2019.03.14

これでもう大丈夫!人見知りの子どもに対する保育士の接し方
人見知りは"大切な成長過程"
0~2歳児の乳児クラスを受け持つ保育士にとって、頭を悩ませる問題の1つは「人見知り」の子どもに対する接し方ではないでしょうか。
しかし子どもの人見知りは"大切な成長過程"なのです。
「どうして泣いているのかな?」「お母さんと離れたくないからかな?」と理由が分からず毎朝の受け入れでアワアワしている方も多いのではないのでしょうか?
保護者の方も子どもが泣いている姿を見て、離れることに不安を感じたり寂しくなったりしてしまいますよね・・・。
そんな保護者の様子を見ると困ってしまいますよね。
そこで今回は、保護者の方も安心して仕事に行け、保育士と保護者の信頼関係にも繋がる!そんな人見知りの子どもに対する接し方のコツをご紹介します!
目次
なぜ子どもは人見知りをするの?
人見知りは、「赤ちゃんが『母親』と『他人』との区別がついた証拠」とよく言われますが、実際のところでは赤ちゃんは生後わずか4日で母親と他人の区別がついています。
つまり、子どもは「保育士は母親ではない」とわかっているのです。それでも子どもは人見知りをしているのです。
人見知りをする子どもとしない子どもにも個人差がありますが、人見知りをする場合でもその程度や時期はさまざまで、個人差が大きいものです。
多くの赤ちゃんに人見知りをする傾向が現れますが、保育園で「この子は泣くのに、この子は泣かないなぁ」と感じる場合は、理由は一概には言い切れませんが、これらの人見知りをする・しないという点が大きく影響しているのかもしれませんね。
子どもの人見知りはいつ頃まで続くの?
上記でもお伝えしたとおり、人見知りをする時期は子どもによって個人差があります。
ですが、一般的には子どもの人見知りが始まる時期は、生後半年を過ぎたころから見られるといわれています。
一般的な目安なので、この基準よりも早く人見知りが見られる子どももいますし、反対になかなか人見知りをせずに、1歳を過ぎた頃から人見知りをするようになったということも珍しくはありません。
人見知りをしなくなる時期も子ども一人ひとりに違いがありますが、一般的には2~3歳頃に終わる子どもが多いようです。
3歳を過ぎてからも人見知りをする子どもはいますし、激しい子どもだと小学生になってからも人見知りをするなんてこともあります。
人見知りは「人に近づきたいけど怖い」という気持ちから
ではどうして赤ちゃんや子どもは人見知りをしてしまうのでしょうか?
平成25年に発表された、東京大学大学院総合文化研究科の岡ノ谷一夫教授らの研究結果によると、赤ちゃんの人見知りは「人に『近づきたい』けど『怖い』という2つの相反する感情が入り混じったもの」であることがわかりました。
これは、学童期の人見知りとほぼ一緒の心理状態です。
人見知りを起こしている子どもは、単に怖がっているだけでなく、同時に人に対する興味も強い傾向にあるということがいえるでしょう。
(参考)赤ちゃんの「人見知り」行動単なる怖がりではなく「近づきたいけど怖い」心の葛藤|科学技術振興機構
人見知りの激しい子どもは人のどこを見ているの?
また、同研究では赤ちゃんの視線の動きについても研究をしています。
その結果、人見知りする赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんに比べて、より相手の目をじっと見ていることがわかりました。
相手の顔や目の動きの反応を調べた結果、人見知りの傾向がある赤ちゃんは、よそ見している人の顔はよく見ているけれど、視線が合うと目をそらしてしまうことがわかりました。
つまり、赤ちゃんや子どもは普段、人のことをよく観察しているものの、いざ人に見つめられると困ってしまうというのが人見知りする赤ちゃんの特徴のようです。
保育士が人見知りの子どもに接するときは?
では、実際に保育園で人見知りをしている子どもに接する時、保育士はどのようにすることが良いのでしょうか?
人見知りをする子どもに対して苦手意識を持つのではなく、これからご紹介するポイントを抑えて、人見知りをする子どもとうまく関わってみましょう。
(1)無理に目を合わせない
子どもが慣れるまでの間は比較的、相性のいい保育士とマンツーマンで保育をするようにしていきます。
ここでのポイントは保育中は保育士から無理に視線を合わせようとはしないことです。
子どものペースで視線を合わせられるような環境づくりをして、徐々に子どもと目を合わせられる時間を伸ばしていくのがポイントです。
人見知りをする子どもの多くは「人に近づきたいけど怖い」という心理状態にあります。
なので無理やり視線を合わせることは子どもに恐怖心を抱かせてしまう可能性があるため、できるだけ控えましょう。
(2)焦ることなく、ゆっくりと
つきっきりで保育をすることで、その保育士に次第に心を開くようになっていきます。
子どもと保育士の間に信頼関係や愛着関係が築かれ始めている証拠です。
その頃には子ども自身も他の保育士に興味が湧いてくるはずです。
人見知りをしていた子どもの様子が、以前よりも周囲に打ち解けてきたと感じたら、その子どもが楽しめる遊びなどを用意して他の保育士や違った環境に徐々に慣れていけるようにしましょう。
人見知りの子どもに接するときの焦りは禁物。慣れてきても、泣いてしまうこともあるかもしれません。
子どもが「この先生がいるなら大丈夫だ」と安心して他の環境に興味を持ち、関われるようにするためにも、保育士は安全基地の存在になる必要があるのです。
保育士は寛容な心を持ち、子どもの不安な気持ちを受け止めながら見守って待っていてあげましょう。
人見知りは成長に必要なステップ
子どもの人見知りは、家庭や保護者以外の環境に冒険をしに行く子どもにとっては、とても大切な成長段階といえます。
そんな人見知りの子どもに、仕事をする上で悩まされている保育士の方も多いかもしれませんが、成長の過程であることを理解して子どもの気持ちに寄り添いながら長い目で接していきましょう!
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記事公開日:2019.03.14
記事更新日:2021.07.15