2019.06.20
HSCが園で見せる特徴とは?HSCはこんな場面で「つらい」と感じています
高野 あゆみ(たかの あゆみ)
HSC幸せ子育てサロン代表・2児の母
心理カウンセラー・保育士資格所有
娘の激しい登園渋りがきっかけでHSC
を知り、HSC支援活動を行う。
【HSC幸せ子育てサロン】http://hsc-kosodate.com/
【Blog】http://hsc-kosodate.com/category/blog/
【Insta】https://www.instagram.com/aym_1130/
前回は、HSCを初めて知る方のために、HSCの基礎知識をお伝えしました。
この記事では、HSCの子どもたちが園で見せる特徴を、具体的なシーンと共にご紹介します。
「みんなと同じ時に、同じことを、同じようにすることがどうしても苦手・・」
という子どもの気持ちがイメージできるのではないかと思います。
目次
HSCが園で見せる特徴を5つご紹介
それでは、HSCの子どもたちは、園のどのような場面で「つらい」と感じているのでしょうか。
HSCと一言でいっても、どこでどんな風に「つらい」と感じるかは子どもによって一人一人違うのですが、ここでは、HSCが園で見せる代表的な特徴を5つご紹介します。
①お母さんとのお別れを引きずりやすい
子どもが朝のお別れで泣くのは、もはや新学期の風物詩のようになっていますよね。笑
子どもが母親と離れることに対して、怖さや不安、寂しさを感じるのは自然なことですが、HSCの場合は、人よりも何倍も強烈にそれを感じています。
場合によっては、朝のお別れから気持ちの切り替えが出来ずに何時間も引きずったり、食事や睡眠がとれなかったり、登園しぶりが何年も続いたりします。
◆HSCの子はこんな風に感じています
「ママいかないで。ママと一緒がいい。」
「この場所はなんだか怖い感じがする。」
「保育園にくると体が固まる。」
「こんなに嫌だって言ってるのに、先生はどうして無理矢理引きはがすんだろう。」
「先生もママも、わたしのことが嫌いなんだ・・」
②他の子が叱られると自分がダメージを受ける
HSCは、共感力がとても強いです。自分がそうしたいと思っていなくても、人の気持ちが分かりすぎてしまったり、人と同じように感じてしまったりします。また、大人の威圧的な態度も苦手とします。
なので、他の子が先生に叱られているところを見ると、まるで自分が叱られているように感じとって、萎縮してしまうのです。
叱られている張本人はケロッとしているのに、HSCの子がダメージを受けてしょんぼりしてしまうことも少なくありません。
◆HSCの子はこんな風に感じています
「先生が怒ってるとドキドキして胸が苦しい。」
「先生の大きな声が怖い。お願い早く終わって・・。」
③沢山のお友達が遊んでいると疲れてしまう
HSCは、目、耳、鼻、肌、舌など、からだ全体で沢山の刺激をキャッチするため、大人数のガヤガヤした場所ではストレスを感じやすいです。
超高感度のセンサーを持っていて、部屋の端から端まで、どこで、どんなお友達が何をして遊んでいるか、どんな会話をしているか、どんな雰囲気かが、どどーっと体の中に入り込んでくるようなイメージです。
自分ではそうしたくなくても、沢山の情報が入ってくるので、疲れてしまうのですね。
◆HSCの子はこんな風に感じています
「あ、あそこで男の子たちがケンカしてる。泣きそうな子がいる。」
「あ、積み木がくずれた。ガシャーンて音で耳がしびれる。」
「あ、女の子たちトランプでゲームしてる。笑い声がうるさい。」
「あ、先生がこっち見てる。どうしよう・・」
④給食が苦手
HSCは、味や匂いや食感にも敏感です。そのため、給食のちょっとした味やにおい、食感を気にすることがあります。
苦手なにおいや味は、体が本当に受け付けずに戻してしまうこともあります。
頑張ってなんとか食べているけれど、給食の時間内に食べ終わらないという子もいます。
無理に食べさせられると、給食の時間がくるのが怖くなってしまったりします。
◆HSCの子はこんな風に感じています
「どうしよう、廊下に給食のにおいがしてきた。吐きそう。」
「うえーミートソースだ。このお肉のボロボロしたのが嫌いなんだよな。う~きもちわるい。。」
「親子丼かー。白いごはんはいいけど、上に何か乗ってるのは嫌。取ってみようかな。あ、汁が染みちゃってるー。もう!」
⑤人前に立つとプレッシャーを感じてしまう
HSCは、いつもと違う雰囲気や、誕生日会、運動会、発表会、人前での発表など多くの人に注目されることに強いプレッシャーを感じます。
本当は実力があるのに、動揺したり、萎縮したりしてしまい、本来持っている実力を発揮できないことがあります。また、言いたいことがあっても、いざとなると声が出なかったり、言葉にできなかったりします。
◆HSCの子はこんな風に感じています
「先生に名前を呼ばれた。声が固まっちゃって返事ができない・・。」
「運動会はなんでこんなに人が集まってるんだろう。」
「なんでやらなきゃならないの。」
「みんなやってるのに自分だけうまくできない・・。」
いかがでしたか。
今回お伝えした場面は、日頃たくさんの子どもたちを見ている保育士さんにとっては見慣れた場面かもしれません。
しかし、みんなと同じ時に、同じことを、同じようにできない子がいた時に、少し想像してみていただきたいのです。
「もしかしたら、この子は今つらいのかもしれない。」
「やりたいと思っているのに、うまく出来ずに困っているのかもしれない。」
と。
保育士のみなさまが、HSCという敏感な気質を持つ子の存在を知っていて、寄り添ってくださることが、子どもにとっても、親にとっても、大きな支えとなります。
さて次回は、HSCの子どもへの対応についてご紹介します。
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記事公開日:2019.06.20
記事更新日:2021.06.30