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2022.03.14

保育士の初任給はいくら?低いと言われる理由や給料を上げるコツを解説

保育士の初任給はいくら?低いと言われる理由や給料を上げるコツを解説

保育士は子どもが好きな人にとって人気のある職業です。

しかし、一般的に保育士は給料が低いと言われているため、保育学生さんの中には「初任給ってどのくらいもらえるのだろう?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。

今回は、保育士の平均初任給や給料が低いと言われている理由について解説します。

給料を上げるコツ初任給をもらえるタイミングもあわせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

保育士の平均初任給

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保育士はどうしても給料が低いイメージがありますので「初任給はどれほど低いのだろう…?」と不安になってしまう人もいるかもしれません。

保育園は大きく分けると公立と私立2つの運営形態があり、どちらで働くかによって初任給も変わってきます。

公立保育園と私立保育園で平均初任給を比較

それぞれの運営形態ごとの保育士の平均初任給を表にまとめました。[注1][注2]

◇公立保育園の平均初任給

◇私立保育園の平均初任給

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比べてみると、私立保育園の方が初任給が高いことが分かりました

ただしあくまで平均ですので、住んでいる地域や学歴によっても金額は変わるでしょう。

また、私立保育園と一言で言っても認可外保育園もありますし、小規模保育園や企業内保育所などの場合はもっと低い金額になることが考えられます。

内閣府が発表している「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」を見てみると分かるでしょう。[注3]

小規模保育事業A型(私立)に勤める勤続年数約8年の保育士がもらえる月額給料は、賞与込みで約27万円というデータが出ています。

勤続年数5〜9年の保育士の年間賞与額は約67万円程です。

12か月で割った約5万6千円を引くと、月額給料は約21万円ということになります。

保育士の給料は5年以上で2〜3万円程アップしますので、小規模保育園で働く1年目の新卒保育士の給料は18万円前後なのではと考えることができます。

このように、私立保育園の場合は園の規模が給料に関係している可能性が高いことが分かります。

また、「公立保育園って公務員なのに給料低いの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、公務員であっても新卒の初任給は低いのが一般的です。

しかし、公務員保育士は昇給制度が整っているため長く勤めればその分給料がアップしていきます

表の初任給額にはもちろんボーナスや手当てなどは含まれていませんので、年収で換算するとまた違った見え方ができるかもしれません。

初任給の手取り額は他の月より少し多め

先ほど紹介した平均初任給額は、手取りではなく額面であるため注意が必要です。

通常、給料は社会保険料や住民税などを天引きしたものが振り込まれるので、例えば額面が20万円であれば実際の手取り額は16〜17万円程になるでしょう。

しかし、新卒の初任給の場合は少し事情が異なります。

毎月給料から引かれる社会保険料には、主に以下の4つが挙げられます。

● 雇用保険料

● 所得税

● 健康保険料

● 厚生年金保険料

これらのうち「健康保険料」と「厚生年金保険料」の2つは通常翌月の給料から控除されるため、初任給は思ったよりも多く感じるかもしれません。

額面20万円の場合の初任給は、雇用保険料と所得税のみの控除なので、約19万4千円程になります。

翌月からの差に驚いてしまうかもしれませんが、一般的に手取り額と言うのは額面の約8割程度ということを理解しておきましょう。

また、住民税は基本的に新卒1年目では天引きされません。

なぜなら、住民税は前年の所得によって課税されるものだからです。

住民税が引かれるようになるのは2年目の6月からです。

ちなみに住民税は、前年の1月から12月までの所得に対して課税されるものなので、2年目に引かれる住民税は4月からの9か月分になります。

保育士の初任給が低いと言われる理由

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保育士の平均初任給額を見てきましたが、手取り換算すると16万程になってしまうのは到底高い初任給とは言えません。

しかし、全ての職種の男女合計平均初任給を見てみると、令和元年のデータで約19万8千円です。[注4]

手取りにすると、同じく16万程なので、実は保育士の初任給は他の業種と比べて特別低い訳ではないことが分かります。

それではなぜ「保育士の初任給は低い」というイメージがあるのでしょうか。

原因として考えられるのは「保育士という職そのものに給料が低いイメージがある」ことが挙げられます。

保育士の給料が低い2つの理由について見ていきましょう。

国からの補助金が上がらず運営がギリギリのため

私立保育園の運営費は、国からの補助金保護者が支払う保育料の2つが元になっています。

ここから必要経費を引いたものが保育士の給料として支払われる仕組みです。

要するに、どちらかの金額を上げない限りそもそも園の運営費が増えることはないのです。

ですが、私立の認可保育園の場合、保護者からの保育料は自治体によって金額が決められているため勝手に上げることはできません。

そうすると園の運営費を増やすためには、国からの補助金に頼るしかありません。

補助金は公定価格から計算されていますが、公定価格には例えば「3歳児20人に対して保育士1人」などといった基準が設定されています。

しかし、設定基準の保育士だけでは保育現場が回りません。

そのため、支給される補助金は変わらないのに基準を上回る保育士を配置している園がほとんどであり、結果として保育士の給料が低くなっているのです。

仕事内容が給料に見合っていないため低く感じる

財源の問題以外に、保育士の仕事内容が給料に見合っていない点も給料が低く感じられる原因の一つとして挙げられるでしょう。

子どもの命を預かり、人格形成の大切な時期に関わる保育士は、高い専門性が求められる職業です。

2003年から保育士は国家資格として定められるようになったため、より質の高い保育を行うための取り組みが行われるようになりました。

保育士の仕事は子どもの保育以外にも、膨大な書類作成業務や毎月のようにあるイベントの準備指導計画の作成や保護者対応など多岐にわたります。

子どもの安全を最優先しながら同時に多くの業務をこなさないといけないため、体力的にもきつく、またサービス残業が多いことでも知られています。

これらの事情が、仕事量と給料が見合っていないと感じる原因を作り出していると言えるでしょう。

保育士の低い初任給から給料を上げる3つのコツ

保育士の給料が低い理由を見ると、「給料アップは難しいのかな」と思ってしまうかもしれませんが、低い初任給から給料を上げていくことは可能です。

具体的な方法やコツを3つ紹介します。

1. 保育士の経験を積む

保育士はなかなか昇給しないイメージがあるかもしれませんが、長く働けば働くほど給料が上がる園もあります。

保育士の処遇改善の中で「処遇改善等加算Ⅰ」は全職員が対象で、職員全体の平均勤続年数によって加算される制度です。

よって、勤続年数が長い職員がたくさん在籍している園の加算額は多くなります。

経験を積んで昇給を目指すのが、最もシンプルな給料を上げる方法でしょう。

2. キャリアアップ研修を受ける

キャリアアップ研修という保育士専門の研修を受けることで、「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」という新しい役職に就くことができます。

役職に就くと毎月5,000〜40,000円の手当が支給されるようになりますので、研修を受けて昇進を目指しましょう。

しかし、キャリアアップ研修は保育士としての経験年数が最低でも3年以上ないと受けることができませんので、まずは経験を積むことが優先です。

3. 給料の高い保育園に転職する

経験を積んだ保育士であれば、給料の高い園に転職する方法も良いかもしれません。

保育園は都道府県や施設の種類、園の規模によって給料が大きく異なる場合があります。

保育士不足は深刻なので、転職先はすぐに見つかる可能性が高いでしょう。

また、公務員保育士を目指して公立保育園に転職するのも給料をアップさせる一つの手です。

公務員であれば毎年昇給していきますので、低い初任給から確実に給料を上げていくことが可能です。

住んでいる市町村のホームページを確認して募集しているかどうか確認してみましょう。

勤続1年以上で必ず退職金がもらえるのも公務員の魅力的なポイントです。

ただし、公務員保育士を目指せるのは30歳未満であることに注意してください。

保育士の初任給はいつ貰える?

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初任給とは、就職して初めてもらえるお給料のことです。

保育園は4月の新学期に新しいクラスでの活動がスタートするため、保育士として新卒で入職する場合のほとんどが4月から働くことになるでしょう。

そうすると、初任給がもらえるのは翌月の5月頃になります。

しかし、例えば「月末締め、翌月10日支払い」「15日締め、当月25日払い」など、園が給料日をいつに設定しているのかによって初任給をもらえる日や額が変わってくる可能性がありますので、園の就業規則を確認しておきましょう。

一般的に締め日は園によってバラバラでも、翌月払いであることが多いため、4月は振り込まれないことを計算に入れておく必要があります。

保育士の初任給を把握して就職後はスキルアップを目指そう

今回は保育士の平均的な初任給額や給料が低い理由について紹介しました。

初任給は園の運営形態や地域によって差があること、また控除が少ないため他の月より給料額が多いことをを覚えておきましょう。

保育士の初任給は他の業種と比べて特別低いわけではありませんが、保育士自体の給料は一般的に低く、勤続年数が長くてもなかなか給料が上がらない場合もあるかもしれません。

保育士としての経験を積んで役職に就いたり転職をするなどして、初任給の額から給料アップを目指してみてください。

[注1]総務省|〔附帯調査関係〕1 初任給基準関係

[注2]e-Stat政府統計の総合窓口|賃金構造基本統計調査

[注3]内閣府|令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】

[注4]e-Stat政府統計の総合窓口|賃金構造基本統計調査

記事公開日:2022.03.14

記事更新日:2022.03.14