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2022.03.14

鬼ごっこの種類はいくつある?鬼ごっこの基礎知識やより楽しむ秘訣

鬼ごっこの種類はいくつある?鬼ごっこの基礎知識やより楽しむ秘訣

子どもの遊びの定番の1つに鬼ごっこがありますが、いつも同じ遊び方では子どもたちが飽きてしまい本気で楽しめていないかもしれません。

本記事では、定番の鬼ごっこはもちろん、保育園児が楽しめる鬼ごっこの種類と遊び方を紹介します。

また、保育における鬼ごっこの役割やアレンジ方法などの基礎知識も解説しますので、より深く鬼ごっこを知ることができます。

鬼ごっこのバリエーションを増やし、子どもたちの遊びをより盛り上げましょう。

鬼ごっこをするねらい

誰もが一度は経験し、子どもの遊びに欠かせないのが鬼ごっこです。

鬼ごっこは、鬼なら相手を捕まえる、鬼でなければ逃げるというシンプルな遊びですが、実は子どもの成長に欠かせない多くの要素を含んでいます。

鬼ごっこには以下のようなねらいがあります。

鬼ごっこをするねらい①:体力をつける

鬼ごっこでは、走る・座る・ジャンプする・登る・降りる・くぐるなど、乳幼児期に必要なさまざまな体の動きを経験できます。

また、走りながら急停止して方向を変えたり、走る速度を調整したり、転ばないように踏ん張ったりするなど、複数の動きを組み合わせる場面も出てきます。

ただ走るよりも複雑な動きを伴うため、体のバランスを整えることにつながります。

さらに、鬼から逃げる、相手を捕まえるという心理的な効果が加わるため全力を発揮できる遊びです。

運動が苦手な子どもも参加しやすく、体を動かすことの楽しさを感じながらストレス発散できます。

鬼ごっこをするねらい②:観察力や予測力、判断力を養う

鬼ごっこでは、鬼から逃げる場合も鬼として相手を捕まえる場合でも、相手をよく観察する必要があります。

観察することで相手の動きを予測し、自分がどのように動くのかを判断することができます。

また、鬼ごっこは鬼と自分という一対一の関係だけではありません。

遊びに参加している仲間の動きも関係してくるので視野も広くなります

仲間とぶつからないように、鬼に居場所を知られないようになど、鬼ごっこでは考える力を養うことができます。

鬼ごっこをするねらい③:コミュニケーション能力を養う

鬼ごっこによっては、参加する仲間との連携や声がけも必要になります。

仲間を守ったり助けるために声をかけ合ったり作戦を練ったりと、コミュニケーション能力を高めることにつながります。

鬼ごっこでは、話す力自分の考えを表現すること相手を理解することなど、コミュニケーションに欠かせないさまざまな力を育むことができます。

鬼ごっこをするねらい④:社会性を培う

鬼ごっこはルールを守ることで遊びが成立します。

正しくルールを理解し、それを守ることで楽しむことができます。

また、「走らないで逃げる・追いかける」というように新しいルールを設けることもできるので、アイデアを出す力や柔軟性も身に付きます。

逃げる時は逃げる、休む時は休むというように必要な時だけ集中力を高め、メリハリをつける練習にもなります。

このように、鬼ごっこは体だけでなく頭を使う遊びなので社会性を培うことができます。

日々の保育で鬼ごっこを積極的に取り入れることで、子どもの健全な発達を促すことにつながります。

鬼ごっこの種類はいくつある?

誰もが知っている鬼ごっこ、いわゆる追いかけっこをはじめ、氷鬼や色鬼など、日本には数多くの鬼ごっこが存在しています。

全国で鬼ごっこは250種類以上あり、細かく分類すると1,000種類以上あるとも言われています。

定番の鬼ごっこには以下のような種類があります。

● 鬼ごっこ(追いかけっこ)

● 色鬼

● 氷鬼

● 高鬼

● 隠れ鬼

● 手つなぎ鬼

● 影鬼

● しっぽ鬼

このように、鬼ごっこには多くの種類があります。

「○○鬼」のように名前に鬼がつくものは、そのほとんどが鬼ごっこ(追いかけっこ)がベースとなっており、それぞれに独自のルールが追加されて1つの鬼ごっことして成立しています。

保育園で楽しめる鬼ごっこの種類と遊び方

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先ほど紹介したように、鬼ごっこには複数の種類がありルールも異なります。

そのため、子どもの年齢に応じて鬼ごっこを選ぶ必要があります。

ここからは、保育園で楽しめる鬼ごっこを年齢別に紹介しますので、最適な鬼ごっこを取り入れましょう。

0~2歳児向けの鬼ごっこの種類と遊び方

乳児向けの鬼ごっこを3つ紹介します。

どれもルールがシンプルでわかりやすいので乳児でも遊びやすく楽しめるものばかりです。

鬼ごっこ(追いかけっこ)

遊び方は以下の通りです。

● 鬼を決める

● 鬼が一定時間待つ間に、鬼以外の子どもは逃げる

● 一定時間を過ぎたら鬼が追いかける

● 鬼が誰かにタッチしたら、鬼の役を交代する

遊び方のポイントとしては、最初は保育士が鬼になって「まてまてー」「つかまえるぞー」などの声がけをすると盛り上がります。

また、乳児にもわかりやすいように待ち時間は「10」数える程度で十分です。

通常なら、子どもを捕まえる時は体の一部をタッチしますが、月齢が小さい子どもと行う場合はギューッと抱きしめてあげると喜ばれます。

注意点としては、子どもの人数が多い時は鬼を増やしてみんなが遊べるようにしましょう。

また、子どもたちにわかりやすいように鬼は帽子をかぶるなどし、逃げられる範囲を決めておくと飽きずに遊べます。

くすぐり鬼

遊び方は鬼ごっこ(追いかけっこ)とほとんど同じです。

● 鬼を決める

● 鬼は子どもを追いかける

● 鬼が子どもを捕まえたら、お腹や脇の下をくすぐる

● 全員の子どもをくすぐるまで続ける

遊び方のポイントは、保育士が鬼になって「まてまてー」と言いながら子どもたちをおいかけ、捕まえたら「こちょこちょー」と声をかけながらくすぐります。

子どもたちは大好きな先生とスキンシップが取れるので声を出して喜ぶでしょう。

くすぐる時は力加減に注意し、10秒程度で終えましょう。

また、くすぐった時に子どもが予想以上に動き回ることがあるので、周囲に人や物がないことを確認しておくことが大切です。

むっくりくまさん

これはややルールが多い鬼ごっこです。

遊び方は以下の通りです。

● 鬼となる「くま」の役を決める

● くまはしゃがんで目をつむる

● くま以外の子どもは手をつなぎ、くま役の子どもを丸く囲む

● くま役の子どもの周りを回って歩き、「むっくりくまさん、むっくりくまさん、あなのなかー」と歌う

● さらに、「眠っているよぐーぐー、寝言を言ってむにゃむにゃ」と歌い、手をつないだ状態で止まる

● 「目をさましたらー、目をさましたらー、食べられちゃうぞー」と歌って手を離し、逃げる準備をする

● 「逃げろー」の合図でくま役は子どもを追いかける

● くま役の子が全員を捕まえたら終わり

この鬼ごっこは歌や遊び方の手順があるので、1歳以上のクラスで行うとよいでしょう。

遊び方のポイントは、最初のうちは保育士がくま役になり、「ガオー」などの声を出しながら子どもを追いかけます。

また、子どもたちのリクエストに合わせて、ライオンやトラなど鬼をアレンジをするのもおすすめです。

子どもの数が多い場合は、時間を区切って行うと飽きずに集中して遊びを楽しむことができます。

3~5歳児向けの鬼ごっこの種類と遊び方

幼児向けの鬼ごっこを3つ紹介します。

ルールがやや複雑になり、体だけでなく頭を使う遊びが含まれます。

氷鬼

氷鬼は、仲間と助け合うことで遊びが成立します。

遊び方は以下の通りです。

● 鬼を決める

● 鬼が一定時間待つ間に、鬼以外の子どもは逃げる

● 一定時間を過ぎたら鬼が追いかける

● 鬼にタッチされたら氷になって動けなくなるためその場で止まる

● 氷になった子どもは、氷になっていない子どもにタッチされることでまた動けるようになる

● 鬼が全員タッチできたら終わり

氷鬼は一度タッチされて氷になっても仲間にタッチされるとまた動けるようになるため、誰が鬼で誰が氷かがわかりにくくなります。

そのため、鬼は帽子をかぶったりしてひと目でわかるようにしておきましょう。

また、鬼が全員にタッチして終わるのは難しいので、あらかじめ制限時間を設けておくと集中して遊ぶことができます。

しっぽとり

しっぽとりは、追いかけるのと逃げるのを両方楽しむことができる遊びです。

遊び方は以下の通りです。

● 縄跳びやハンカチなど、しっぽとなるものを人数分用意する

● 動き回れる範囲を事前に決める

● 子どもは全員ズボンのお尻側にしっぽの端を挟む

● 保育士の「しっぽ取り、スタート」の合図で、子どもたちは決められた範囲内を走り回る

● 子どもたりは自分のしっぽを取られないようにしながら他の子どものしっぽを取る

● しっぽを取られた子どもは範囲外に出て座る

● 保育士の「終わり」の合図で走るのをやめ、一番多くしっぽを持っていた子どもが勝ちとなる

この鬼ごっこはチーム制でも楽しむことができます。

帽子でチームを色分けし、制限時間内で相手チームのしっぽを多く取った方が勝ちとなります。

注意点としては、参加する子どもの数に対して走り回れる範囲が狭いと接触によるケガなどが起こりやすくなります。

遊べる範囲が狭い場合は、参加する人数を制限して行います。

また、走る範囲を子どもにしっかりと周知し、しっぽを挟む深さなども統一するなどルールを守って行いましょう。

線鬼

線鬼は鬼ごっこ(追いかけっこ)をアレンジした遊びです。

遊び方は以下の通りです。

● 事前に、屋内ならビニールテープ、屋外なら石灰などで線を引いておく

● 鬼を1人決める

● こどもは全員線の上に乗り、鬼と少し離れて待つ

● 保育士の「スタート」の合図で、線の上だけで鬼ごっこをする

● 鬼にタッチされたら線から下りて最後の1人になったら終わり

鬼ごっこ(追いかけっこ)のルールがベースになっているので誰でも楽しめます。

線の数を増やしたり、複雑な配置にすることで遊びが長続きします。

また、線から線へ飛び移ってもよいというような新しいルールを設けると動きの幅が広がり盛り上がります。

鬼ごっこをより楽しむためのポイント

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鬼ごっこは保育園で積極的に取り入れたい遊びです。

これから紹介する3つのポイントを押さえておくと、鬼ごっこをより楽しむことができます。

子どもがケガをしないよう十分に配慮する

鬼ごっこの多くは道具を必要としないため、大きなケガをする心配はあまりありません。

しかし、走り回ったりタッチなどの接触を伴ったりするためケガのリスクはあります。

ケガを防止するために、以下のような点に特に配慮しましょう。

● 鬼ごっこのルールを子どもたちに理解させる

● 遊ぶ前に周囲に危険な遊具がないか、地面に大きな石ころが落ちていないかなどを確認する

● 遊ぶ範囲をあらかじめ決めておく

● 鬼ごっこの種類や遊ぶ場所の広さなどによって参加する子どもの人数を制限する

● 危険な行為があった場合は遊びを一旦止め、追いかけ方やタッチの仕方などを具体的に説明する

みんなが楽しめるように気を付ける

鬼ごっこでは、仲の良い子どもだけで盛り上がる場面がしばしばあります。

また、鬼をなかなか交代できない、何度も鬼になってしまう子がいます。

このようなことが起こると、同じ遊びをしているのに楽しめる子どもとそうでない子どもが出てきてしまい鬼ごっこが盛り上がらなくなります。

鬼は1人2回まで」「同じ人にタッチしない」など、必要に応じて具体的なルールを追加し、みんなが平等に楽しめるように気をつけましょう。

新しいルールを作り、鬼ごっこのアレンジを楽しむ

鬼ごっこは基本的なルールを押さえておけば新しいルールを追加してアレンジを楽しむことができます。

遊びに参加する子どもの数や年齢経験によって新しいルールを設ければ飽きずに鬼ごっこを楽しめるでしょう。

また、子どものアイデアを取り入れるとより盛り上がります。

子どもたちが鬼ごっこに慣れるまでは保育士が鬼役になり、遊びながらルールを確認したり声がけを行い、楽しく遊べる環境を作るように心がけましょう。

保育園では鬼ごっこを積極的に取り入れよう

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保育園で遊べる鬼ごっこの種類や遊び方を紹介しました。鬼ごっこのねらいがわかり、その魅力をおわかりいただけたでしょう。鬼ごっこはルールを守れば誰もが楽しめる遊びです。保育園で子どもたちとさまざまな鬼ごっこを楽しみましょう。

記事公開日:2022.03.14

記事更新日:2022.03.14