2021.12.28
保育活動における導入の目的や方法、適したタイミングとは?
「保育活動の前に導入を行いたいけど、どんなことをしたらいいのか分からない」と悩んでいる保育士さんは多いのではないでしょうか。
本記事で紹介している導入に使える活動例や具体的な事例を参考にして、保育に取り入れてみてください。
保育活動で導入する目的
保育士がねらいや目的を持って行う保育活動のことを設定保育と呼びますが、設定保育の前に行うものが「導入」です。
導入の全てが、設定保育の前に行うものではありませんが、多くの場合で保育活動を行う前に実施されています。
導入とは字のごとく「導き入れる」という意味ですが、保育における導入は、子どもを活動内容に導き入れる目的があります。
活動前に導入を行うことで、子どもは注目してくれますので保育士の言葉が入りやすくなります。
「これから何が始まるんだろう」「楽しそう」と子どもに思ってもらえると、遊びや行事などの活動にもすんなり入ることができるようになるでしょう。
導入は一瞬で子どもを惹きつける一種の技のようなものでもあります。
保育士は導入のネタをいくつか持ち合わせておくと、子どもに注目してもらいたいときなどに役立ちます。
保育活動の導入方法4つ!
それでは、実際に保育活動の導入に使える活動例を見ていきましょう。
あくまでも設定保育がメインですので、導入で行う活動は適度に短く、子どもたちが飽きないように配慮して行いましょう。
絵本の読み聞かせをして子どもの集中力を高めよう
行事を行う前には、その行事にちなんだ絵本を導入として使う例が多くあります。
例えば、七夕・クリスマス・お正月・ひな祭りなど、行事がテーマになっている絵本はたくさん存在します。
読み聞かせは子どもの集中力や記憶力を高めてくれますので、行事の由来や意味を子どもたちに伝えたいときに活用してみましょう。
行事のための制作活動を行う前にも、絵本の導入は効果的です。
お話が長すぎる絵本は導入に向いていませんので、選び方には注意が必要です。
ペープサートで視覚に刺激を与えよう
ペープサートとは紙で作られた人形劇です。
人形の製作やお話作りなど事前準備が必要ですので、少し気合いが必要な導入かもしれません。
しかし、ペープサートは視覚的に分かりやすいため、子どもはお話を理解しやすく、イメージを膨らませていくことができます。
行事の前の導入として活用すると、その行事に対して興味を持つことができ、ストーリーを楽しみながら想像力を育てていくことが期待できるでしょう。
また、ペープサートを使用したシルエットクイズなら作るのも簡単ですので、子どもの活動を切り替えたいときなどに使えて便利です。
手遊びで楽しい雰囲気づくりをしよう
導入の定番でもある手遊びは、どの年齢の子どもたちでも楽しめるものです。
道具などを使わずにできるので、手軽に行える導入として新人保育士さんにもおすすめです。
導入で行う手遊びは、子どもの興味を惹きつけたいときや、次の活動に切り替えたいときに行いましょう。
もちろん遊びの前や行事の導入としても手遊びは役立ちます。
手遊びについてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
うたを歌って気持ちを盛り上げよう
年齢が低い子どもほど、保育園で初めて経験する行事が多いでしょう。
例えば保育士が「もうすぐ節分だから豆まきをしよう」と考えていたとしても、「節分って何?」「どうして豆をまくの?」と疑問に思う子どももいるかもしれません。
そのため、まずは子どもに節分について知ってもらうために豆まきのうたを歌いましょう。
歌うことを楽しみながら、行事に親しみを持ってもらうことができます。
子どもの興味をさらに引き出すために、ペープサートを併用しても良いでしょう。
保育活動の導入が適したタイミング
保育における導入は、一般的に活動に入る前のタイミングで行います。
しかし、行事に対してイメージを膨らませて楽しみに待てるように、前もって導入を行うパターンもあります。
また、子どもは遊びや好きなことに夢中になっていると、なかなか活動が切り替わらないときがあるので、普段の保育で他の活動に切り替えたい時に導入を行う保育士さんもいるでしょう。
導入は「必ずこういう場面で行うべき」と決められているものではありませんので、保育士が必要に感じた時にタイミングを見計らって実施していくことが大切です。
保育導入の事例を紹介
保育における導入の事例をいくつか紹介します。
すぐに実践できるものもありますので、日々の保育で活用してみてください。
給食の時間にクイズを導入
子どもはクイズが大好きです。
〇×で答えられる食べ物に関するクイズを給食時間の前に導入にしてみましょう。
「〇だと思う人は手を上げてね」と説明し、保育士が声に出して問題を出題します。
必要な道具は何もないので、普段の保育で気軽に活用できます。
クイズは物の判別ができようになる2歳頃から楽しめますので、年齢に合わせて難易度を調整しましょう。
【3歳児クラスの例】
「リンゴの色は赤色である(答えは〇)」
「ご飯を食べる前にはごちそうさまと言う(答えは×)」
【5歳児クラスの例】
「赤くて丸くて酸っぱくておにぎりの具に入っているものはサクランボである(答えは× 正解は梅干し)」
「豆腐は牛乳で作られている(答えは× 正解は大豆)」
食べ物に関するクイズは、食育活動にもつながりますので、食べ物に興味を持ってもらうきっかけにもなります。
芋掘り遠足の前に制作や絵本で導入
芋掘り体験が初めての子どもには、芋掘り遠足への期待感が高められるよう、芋掘りのイメージが膨らむ導入を行います。
【制作の導入例】
新聞紙を使ってさつまいもの制作物を作ります。
さつまいもの形に丸めた新聞紙を、クラフト紙で包んで表面を紫色の絵の具で塗り、保育室の壁につるしたら完成です。
立体的なさつまいもの制作物を自分たちで作り、芋掘り体験に対するワクワクする気持ちを持たせてあげましょう。
【絵本の導入例】
保育士はさつまいもがテーマになっている絵本を選んで子どもに読み聞かせをします。
さつまいもがキャラクターとなっている絵本であれば、キャラクターに親しみを感じて芋掘りが楽しみになるかもしれません。
絵本を通してお芋がどのようなものなのかを知り、行事に興味が持てるようになります。
他の活動に切り替えるときに手遊びで導入
保育活動を行う前や、絵本の読み聞かせの前には「はじまるよ」という手遊びを導入にしましょう。
「はじまるよ」は手遊びの定番でもあり、導入にもよく使われています。
テンポの良いリズムでアレンジも楽しめる手遊びですので、低年齢の子どもにもおすすめです。
「はじまるよ、はじまるよ♪」と保育士が歌い始めると、騒がしかった子どもたちが集まってきてくれるかもしれません。
保育士が考えたオリジナルのはじまるよバージョンで子どもたちを楽しませましょう。
保育活動の前には導入を行って子どもを惹きつけよう
今回は活動の前に導入を行う目的や、具体的な方法について紹介しました。
保育の導入とは、保育活動の前に子どもたちの興味関心を引き出すために行われるものです。
導入の結果「楽しそうだな」とワクワクした気持ちが持てると、子どもは次の活動にスムーズに移行できます。
保育士は導入として手遊びや読み聞かせを行い、保育の幅を広げていきましょう。
記事公開日:2021.12.28
記事更新日:2022.01.04