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2019.05.26

子どもたちを守る!感染症拡大を防ぐために保育園・幼稚園でできる対策

子どもたちを守る!感染症拡大を防ぐために保育園・幼稚園でできる対策

免疫力の低い子どもたちが集まる保育園や幼稚園では、インフルエンザやノロウイルスなどの「感染症」が流行すると、その対策に追われます。

特に保育園には乳幼児も多いため、できるだけ感染症を拡大させないためにも、保育士一人ひとりが正しい知識を持たなくてはなりません。
今回は、保育園での感染症の拡大を防ぐためのポイントをご紹介します。

 

 

感染症の三大要因って?

感染症が発症するには、「病原体」「感染経路」「感染する子どもの状況」という3つの要素があります。

1.病原体(病気のもとになるもの)が何か

ウイルスや細菌など、病気を引き起こす原因となるものを「病原体」といいます。
この病原体が何かによって、病気の種類が次の2つに分類されます。

ウイルス
インフルエンザ、ノロウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルスなど

細菌
レジオネラ菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、溶連菌(溶血性連鎖球菌)など

2.感染経路(どうやって体に入るか)は何か

病原体が体に入り込むには、さまざまなルートがありますが、特に次の3つのルートには保育中にも注意が必要です。

接触感染
病原体と接触することによる感染を指します。
「とびひ」や「水いぼ」などの皮膚感染症のほか、下痢やおう吐を引き起こす「ロタウイルス」なども接触で感染します。
保育園で遊んでいるときなど、気が付かずに接触して感染することがあります。

飛沫(ひまつ)感染
咳やくしゃみなどで飛沫(つばなど)が飛ぶことによる感染を指します。
おおよそ1m以内の範囲は感染リスクがあります。マスク着用で感染拡大を防げますので、保育園でも保護者に対して咳エチケットの理解を得ることなどが有効です。インフルエンザや湿疹が出る「手足口病」、高熱の出る「ヘルパンギーナ」なども飛沫で感染します。

空気感染
空気中に浮遊する病原体を吸い込むことによる感染を指します。
病原体が5μm以下の小粒子となって空気中を浮遊することで、呼吸とともに小粒子を吸い込み、感染します。
「はしか」や「水ぼうそう」などに代表され、感染力が強いのが特徴です。

3.感染する子どもの状況はどうか

保育園にいる子どもたちは6歳までの乳幼児です。大人に比べ、子どもは免疫力が十分に発達していません。
子どもの年齢が低ければ、その分免疫力も下がり、感染リスクが上がります
生後6か月未満は母親の免疫が残っているため病気になりにくいと言われていますが、当然ながら万全ではありませんので、過信せず注意を怠らないようにしましょう。

(参考)厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン

感染症拡大を防ぐには

保育園では多くの子どもたちが過ごしているので、いったん感染症が発症すると一気に拡大してしまうこともあります。
日頃から、しっかりと感染拡大を予防するための準備をしておきましょう。

「うがい」「手洗い」を習慣化する

子どもたちだけなく、保育士も日頃から手洗いを徹底するようにしましょう。
石鹸を使い、きちんと手洗いすることで、感染を防げる病気がたくさんあります。
保護者や業者などのために保育園の入り口にアルコール消毒を置き、利用をお願いするのもよいでしょう。
病原菌を外から保育園内に持ち込まないようにすることが大切です。

また、うがいは口の中に入り込んだ細菌などを水と一緒に吐き出すことで、感染することを防ぎます。
保育園での感染拡大予防に手洗いとうがいの習慣化は必須です。

保育園の備品などは、こまめに消毒

子どもたちは手で鼻水を拭ったり、指を舐めたりするので、どんな子も「感染する側」でもあり、「感染させる側」でもあります。
手洗いを徹底するのはもちろんですが、子どもが触りそうな場所は、こまめに消毒しておくことが肝心です。
ドアノブや蛇口、おもちゃや便器、机など、多くの子どもたちが触れる場所は、特に念入りに消毒しましょう。

嘔吐や排泄物の処理にご注意!

ノロウイルスやロタウイルスなど、おう吐や下痢を伴う感染症の場合は、しっかりとした処理を行わなければ感染リスクを上げてしまいます。

素手では処理しない!使い捨ての手袋を

子どもがおう吐したものをすぐに片付けようと素手で処理するのは危険です
かならず使い捨ての手袋を使用
し、処理するようにしましょう。また腹痛のある子どもの便や、下痢などの緩い便にも注意が必要です。
下着を洗う際やトイレ掃除の際にも、必ず使い捨ての手袋を使用することで、感染予防につながります。

なかには子どもの洋服や布団がおう吐などで汚れても、感染拡大を防ぐため保育園内では洗わずにビニール袋に入れ、保護者に返却するなどのマニュアルがある保育園もあります。

保育士の安全への意識を高めよう

すでに保育園に完璧なマニュアルがある場合でも、徹底されていないようでは意味がありません。
子どもたちが感染症に苦しむことがないように、保育士一人ひとりが感染症予防への意識を高めて、積極的に実践することが大切です。

また、感染症の流行は毎年変化します。
最新の感染症に効果的な対策がとれるよう、マニュアルを定期的に点検したり、正しい知識を園内で共有するなどして取り組んでいきましょう

(参考)東京都福祉保健局 学校等における感染症予防チェックリスト

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記事公開日:2019.05.26

記事更新日:2021.07.12