2022.01.13
保育で伝承遊びを採用するねらいとは?年齢別の遊び方も紹介
保育園で伝承遊びを実施して、子ども達に昔ながらの遊びに触れる機会を作ってあげましょう。まずは伝承遊びの特徴や魅力ポイントを紹介します。
伝承遊びの特徴とは
伝承遊びとは、日本で古くから親しまれ現在に至るまで受け継がれてきた遊びのことを言います。
けん玉やお手玉など道具を使った伝承遊びをはじめ、子どもが集まれば楽しめる花いちもんめやかくれんぼなど、種類はさまざまです。
伝承遊びはその場にいる子どもの人数や、年齢などに応じて工夫して遊べるという特徴があります。
また、みんなで体を動かしながら身体能力を向上させたり、歌をうたうことで言葉を覚えたりと、遊びながら自然と発達に良い影響を与えてくれるのが伝承遊びの魅力です。
保育の現場で採用したい!伝承遊びのねらい
伝承遊びを保育に取り入れるねらいについて見ていきましょう。
他者との関係構築やコミュニケーションを育む
伝承遊びを行いながら子どもは友達や保育士との関わりを楽しみ、コミュニケーション能力を身に付けていくことができます。
特にだるまさんが転んだや鬼ごっこなど大人数で行う伝承遊びは、友達と意見を交わしながら決まりを守って遊ぶことの大切さが学べるでしょう。
自分たちで遊びをアレンジしたり展開していくおもしろさを子どもたち同士で共有することで、友達関係を深めていくことができます。
また、保育園によっては地域の高齢者と世代間交流を行っている園もあるかと思います。
伝承遊びに詳しい高齢者から遊びを教わることで、子どもと地域住民が交流するきっかけを生み出します。
遊びを通して日本の伝統に触れる
核家族化が進み、子ども達は日常生活の中でおじいちゃんやおばあちゃんと接することが少なくなり、必然的に伝統的な遊びを教わる機会も減りました。
また少子化が深刻化している現代では一人っ子が多く、近所の子どもとの関わりも少ないため、子どもから子どもへ遊びが受け継がれるきっかけも失われつつあります。
そのため、保育園で伝承遊びを取り入れることは、昔ながらの遊びを子ども達に教える貴重なチャンスとも言えます。
保育園では子ども達にさまざまな伝承遊びを教え、日本の伝統的な遊びに興味を持ってもらいましょう。
年齢別の伝承遊びの遊び方を紹介
それでは、保育園の子ども達が楽しめる伝承遊びを年齢別で紹介していきます。
年齢は目安なので、子どもの発達状況に合った遊びを実施してください。
0歳児におすすめの伝承遊び
0歳児が楽しめる伝承遊びは、主に手遊びやわらべ歌です。
まだ話したり歩いたりできない年齢なので、保育士と1対1の関わりが持てるわらべ歌を取り入れていきましょう。
0歳児におすすめの伝承遊び(1):いっぽんばしこちょこちょ
わらべ歌で有名な「いっぽんばしこちょこちょ」は子どもとのスキンシップが楽しいふれあい遊びです。
肌に触れてくすぐったりすることで、子どもの感覚を育てていくことができます。
子どもと目線を合わせながら優しく触れてあげましょう。
0歳児におすすめの伝承遊び(2):うえからしたから
タオルやハンカチを揺らしながら「うえからしたからおおかぜこい こいこいこい♪」という歌詞とメロディーが心地良いわらべ歌です。
リズムに合わせてタオルをユラユラ、最後は子どもの顔にそっとかけて「いないいないばあ!」と言って楽しみましょう。
1歳児におすすめの伝承遊び
1歳児の場合も、保育士とのスキンシップが楽しめる伝承遊びを選ぶと良いでしょう。
1歳児におすすめの伝承遊び(1):おせんべやけたかな
手をおせんべいに見立てて遊ぶわらべ歌です。
保育士が「おせんべおせんべやけたかな」と言いながら子ども達の手を一つずつポンポンとたたいていきます。
まだ遊びのルールが分からなくても保育士とのふれあいを楽しむことができるでしょう。
1歳児におすすめの伝承遊び(2):福笑い
お正月の伝承遊びで知られる「福笑い」を1歳児の保育に取り入れてみましょう。
1歳の子どもが福笑いで遊ぶときは目隠しはせず、顔のパーツを置いていくだけでも楽しめます。
目・鼻・口など簡単なパーツだけ作り、保育士が「これは目だよ」と伝えてあげながら遊ぶと良いでしょう。
2歳児におすすめの伝承遊び
2歳頃になると体を使った遊びが楽しくなる時期なので、みんなで運動できる伝承遊びがおすすめです。
2歳児におすすめの伝承遊び(1):鬼ごっこ
2歳児の鬼ごっこは、保育士が鬼となり子どもを追いかけるシンプルなルールで行うと分かりやすいですよ。
タッチされても鬼を交代する必要はなく、子ども達が楽しく逃げ回り友達と一緒に遊ぶことの楽しさを感じられるようにすることが大切です。
2歳児におすすめの伝承遊び(2):かくれんぼ
ルールがあり友達と関わりながら楽しむかくれんぼは、2歳児にはまだ早いと思うかもしれません。
ですが、例えば子ども全員が探す側になって保育士を見つけるかくれんぼなら、2歳児でも楽しめるのではないでしょうか。
「先生はどこにいるでしょう?みんなで探してね!」と声をかければ子どもにも理解できるかもしれませんね。
3歳児におすすめの伝承遊び
3歳になると2歳の頃に比べて手先が器用になってきますので、道具を使った伝承遊びにチャレンジしてみましょう。
3歳児におすすめの伝承遊び(1):折り紙
折り紙は幅広い年齢の保育でよく取り入れられる伝承遊びです。
指先の運動に効果的なだけでなく、脳にも良い刺激を与えてくれると言われる折り紙は、3歳児の遊びにぴったりです。
3歳児の折り紙制作は、チューリップや犬などの簡単なものが良いでしょう。
3歳児におすすめの伝承遊び(2):お手玉
布で小豆などを包んだお手玉は触り心地が良く、宙に浮かせたり手の甲に乗せたりとさまざまな遊び方があります。
3歳児のお手玉遊びは、上に向かって投げて両手でキャッチする遊びを繰り返してみましょう。
何回連続でできるか保育士が数えてあげるとより楽しめます。
4歳児におすすめの伝承遊び
4歳になると友達と積極的に関わり、一緒に遊ぶことを楽しむようになります。
また、誤飲の心配も減ってくるので小さいおもちゃを使った遊びもできるようになるでしょう。
4歳児におすすめの伝承遊び(1):花いちもんめ
花いちもんめは2つのグループに分かれて、歌をうたいながら自分のグループの人数を増やしていく集団で楽しめる伝承遊びです。
誰を自分たちのグループに入れるかをみんなで相談し合うのが楽しく、コミュニケーション力や協調性を育むことにもつながります。
4歳児におすすめの伝承遊び(2):おはじき
おはじきをテーブルに広げて指ではじき、当たった分のおはじきを自分の手持ちにします。最後に誰が一番多くゲットできたかを競い合うシンプルなゲームです。
おはじきは誤飲事故の原因になりやすいおもちゃなので、4歳であっても遊んでいる最中は子どもから目を離さず見守っていてください。
5歳児におすすめの伝承遊び
運動能力がぐんとアップする5歳児には少し難易度の高い遊びがおすすめです。
5歳児におすすめの伝承遊び(1):けん玉
けん玉は、ひざを使って全身でバランスを取りながら土台に玉を乗せる遊びです。
バランスを取りながら一点に意識を集中させるため、集中力を高めるのに効果的と言われています。
また、紙コップや松ぼっくりで手作りけん玉を作ることもできますので、制作活動から取り入れてみてください。
5歳児におすすめの伝承遊び(2):竹馬
初めて竹馬に乗る子どもは、なかなか前に進むことができず難しく思うかもしれません。
しかし試行錯誤しながら何度も繰り返し練習することで、できたときの達成感を味わうことができるでしょう。
竹馬はバランス感覚が鍛えられる運動遊びです。
伝承遊びを保育に取り入れて日本の伝統文化に触れよう
伝承遊びの特徴やねらいに加え、具体的な伝承遊びのアイデアを0~5歳の年齢に分けて紹介しました。
友達関係やコミュニケーション力を育む効果がある伝承遊びは、今後も受け継がれていくべきものです。
ぜひ保育に取り入れて、日本の伝統的な遊びを子ども達に知ってもらいましょう。
記事公開日:2022.01.13
記事更新日:2022.01.13