2019.05.30
保育士が書類作成の際に心がけるべきポイントとは?
4月からの新学期から早2ヶ月。
最初は子ども達との接し方や保護者との関わり方が分からずに日々悩んでいた方も、少しずつお仕事に慣れたり要領を掴んだりして楽しく感じられる様になってきたのではないでしょうか?
子ども達の成長を直接感じられる“保育”のお仕事は本当にやりがいのある素敵な仕事ですよね!
しかーし!
保育士さんのお仕事は直接子ども達と関わる“保育”だけではなく、どんな活動をして子ども達の成長を促すのか、どんな活動を行うのかを細かく決めて記録する“書類作成”もありますよね。
この書類作成、とても大事なものだとは分かってはいてもやっぱり大変!
いつしか「これ何のためにやるんだっけ?」なんて思ってしまったりしまわなかったり。。。
どうしてもお仕事に追われすぎるとその行動の目的や意味を見失いがちになってしまうことも、、、しかし、この保育士さんの大事なお仕事の一つと言われる様々な“書類作成”の目的や大事な考え方について振り返り、少しでも前向きな気持ちになれれば日々の書類作成も億劫ではなくなりますよね!
今回、この書類作成にご協力頂いたのは、株式会社日本保育サービスの保育園で勤務されている園長先生方です。園長先生の中でもベテランで、全国に170以上ある園をサポートするマネージャーを務めてらっしゃいます。
目次
1. そもそも“書類作成”ってどんなものがあるの? 1-1. 指導計画とは? 1-2. 日々の書類を書く際のポイントは? 1-3. その他の書類にはどんなものがあるの?
そもそも“書類作成”ってどんなものがあるの?
保育園では目標や計画を作成、評価をしながら日々の保育を行っています。
そのため、年間カリキュラム・月案・週案・日案などの「指導計画」、日々の日誌、児童票、連絡帳など様々な書類があり、それらを用いて作成しています。
指導計画とは?
保育園の保育は、保育の計画に沿って行われます。
先ず「保育所保育指針」に基づき作成された園ごとの「保育課程」を立て、そこに基づいてクラスごとの「指導計画」を立てていきます。「保育課程」が全体的な保育の計画であることに対し、「指導計画」とは具体的な保育の計画のことを指します。「指導計画」には長期的な計画(年間指導計画(年間カリキュラム)・月案)、短期的な計画(週案・日案)があり、それぞれに関連性と連続性を持たせます。
「保育所保育指針」には、それぞれの年齢に応じた対応の仕方や、健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域についてもまとめられているので、それらを参考に「保育課程」を作成し、年間指導計画(年間カリキュラム)、月案、週案、日案等を作っていく流れになります。
保育所保育指針
↓
保育課程
それぞれの保育園の方針や目標に基づき、子どもの成長過程を踏まえながら作成する保育内容の見通しをまとめたもの
↓
年間指導計画(年間カリキュラム)
4月~3月まで1年間を通し、こどもの生活全体において設定した保育の目標が達成されるように作成されたもの
↓
月案
保育計画および年間カリキュラムに基づいて、月単位の保育活動を計画するもの
↓
週案
月案の保育のねらいに基づき、週単位のねらい、目標を設定し作成したもの
↓
日案
週案の保育のねらいに基づき、日々のねらい、目標を設定し作成したもの
大切なのは、発育状況はどうか、何に興味があるのか、他者とのかかわりはどうかなど、目の前のこどもの発達をしっかり理解することです。
その上で、ねらいや内容を設定し、保育環境の設定や保育者の援助の仕方等も計画していきます。計画だけにとらわれず、子どもたちの実際の様子を見て、援助をしていきます。そのためには、日々の保育の記録が、指導計画作成や保育者の在り方に生かされるようになります。
日々の書類を書く際のポイントは?
月案は年間カリキュラムに基づき、1か月の生活を見直してより具体化し、季節の行事やこどもの成長の姿を考慮し立てます。短期計画の週案・日案は月案の計画をより、細分化し、継続的に計画します。
振り返りは「ねらい」に対してこどもの姿がどうだったか、また保育者が行った援助はどうだったかをそれぞれの視点で振り返り記入し、次につなげていきます。
1年間が経った3月末には、年間カリキュラム、月案、週案の内容が全てつながるようにしていきます。
その他の書類にはどんなものがあるの?
保育日誌
クラスまたはそれぞれのこどもの「ねらい」に基づいた保育の実践記録。実際のこどもの姿を考察を含め、書き留めます。こどもの育ちに環境設定が合っていたか、しかけ、動機づけが適当であったかなど、見通しや配慮事項を次の保育につなげるために作成します。
児童票
入園から退園までの一人ひとりの子どもの家庭の状況お呼び保育経過(成長過程)を記録し、保管する重要な書類。乳児は最低1か月ごと、幼児は最低3か月ごとに、こどもの姿をありのまま具体的に書くことで、こどもの状況が客観的に見えやすくなります。保育指針の「養護や教育」のねらいや内容に即して記録していくと偏りなく記入しやすいです。日々の保育の中で、こどもの様子の特筆すべきことはメモを取っておくと書きやすくなります。
連絡帳
こどもの一日の様子を記録し、保護者と保育園で共有するもの。
護者が日中の保育園のこどもの様子がわかるよう、こどもが言った言葉やしぐさなどを記入します。食事やおやつ欄には「完食したか、残したか」を書きます。残した場合は「何を、どのくらい残したか」を具体的に記入します。
いかがでしたでしょうか?
保育士のお仕事の中でも、子ども達と直接関わるお仕事とは別の大変さがある「書類作成」。
でもその目的や意図をしると、少しだけ気持ちも前向きに取り組めるようになりますよね!
今後、書類作成につまずいたときは、ぜひ読み返してみて下さいね★
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記事公開日:2019.05.30
記事更新日:2021.07.19