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2022.03.11

学童での仕事内容は?保育士との違いや必要なスキル・資格を解説

学童での仕事内容は?保育士との違いや必要なスキル・資格を解説

学童保育の仕事内容について詳しく知りたい保育士さんも多いのではないでしょうか。保育士の資格が活かせる職はたくさんありますが、学童保育士もそのうちのひとつです。

学童に興味がある保育士さんは、保育園の保育士との違いや必要なスキルについて理解しておきましょう。

学童保育士の主な仕事内容

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学童保育士の仕事内容を知る前に、まず学童とはどのような施設なのか確認しましょう。

学童とは、共働きの親や放課後自宅で子どもを見れない家庭の児童を預かる施設です。子どもを預かるのは放課後の時間帯からなので、学童保育士の仕事は少し遅い時間からスタートします。

このような事情を踏まえて、学童保育士の主な仕事内容を1日の流れで見ていきましょう。

学童保育士の仕事内容|10時~:出勤

学童保育士の多くは大体午前10時頃から勤務を開始します。

子ども達が来所するまで時間がありますので、その間に書類作成など事務作業やミーティングなどを行います。

季節のイベントやレクリエーションを行うときは午前中に準備することも多いでしょう。

学童保育士の仕事内容|13時~:子どもたちが来所

お昼過ぎ、子ども達が来所しますのでスタッフが出迎えます。

学童保育士の仕事内容|13時半~:宿題・自由時間

スタッフは宿題をするよう声をかけ、学習中は近くで見守ります。保育士は教員ではないため基本的に学習指導は行いません

そのあたりの決まりは学童により異なりますが、子どもの自主性を尊重した取り組みを行っている学童が多いようです。

学童保育士の仕事内容|15時~:おやつ

学童で提供するおやつは市販のお菓子であることが一般的ですが、これも学童によって大きく異なります。

例えば「毎週〇曜日は手作りおやつ」「ハロウィンの日はかぼちゃのカップケーキ」など、工夫しておやつの時間を楽しんでいます。

おやつの買い出しや準備などは保育士を含めた学童スタッフの仕事です。

学童保育士の仕事内容|15時半~:自由時間

学童では基本的に各自が好きな遊びを行います。

工作活動や読書、お絵描きやトランプ、外遊びなどその日の気分に合わせて帰宅時間まで自由に過ごします。

保育士は子どもが安全に過ごせるようサポートしなければなりません。

子どもと一緒に遊んだり、レクリエーションをすることもあるでしょう。

学童では家庭とやり取りをするために連絡帳を用いる施設が多いと思いますので、保育士は自由時間の間に、子どもの様子や伝えたいことを記入します。

学童保育士の仕事内容|17時半~:帰宅

帰宅時間の少し前から片付けなど、帰り支度をするよう呼びかけます。

帰りの会ではスタッフから子どもに連絡事項を伝えたり、子どもから今日1日の感想を聞いたりします。

学童保育士の仕事内容|18時~:閉所

子どもが全員帰宅した後は、清掃や雑務を行います。

退勤時間までの間でミーティングを行う学童もあるでしょう。スタッフ間で共有する内容の確認や翌日の打ち合わせなどを行います。

学童保育士の仕事内容|19時:退勤

戸締りをして退勤します。

来所時間に関する注意点

子どもの来所時間は小学校の時間割の都合によって日々異なります

長期休みの前後は午前授業になることが多いため学校に合わせて開所します。

夏休みや冬休みになると朝から夕方まで子どもを預かりますので、この期間は学童保育士の勤務時間も変動するでしょう。

なお、学童では基本的に送迎は行っていないため、スタッフに送迎業務はありません

子ども達が自分で帰宅するか、保護者が迎えに来るかのどちらかです。

ただし、民間の学童では送迎サービスを行っているところもありますので、勤務先によっては車の運転が必要な場合もあるかもしれません。

学童保育士と保育士の違い

学童保育士と保育園で働く保育士にはどのような違いがあるのでしょうか。

違いを3つ挙げましたので、それぞれ確認してみましょう。

子どもの対象年齢の違い

保育園では0~6歳の子どもを預かりますが、学童保育で預かる子どもは6~12歳の小学生です。保育園児を比べると、小学生は手がかからないと感じる人もいるかもしれません。

保育園は通常子どもの年齢ごとにクラス分けされていますが、学童は全ての子どもがひとつの空間で過ごします。

定期的に異年齢保育を実施している保育園もたくさんありますが、学童は毎日が異年齢での活動です。

勤務時間の違い

先ほど1日のスケジュールで紹介した通り、学童保育士の勤務開始時間は一般的にも遅いです。保育園は早番や遅番をシフトで分けるパターンが多いと思いますが、学童は固定であることがほとんどでしょう。

子どもと関わる時間にも差があります。保育園は朝から夕方まで1日中子どもと接していますが、学童の場合は子どもが下校してからの4時間程度しかありません。

その代わり、学童では午前中に事務や雑務をする時間があるため、残業は少ない傾向にあります。

構成するスタッフの違い

保育園のスタッフのほとんどが保育士であるのに対し、学童は保育士以外にもさまざまな有資格者が働いています。

● 保育士

● 教員免許

● 社会福祉士

● 放課後児童指導員

一緒に働くスタッフと協力して子どもの指導や見守りを行っていきます。

子どもに対する考え方や見方などがそれぞれ違い、新しい発見があるかもしれません。

学童で仕事をするために必要なスキル・資格

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学童で仕事をするために必要な資格はありません。特にアルバイトやパート勤務などの非正規社員の場合は、無資格可で募集されているケースがあります。

しかし、正社員は有資格者のみを募集することが多いようなので、資格はあったほうが有利でしょう。

放課後児童支援員

また、2015年に新しくできた「放課後児童支援員」は、学童で働くための専門資格です。

2020年からは施設ごとに放課後児童支援員2人以上の配置が必須となりました。(うち1人は無資格者の補助員でも可能としています。)

なので、ひとつの学童に最低でも1人放課後児童支援員がいれば、他のスタッフは資格がなくても働くことができるということです。

研修の受講

放課後児童支援員の資格を取得するためには、地方公共団体が開催している研修を受講しなければなりません。

研修を受けるためには「保育士」「社会福祉士」「幼稚園教諭」「小学校教諭」の資格を持っている、あるいは高卒以上で2年以上の児童福祉施設での実務経験があることなどが条件として挙げられます。

保育士の資格を持っていれば、研修を受けるだけで放課後児童支援員の資格が取得できます。なお、研修は合計で4日ほどかけて行われます。

子どもと関わるスキル

以前は学童に通える子どもの年齢は概ね10歳までとされていましたが、共働き家庭の増加の影響により、2015年の児童福祉法改正に伴い、小学6年生までに変更されました。

そのため、学童保育士は園児とは違った子どもとの関わり方が求められるでしょう。

学童ならではの必要スキルとも言えますが、小学校高学年にもなると思春期に入る時期なので、子どもへの接し方はなお難しくなるかもしれません。

学童保育士としてさまざまな経験を積み、子どもの気持ちに寄り添える保育士を目指しましょう。

学童での仕事内容を把握して保育士として働いてみよう

今回は学童の詳しい仕事内容を1日の流れで紹介しました。

仕事内容も子どもの年齢も保育園とは異なるため、働くことに不安を感じる保育士さんもいるかもしれませんが、みんな子どもが好きな気持ちで働いている点は同じなので、これまでの保育士経験は活かせます

学童は資格がなくても働ける仕事ですが、保育士の資格を所有していると有利に働くため、学童に興味がある保育士さんはチャレンジしてみましょう。

記事公開日:2022.03.11

記事更新日:2022.03.11