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2022.03.11

保育園の園長になるためには?仕事内容やメリット・デメリットを解説

保育園の園長になるためには?仕事内容やメリット・デメリットを解説

将来的に園長を目指している保育士さんもいるでしょう。

保育園の園長は、園の最高責任者であり経営者でもありますので、園長になるためには相当なスキルが必要なのではと思う人も多いかもしれません。

本記事では園長の仕事内容や、必要なスキル給料相場などを解説します。

メリット・デメリットについても紹介していますので、将来園長を目指している保育士さんは参考にしてください。

保育園の園長の仕事内容

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保育園の園長は普段どのような仕事をしているのでしょうか。

子ども達から「園長先生」と呼ばれるため、積極的に子どもと関わる園長も多いかもしれませんが、園長は経営者としてもやるべき業務がたくさんあります。

保育園の園長の主な仕事内容を紹介します。

子ども達の把握や保育士の管理

園長になるとクラス担任を持つことはなくなりますので、必然的に子どもと関わる機会も減ります。

ですが、園長は子どもの安全を守る最大の責任者であるため、全てのクラスの状態を把握するために見回りをする必要があるでしょう。

また、現場の保育士達をマネジメントして、育てていくのも園長の仕事の一つです。

保育士達が有給休暇を取れるよう職員の配置を調整したり、シフト管理を行ったりすることもあるかもしれません。

保護者の対応

日頃の保護者対応や育児に関する相談、保護者会への参加も園長の仕事として必須です。

それ以外にも入園説明会の開催を行ったり、行事のときは園の代表として保護者達に挨拶しなければなりません。

普段から保護者とは良好な関係が築けるよう、コミュニケーションを取ることが大切です。

書類の管理

保育士が作成する指導計画書などの書類は園長が最終確認を行います。

また、補助金の申請など行政に提出する書類の管理も園長が行っていることが多いです。

安全・衛生管理

保育園は子どもが安心して過ごせる環境でなければならないため、園内の設備で危険な箇所や破損がないかの確認、給食時に検食を行うのも園長の役目です。

その他

他にも園長が行う仕事は以下のようなものがあります。

● 採用活動

● 会議への参加

● 外部との連携

園長が採用担当となり、面接を行っている園もありますし、会議に出席する回数も他の職員に比べると圧倒的に多いでしょう。

園内だけでなく、行政や療育機関など外部と連携を取ることも必要です。

また、イベントの際は地域の人達学校との交流活動もあります。

このように園長は、通常の保育士が携わらないような仕事の多くを行います。

もちろん主任などベテラン保育士と連携を取りながら、現場のことを詳しく把握する必要もあるでしょう。

運営の仕方次第で保育園の雰囲気も大きく変わりますので、園長は保育士達への気配りを忘れず、こまめに声をかけたりコミュニケーションを取ることも大切です。

保育園の園長になるために必要なスキル

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保育園の園長になるためにはどのようなスキルが必要なのかというと、園長になるために特別な資格は必要ありません。

園長になるために一番必要なものは経験です。

園長はその園の責任者であり、高い専門性や知識がないと他の保育士達を引っ張っていくことができませんので、豊富な経験のある人がふさわしいでしょう。

また、園を経営をしていくうえで知っておくべき制度のことも新たに学ぶ必要があります。

具体的には以下のようなスキルが求められます。

● 保育士を管理するマネジメント能力

● 誰とでも良い関係性を築けるコミュニケーション能力

● トラブルが起きた際に柔軟かつ冷静に対応する力

● 園の責任者としてのリーダーシップ

● 行政や地域と関わる際の連携力

● 園を運営していく経営力

保育園は子どもの命を預かる場所ですが、園長という立場になると保育士達の人生も背負う覚悟がないと務まらない仕事かもしれません。

また、保育の現場は職員同士の連携がとても重要なので、保育方針や日頃の保育で共有するべきことは一貫性を持って伝えましょう。

毎回言っていることが違ったり、保育の方向性がブレたりしていると、保育士達から不信感が生まれ、不満が募る原因にもなります。

園長は保育士や保護者達から信頼され、園のトップとしてリーダーシップを発揮することが求められます。

特に保育園という場所はほとんど人との関わりで成り立っているような環境ですので、コミュニケーションスキルは必要不可欠でしょう。

園長になるためには、公立と私立によって必要とされるスキルや条件が少し異なりますので、それぞれの違いを見ていきましょう。

公立保育園で園長になるためには昇格試験が必要

公立保育園で園長になるためには、大前提として公務員採用試験に合格後、公立保育士として経験を積む必要があります。

そのうえで昇格試験を受けなければなりません。

試験を受けるための条件は各自治体により異なりますが、概ね10年以上の保育経験を必要としているところが多いでしょう。

私立保育園は園独自の基準が定められている

私立保育園はその園によって園長になるための必要なスキルは異なります。

極端な話、私立保育園であれば保育士の資格がなくても園長になることは可能です。

しかし、一般的には資格を持つ主任保育士が昇格して園長になるケースが多いようです。

家族経営をしている私立保育園の場合は、家族が後を継ぐパターンもあります。

園長を募集している求人も多くありますが、求人募集している場合のほとんどは有資格者が条件でしょう。

園長として他の保育士や保護者から信頼してもらうためにも資格は取得しておくべきです。

保育園の園長の給料相場

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保育園の園長はさまざまな業務を担い、幅広いスキルが求められるため、給料面も気になるところです。

保育園の経営実態調査集計結果によると、園長の月給は以下の通りです。[注1]

※以下月給は賞与の1/12を含んでいるため、年収は月給を12倍しています。

保育士として同じ園で30年近くも働き、園長としてさまざまな責任を負いながら多岐にわたる業務をこなさなければならないため、給料に反映されるのは当然のことかもしれません。

「園長になるとこれほど給料が上がるんだ」と思った人もいるかもしれませんが、勤続年数約30年という点が大きなポイントです。

ですが、国税庁が公表している平均給与によると勤続年数25〜29年の年収は、男性で801万円、女性で416万円なので、女性園長の場合は平均から見ると高い額と言えるでしょう。[注2]

また、勤続年数が10年程の保育士の月給は約30万円なので、園長は倍近くもらえる計算になります。

しかし園長の給料は保育園のある場所や経営状況、自治体の保育士支援の充実度の違いにより大きく異なりますので、あくまでも参考程度にしてください。

保育園の園長になるメリット

保育園の園長になるメリットについて紹介します。

収入面で安定する

一般的に給料が低いと言われる保育士でも、園長になると事情は異なります。

先ほど紹介したように勤続年数の長い園長は平均で通常の保育士の倍近い給料がもらえるので、給料アップは一番のメリットとも言えるかもしれません。

賞与も増えるため年収も大幅に上がり、モチベーションの向上にもつながるでしょう。

やりがいが大きい

これまで多くの経験を積んできた保育士さんの中には、「園長になれたらこういう保育を行ってみたい」という理想がある人もいるでしょう。

例えば「異年齢保育を取り入れたい」「英語教育に力を入れたい」など、園の特色や理念を自分で自由に設定することができるのが園長のメリットでもあります。

他にも大変な書類作成業務を効率化するために「ICTシステムを取り入れる」など、保育の現場を良い方向に変えていくことも可能です。

また、保育士の人材育成にも関わるため、部下達が育っていく姿を見てやりがいを感じることができます。

保育園の園長になるデメリット

続いて園長になるデメリットについても確認しておきましょう。

保育園のトップのため責任が大きい

園の責任者である園長は、影響が大きく責任のある立場であることを自覚しなければなりません。

園で起きた事故やトラブルなどの責任は園長が負わなければなりませんし、少しのミスが命取りになる可能性もあるでしょう。

重大な決断を迫られたときは冷静に判断しなければならず、プレッシャーを感じることが多い仕事です。

多方面にわたりスキルが求められる

保育園は子ども、保育士、保護者とたくさんの人間関係が混在する職場です。

定期的に保育士と面談をして業務の調整を行ったり、時には保護者からのクレーム対応をすることもあるでしょう。

園長になると通常の保育士のように直接子どもと関わる機会は減りますが、それでも子ども達のことも把握していなければなりません。

当然経営スキルも必要になりますし、外部との関わりも増えるので忙しくなることは避けられないでしょう。

このように多くのスキルが求められる園長は、これまでと同じような気持ちでは働くことはできないため、デメリットに感じる人もいるかもしれません。

保育園の園長になりたい人は保育士としてたくさん経験を積もう

今回は保育園の園長になるための必要なスキルや、詳しい仕事内容について紹介しました。

保育園の園長は豊富な経験や知識を必要とし、園のトップとしての責任も伴いますが、大きなやりがいを感じることができる仕事です。

待機児童問題を経て現在保育所の数は増加しているため、園長募集の求人も増えています。

将来的に園長を目指したいと考えている保育士さんは、経験を積んでさまざまなスキルを身につけていきましょう。

[注1]内閣府|令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】

[注2]国税庁|1. 平均給与

記事公開日:2022.03.11

記事更新日:2022.03.11