2019.01.18
保育園で1歳児クラスの担任になったら?
1歳児クラスの担任に!
保育園は、0~5歳児までというさまざまな年齢の子どもたちが通っていますね。
その中でも1歳児クラスは、「生まれて初めて集団生活をする」という子どもが多いです。
そうなると1歳児クラスの子どもたちはまず、「保育園に慣れる」ということから保育園での生活がスタートします。
保育園に慣れるまでは、登園の時に「ママがいいー」と言って泣いていたり、なかなか保護者と離れられなかったりという光景は、1歳児クラスの子どもたちは当たり前です。当然ですが、子どもたちは保護者と離れた環境で、さらに慣れない保育園という場所や知らない人に囲まれた環境にいきなり飛び込もうとしているのですから、不安を感じますよね。
その不安感から毎日のように大泣きしたりと、保育士にとっては一人ひとりに多くのお世話や援助が必要な年齢で、子どもとの信頼関係ができるまでは本当に大変な年齢だといえるでしょう。
しかし、大変なことばかりではありません。1歳児の子どもは、人間の基本となる発語や排泄や歩行、指先を使った遊び・全身を使った遊びなど、多くのことを吸収する時期です。さらにその成長は本当に早く、激しく見られます。
そのため、みるみる成長していく過程を、保護者にかわって日頃の保育の中で見届けることができます。
言葉が話せない、まだ赤ちゃんのような状態で入園してきた子どもが、進級の3月末にはお話が出来るようになって一人で歩き回り遊んでいる。そのような姿に感動するのも1歳児クラスの担任ならではのはずです!
1歳児クラスの担任になり不安になるのはわかります。
しかし、せっかく可愛い子どもたちと過ごす毎日なのですから、1歳児クラスの担任が少しでも楽しいと感じるように、余裕が持てるようにしてみるのはどうでしょうか?1歳児は赤ちゃんから子どもへと目覚ましく成長していき、自我が芽生え始めて自立への第1歩を踏み出す時期です。
そんな大切な時期を楽しみながら援助していきましょう。
今回ご紹介するのは、保育園で1歳児クラスの担任になったら、気をつけておきたいことや関わり方などについてです。是非参考にしてみてください!
おさえておきたい月齢の差とは?
同じ保育園の1歳児クラスでも、1歳の誕生日を迎えたばかりの子どもと、もうすぐ2歳になろうとしている子どもがいます。
つまり発達については、この月齢によって大きな差がでてくるということを担任であるあなたが理解しておくことが必要です。
では1歳児の子どもにはどのような発達が見られるのでしょうか?
1歳児の発達の特徴
喃語(なんご)から1語文へ
赤ちゃんは意味のある言葉を話す前には「あー」「うー」などの意味のない言葉(喃語)を話しますよね。
1歳児になると明確な話し言葉が始まり、「ワンワン」「バイバイ」「マンマ」などのハッキリとした言葉を話します。
さらにご飯のことを「マンマ」と言ったり、犬を見て「ワンワン」と話したりと、ものと言葉を一致させられるようになります。
つまり、1歳児の子どもは大人が話す言葉を聞いて、「これはワンワン。犬のことなんだ」と理解しているようです。
しかし、まだ大人のように主語と述語に分けて話せるわけではありませんから、犬がいることを知らせたくても、可愛くても、怖くても、子どもの言葉ではすべて「ワンワン」になってしまうのです。
そのようなこともあって、自分の要求が通らないと「なんでわかってくれないのー!」とかんしゃくを起こしてしまうことも……。
まだ自分の言葉でうまく気持ちを表現できない子どもには、保育士を含め、周囲の大人が子どもの視線や行動から「どうしたいのか」という子どもの気持ちを読みとってあげることが必要なのです。
子どもは大人が話す言葉をよく聞いて理解しようとしています。日頃の保育の中でも、「おもちゃ持ってくるね」「ここにいてね」などの保育士の話していることは何となくでも理解できるようです。そのため、大人が積極的に話しかけることがとても大切になります。
できるだけ丁寧な言葉で優しく話しかけていきましょう。
また、保育園の生活の中でも給食の場面では「マンマだよ」と言って食べさせたり、お散歩中に自動車が通ったら「ブーブーきたね」と話しかけたり、発語が見られない子どもでもコミュニケーションを楽しみましょう!
2歳近くになると「ママ、バイバイ」など言葉を組み合わせて使えるようになってきますが、現段階では言葉でのコミュニケーションが成立するのはもう少し先になります。
筋力が発達してくるので、動きも活発に!
1歳児は徐々に筋肉がつき始める時期でもあります。
ずっと伝い歩きしていた子どもでも、最初の1歩を踏み出せればあっという間によちよち歩きをし始めた!ということも珍しくありません。
一旦歩き始めると、子どもの視界や行動範囲は一気に広がります。
好奇心が刺激され、「あちこち行ってみたい!」とばかりに自分の興味のある方向へ歩いて行ってしまいます。
それと同時に、腕の筋肉もつき、保育園の園庭にある遊具によじ登るなど、遊び方もどんどん活発になっていきます。
ここで子どもの歩行で注意しなければならないことは、姿勢が"やや前傾している"ということでよちよち歩きの際の転倒することです。
東京消防庁が2013年に調査した「救急搬送データから見る日常生活の事故」でも、1歳児の救急搬送原因として転倒時のケガが2位にランクインしています。
まだとっさに手をついて自ら頭を守ることができない年齢ですので、「頭をぶつける」「唇を切る」などの事故につながりがちです。
歩き始めは転倒しやすい時期ということがよくわかりますね。
しかし、心配のしすぎで「歩かせない」「遊ばせない」というのは子どもの発達においてよくありません。
たくさん歩くことで足の指の力もつきますし、筋肉も発達して、歩く時のバランス力や踏ん張る力がつきます。
周囲には危ないものは置かない、保育園の庭や公園で遊ぶ際には芝生などの転んでもケガをしにくい場所を選ぶなど、安全に気を配りながらサポートをしましょう。
そして保育士が見守るそばで、探索遊びや追いかけっこなどをすることで、子どもの歩行や体の発達を促すようにしましょう。
保育士は戸外ではもちろんです、室内でも片時も目が離せませんが、一緒に楽しみながらも、子どもの安全には十分に配慮しましょう。
イヤイヤ期の1歳児
自我が目覚め始める1歳半~2歳
だんだんと自我が芽生えるこの時期には、「魔の2歳児」ともいわれるイヤイヤ期の兆候が出始める子も……。
自分の思いどおりにならないことで泣きわめく子もいますが、それも「子どもの心が成長している印」です。
保育士はゆったりと構えて見守りつつも、ほかの園児たちとおもちゃの取り合いなどが起きて、叩いたり、引っ掻いたりといった事態にならないよう、十分に配慮するようにしましょう。
では1歳児の特徴を踏まえたうえで、保育士は1歳児とどのようにかかわるのがよいのでしょうか。
1歳児の子どもの関わりのポイント
(1)子どもの「やりたい!」を応援
1歳児は「なんでも自分でやりたい!」という欲求が芽生え始めます。
たとえ時間がかかっても、できるだけ子どもの「やりたい!」という気持ちを応援してあげましょう。
子どもができなくてイライラしだしたら、保育士が少しだけサポートしてあげて「できた!」という達成感につながるようにしてあげるといいですね。
「やりたい!」「できた!」を繰り返していくことで、自信がつき、他のことにも積極的にチャレンジしていけるようになります。
(2)手遊びやお絵かきなど、遊び方も多彩に
1歳児になると、保育士と一緒に手遊びをしたり、積み木を上手に積み上げたりと、できることがどんどん広がっていきます。
特に手先を使った遊びは脳の発達上も効果があるので、積極的に取り入れましょう。
子どもと言葉を交わしながら手遊びやお絵かきをすることで、子どもが会話を身につけるきっかけにもなります。
まとめ
1歳児は心と体が急速に成長していく時期。
保育士として必要なサポートはしつつも、自立への第1歩を踏み出し始めた子どもの気持ちを優先しながら、保育園での生活を見守っていきたいですね。
苦労することも多いかもしれませんが、根気強く子どもに向き合う姿勢を大切にしていきましょう。
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記事公開日:2019.01.18
記事更新日:2021.07.15