2022.03.14
ひな祭りにみんなでうたいたい歌は?ひな祭りの由来やうたの意味について
保育士さんはひな祭りの基礎知識を深めて子どもたちに由来を説明したり、ひな祭りのうたに込められた意味を分かりやすく伝えていくことが大切です。
今回はひな祭りの意味とあわせて、保育園の子どもたちにおすすめの歌を紹介します。
ひな祭りの由来とは
ひな祭りと言えば、女の子のいる家庭でひな人形を飾り、家族みんなでお祝いをするイメージがありますが、どのような由来で行われるようになったのでしょうか。
ひな祭りは上巳の節句が起源
ひな祭りの由来は諸説ありますが、中国から伝わったとされている「上巳の節句(じょうしのせっく)」が日本で広まったことがひな祭りの始まりと言われています。
日本で現代もなお残っている節句は、上巳の節句を含めて全部で5つあり、これを「五節句」と呼んでいます。
上巳の節句と同じ意味である「桃の節句」の方が、現代では馴染みがあるかもしれません。
中国では上巳の節句のときに、川の水で身を清めて邪気や厄を払う習慣がありました。
日本に伝わってきたのは平安時代ですが、この頃は貴族の子どもの間で「ひいな遊び」という紙で作られた人形遊びが流行っていた時期でもあります。
この2つが結びつき、日本全国に広まる過程で人形に邪気を移して川に流すという「流し雛」の風習が生まれました。
紙人形だったときは川に流していましたが、時代の変化とともに人形の作りも立派になり豪華になってきたことから、ひな人形は飾るものへと変化していったのです。
「ひな祭りが終わったらひな人形は早く片付けた方が良い」とよく耳にすると思いますが、これは厄が移った人形を川に流していた頃の名残りという説もあります。
ひな祭りの由来を子どもたちに伝えよう
ひな祭りの由来は中国から伝わったとされる上巳の節句が元となっていることが分かりましたが、子どもたちに教えるには少し難しいかもしれません。
保育士さんが子どもに意味を伝えるときは、分かりやすく簡単に説明しましょう。
伝え方の例を挙げます。
● ひな祭りは女の子の健康と成長を祈る日だよ
● 昔は悪いものを移したお人形を川に流していたんだよ
● みんなの幸せを願いながらお人形を飾ろうね
● 桃の花が咲く時期だから桃の節句とも呼ぶよ
自分たちのことを大切に想ってお祝いしてくれる人たちに感謝の気持ちが持てるよう、保育士は子どもたちにひな祭りの意味を教えていきましょう。
子どもたちとのひな祭りの過ごし方について詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみてください。
ひな祭りに食べる料理には意味がある
ひな祭りのお祝いに並ぶ料理には、ちらし寿司やひし餅がありますがこれらにはどのような意味があるのでしょうか。
ちらし寿司
ちらし寿司はたくさんの具材が入った見た目にも豪華な料理です。
色とりどりの食材が散らされているため華やかであり、春の訪れが感じられる縁起の良い食べ物として、ひな祭り料理の定番になりました。
また、海老やイクラなど赤色の食材は厄除けとしても意味もあります。
他にも、ひな祭りは大勢の人が集まってお祝いをする行事だったので、みんなで食べられるよう一度にたくさん作ることができるちらし寿司は、お祝いの席に適していたのです。
ひし餅
カラフルな見た目が可愛らしいひし餅は、それぞれの色に意味があります。
下から「草の緑(よもぎ)」「雪の白(白酒)」「桃の花のピンク(桃の花)」と順番に重ねてお供えし、子どもの成長を願います。
これ以外にも緑は健康、白は清浄、ピンクは魔除けという意味もあるようです。
基本はこの3色で3段にしますが、黄色を加えて5段・7段とピラミッド型のように重ねる地域もあります。
ひなあられ
軽い食感がサクッとしておいしいひなあられは、ひな祭りに外せない食べ物です。
白、緑、黄色、ピンクの4色はそれぞれ季節を表し、「1年間健康に過ごせますように」という願いが込められています。
現代では、ポン菓子を甘くした関東のひなあられと、小さい丸いおかきを醤油で味付けした関西のひなあられの2種類があります。
ひな祭りのうたに込められた意味
ひな祭りの歌と言えば、多くの人が「うれしいひなまつり」を思い浮かべるのではないでしょうか。
「明かりをつけましょぼんぼりに」というフレーズで始まるこの曲は、どの世代の人たちにもなじみ深いものでしょう。
ひなまつりの歌の代表とも言える「うれしいひなまつり」に込められた意味について解説します。
この歌は1935年に作られた歴史のある曲で口ずさめる人も多いと思いますが、実は4番まであります。
1番から3番までは、飾られているひな人形の様子やひな祭りのにぎやかな光景を歌っていますが、4番ではひな祭りを過ごす女の子にフォーカスされています。
うれしいひなまつりの作詞をしたのはサトウハチローさんという方なのですが、この曲を作った当時は離婚して幼い子ども3人を引き取ったばかりの頃だったそうです。
寂しい思いをさせないようにとひな人形を買い、子どもたちの喜ぶ姿を歌にしたと言われています。
しかし2番の「お嫁にいらした姉様に よく似た官女の白い顔」という歌詞は、サトウハチローさんのお姉さんを表しているという説もあります。
嫁ぎ先が決まった矢先に病気で亡くなってしまったお姉さんのことを想い、歌の中で嫁がせてあげたいという気持ちが込められているようです。
うれしいひなまつりは明るいタイトルである一方、少し悲しいストーリーが隠されている歌でした。
歌詞に出てくる「ぼんぼり」「五人ばやし」「お内裏様」「右大臣」など、日常ではなかなか使わない言葉の意味を子どもたちに教えるときは、パネルシアターなどを活用するのがおすすめです。
なんとなく耳で覚えて歌っている単語も目で見て理解できると、より子どもたちに興味を持ってもらえます。
ひな祭りにうたいたい歌
定番曲はやはり「うれしいひなまつり」ですが、それ以外の歌も知りたいと思う保育士さんもいるでしょう。
ひな祭りにうたえる歌の種類は少ないですが、いつもと違った歌をうたってみんなで楽しんでください。
ひなまつり
「赤いもうせん敷きつめて」という歌詞で始まる「ひなまつり」は、1941年に文部省が発行した「うたのほん」に掲載された曲です。
あられ・ひし餅・お白酒と、ひな祭りにまつわる食べ物が歌詞に出てきて、ワクワクした気持ちでうたうことができます。
ひな祭りの曲として認知度は低いかもしれませんが、明るい曲調なのでみんなで楽しくうたいましょう。
けっこんしきをあげました
お内裏様とおひな様が結婚式を挙げ、三人官女や五人ばやしがお祝いする歌です。
この曲は、保育園などで活用できる手遊び歌となっています。
ゆっくりとした曲で振り付けも難しくないため、どの年齢の子どもにもおすすめです。
曲自体も短いので簡単に覚えることができますよ。
ひな祭りの歌をうたって子どもたちと楽しく過ごそう
今回はひな祭りにうたえる歌と、ひな祭りの由来について紹介しました。
ひな祭りは上巳の節句が由来であり意味が少し難しいため、子どもたちには保育士さんが分かりやすい言い方に変換して伝えましょう。
ひな祭りという日本の伝統行事に触れて意味や由来を正しく知り、うたを取り入れて子どもたちと楽しい時間を過ごしてください。
記事公開日:2022.03.14
記事更新日:2022.03.14