやり方があると思います。

個人的には、「じゃあ今日はお家でママとゆっくりしてようか」なんて言ってあげられたら良いのになーと思うのですが、なかなか難しい現実がありますもんね・・。

HSCの子育てをしている親や私自身の経験から、実際に効果のあった方法をいくつか紹介します。

◆朝早めに登園して子どもが遊びに入るまでお母さんと一緒に過ごす

HSCは、沢山のお友達がワイワイ遊んでいる場に入っていこうとすると、みんなの声や雰囲気に圧倒されたり、ストレスを感じたりしてしまうことが多いです。

しかし、まだお友達が少ない時間に登園して、お母さんと一緒に自分の安心できる場所で遊びに入れると、比較的落ち着いて過ごせることがあります。

◆子どもと信頼関係が築けている先生が対応する

勤務時間の関係で難しいこともあるかもしれませんが、なるべく、子どもと信頼関係が築けている先生が朝のお別れに付き添えると良いですね。

心をゆるしている先生に対しては、子どもが感情を激しく出してくるかもしれませんが、それは「気持ちを出せている」ということ。泣いたり暴れたりしないほうがよいと考えがちですが、朝の時間に思いきり自分の感情を吐き出せた方が、その後で気持ちを切り替えやすいという場合もあります。

◆子どものお気に入りのタオルなどを持っていく

子どもがお気に入りのものがある場合は、それを園に持っていくことも1つの安心材料になります。

うちの娘は年長になった今でも、ボロボロの枕カバーを持って行っていますよ。朝登園してすぐに自分でロッカーにしまっているのですが、「そこに大好きな枕カバーがある。触りたい時にいつでも触れる。」ということが精神安定剤になっているようです。

◆朝、送る人を変えてもらう(お母さん→お父さんなど)

お母さんとのお別れは嫌だけど、お父さんだと意外とすんなりということもあります。笑

保護者の方と相談して、調整ができるようであれば、試してみても良いかもしれません。
子どもの様子をよく見て、保護者の方と相談しながら、良い方法を探していけるといいですね。

 

良い方法というのは、「大人にとって都合の良い方法」という意味ではなく、「子どもにとって一番負担が少ない方法」ということです。

我が家の娘も、それはそれは激しい登園渋りをしていました。娘がどうすれば安心できるだろう?と、親身になって考え、根気よく向き合ってくださった先生方には本当に感謝しています。

不思議なもので、保育士の先生の「寄り添う姿勢」や「心から共感する気持ち」は、子どもにも、親にも、伝わるんですね。

どうかみなさんも、子どもと親の辛い気持ちに寄り添いながら、子どもにとって一番負担が少ない方法を探していってくださいね。

 

②大声で威圧的に叱ることは避ける

大声で威圧的に叱ることは避けましょう。

Ohana記事③写真2

HSCは、共感力がとても強いです。自分がそうしたいと思っていなくても、人の気持ちが分かりすぎてしまったり、人と同じように感じてしまったりします。また、大人の威圧的な態度も苦手とします。
なので、他の子が先生に叱られているところを見ると、まるで自分が叱られているように感じとって、萎縮してしまうのです。

HSCに限らず、大声で叱られるというのは、気持ちの良いものではありませんよね。本当に伝えるためには、大声で叱る必要はありません。
特にHSCは、状況をよく観察していて、守るべきルールや調和をとっても大切にします。

落ち着いて説明するだけで、何が悪かったのか、今後どうすべきなのか、十分伝わります。

 

③園の中に静かで落ち着ける場所を用意しておく

園の中に静かで落ち着ける場所を用意しておきましょう。

Ohana記事③写真3

HSCは、目、耳、鼻、肌、舌など、からだ全体で沢山の刺激をキャッチするため、大人数のガヤガヤした場所ではストレスを感じやすいです。
超高感度のセンサーを持っていて、部屋の端から端まで、どこで、どんなお友達が何をして遊んでいるか、どんな会話をしているか、どんな雰囲気かが、どどーっと体の中に入り込んでくるようなイメージです。
自分ではそうしたくなくても、沢山の情報が入ってくるので、疲れてしまうのですね。

みなさんの園には、子どもが落ち着ける静かな場所はありますか?

HSCは、刺激が過剰になると、急に怒ったり泣いたりかんしゃくを起こしたりすることがあります。
そんな時のために、1人になれる場所、静かで落ち着いた場所、お友達から離れられる場所を用意しておくと良いです。

園の広さの問題で場所が確保出来なかったり、子どもを見守る職員が足りなかったりすることもあると思います。
そんな場合は、お部屋の隅などに落ち着ける場所を作っておくのも良いです。カーテンの裏で、ほっとできる子もいますよ。

 

実は私も登園拒否をしていたことがあるんですが・・(親子そろってHSCの私たち)
みんなのいるお部屋に入れず、園長先生のお部屋で過ごしていた時期がありました。
今でもその時の情景をはっきり覚えていて、せなけいこさんの絵本を読んだとか、ひまわりの絵を描いたとか、記憶に残っているんですよ。

ああ、ここに居てもいいんだ。
園長先生と一緒なら大丈夫。

という安心感を覚えているんですね。
園長先生のお部屋でしばらく過ごして元気がたまると、みんなと遊んでみようかな、お部屋に入ってみようかな、って思うようになる時がくるんです。

もしも当時、無理矢理お部屋に連れ戻されていたら心が潰れてしまったかもしれません。

HSCの子どもが、急に怒ったり泣いたり、かんしゃくを起こした時や、疲れてしまった時は、静かで落ち着いた場所で、その子のエネルギーが溜まるのを待ってあげてください。

 

④給食は無理に食べさせない

給食は無理に食べさせないようにしましょう。

Ohana記事③写真4

HSCは、味や匂いや食感にも敏感です。そのため、給食のちょっとした味やにおい、食感を気にすることがあります。
苦手なにおいや味は、体が本当に受け付けずに吐いてしまうこともあります。
頑張ってなんとか食べているけれど、給食の時間内に食べ終わらないという子もいます。
無理に食べさせられると、給食の時間がくるのが怖くなってしまったりします。

子どもの頃、昼休みまで居残りで給食を食べさせられて、トラウマになってしまった。
こういう話って、周りで結構聞いたことないでしょうか?

ひと昔前は、給食は「残さず全部食べきるもの!」という風潮がありましたね。もちろん、貴重な食べ物を無駄にしないというのはとても大切なことです。

しかし、体が受け付けないものを、無理矢理食べさせるのは違います。大人もそうであるように、子どもにも、どうしても食べられないものがあるし、1人1人適量も違います。

HSCは特に苦手なにおいや味が多いことがあり、本人もつらい思いをしています。

「どのくらいなら食べられそうかな?」
「苦手なものはあるかな?」

など、盛り付けの時に声をかけてみると良いでしょう。

子どもが、自分で食べられるものや量を学んでいくことを大切にして、給食の時間が楽しく過ごせると良いですね。

 

⑤イベントは見通しをもたせ、無理させない

イベントは見通しをもたせ、無理させないようにしましょう。

Ohana記事③写真5

HSCは、いつもと違う雰囲気や、誕生日会、運動会、発表会、人前での発表など、多くの人に注目されることに強いプレッシャーを感じます。
本当は実力があるのに、動揺したり、萎縮したりしてしまい、本来持っている実力を発揮できないことがあります。

誕生日会、運動会、発表会など、人前での発表などのイベントがあるときは、前もって予定を伝えておくと心の準備ができます。出来るだけ具体的に、写真や絵で説明したり、実際に本番と同じ場所でリハーサルをしたりすると伝わりやすいですね。

その時、「もし困ったら〇〇先生の所に行こうね。」と困ったときの対応方法を伝えておくのがポイントです。困った時にどうすれば良いかが分かっていると、子どもは安心できます。

いきなり最初から上手くいかなくても大丈夫。
スモールステップで、自分にもできたという成功経験を少しずつ積み重ねてあげることで自信がついていきます。

それから、HSCは深く考え、本質を見抜く力がありますので、そもそもイベントをやること自体に疑問を感じている場合もあります。「運動会ってなんの意味があるんだろう」と、真剣に考えていることもあるんです。

この場合も、しっかりと本人の意見を聞いて、気持ちが向かない場合には無理強いはさせない方がよいでしょう。

 

いかがでしたか。

もしかしたら、「普段からやっている」という内容もあったかもしれません。HSCのことを知らなくても、一人一人の子どもを良く見て対応している園もたくさんあると思います。

そのうえで、HSCは保育士のみなさんの言葉や表情、行動の影響をひといちばい受けているということを知っていただき、

・無理強いしないこと
・子どものペースを尊重すること

を大切に接していただければ、子どもは安心して過ごせると思います。

HSCだけではなく、全ての子どもがその違いを受け入れられ、一人一人必要な配慮を受けられる園が増えればいいなと、願っています。

 

さて次回は、
HSCの保護者と信頼関係を築く
コミュニケーションのコツをご紹介します。

どうぞお楽しみに!

記事公開日:2019.06.27

記事更新日:2019.06.27