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2022.03.11

保育実習日誌の書き方のポイントや効率よく書くためのコツを解説

保育実習日誌の書き方のポイントや効率よく書くためのコツを解説

実習日誌は保育実習を行ううえで避けて通ることのできないものです。

「実習日誌を書くのが苦手」「なぜ書く必要があるのか分からない」と思っている保育学生さんは、まず実習日誌を書く目的を理解する必要があります。

保育実習日誌の目的やねらいを明確化したうえで、前向きな気持ちで実習を進めていきましょう。

この記事では保育実習日誌の書き方や、書く際のポイントを解説します。

初めての実習を控えている保育学生さんはぜひ参考にしてください。

保育実習日誌を書く目的・ねらい

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保育実習は保育士として社会人になる前に保育の現場を体験できる貴重な機会です。

実習をより有意義なものにするために実習日誌は欠かせません。

慣れない保育実習は1日を終えるだけでも精一杯という人が多いと思いますが、さらに日誌を書くことは実習生にとって大変なことかもしれません。

しかし、なぜ実習日誌を書くのかその目的やねらいについて考えてみると、日誌を書く意味や重要性について理解できるようになります。

以下は、保育実習日誌を書く目的やねらいです。

目標を立てて振り返りをするため

実習中は毎日目標を立てることが基本です。

日誌にはその日の実習で学んだことや気付いたことを時系列に書いたり、反省や考察を記入したりしますので、目標が達成できたかどうか振り返りやすいのです。

頭の中で思うだけでなく、実際に紙に書くことで自分の1日の行動を見直すことができ、「こんなところが足りていなかったかも」「明日はここを改善しよう」と次の日の実習に活かすことができます。

指導保育士とコミュニケーションを取るため

実習日誌は次の日に指導担当保育士さんに渡します。

指導担当者は日誌を読むことで実習生がどのような部分を観察しているのか、何に悩んでいるのかを知ることができるので、的確なアドバイスをしてもらいやすくなるかもしれません。

保育の現場は忙しく、1日の中でまともに保育士さんたちと話せる時間がないという場合もあるので、日誌はコミュニケーションツールとして活用されます。

就職後に役立たせるため

保育士は書類作成が多い仕事です。

担任を持つようになれば、毎日保育日誌を書かなければなりません

保育日誌でも同じように、保育活動の内容やねらい、子どもの姿や反省点などを細かく書く必要があります。

また、保育日誌以外にも月案・週案・日案といった保育指導案など書くべき書類は多く存在します。

これらは共通して、子どもにどのように成長してほしいか、予測される子どもの姿からどのような援助ができるかなどを考えていきますので、実習日誌は保育士業務の練習とも言えるでしょう。

保育実習日誌を書く際の3つのポイント

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保育実習日誌を書く際にはいくつか押さえておきたいポイントがありますので一つずつ解説します。

保育実習日誌を書く際のポイント①:正しい文章で丁寧に書く

実習日誌は園や学校に提出する重要な資料でもありますので、人から見て読みやすいかどうかを意識しながら書くことが大切です。

誤字脱字に注意しながら、丁寧に書いていきましょう。

また、日誌では正しい表現で書くことも求められます。

例えば「子どもに〇〇させた」という表現は、子どもに何かを強要させているように捉えられてしまうため、「促した」「援助した」「声かけをした」などの言い回しが良いでしょう。

他にも、保育士がよく使う専門的な言い方には「お昼寝=午睡」「トイレ=排泄」「外遊び=戸外遊び」などがあります。

保育実習日誌を書く際のポイント②:文体に気を付ける

文章は「ですます調」「である調」どちらかで統一しましょう。

しかし、時系列で書いていく保育内容の欄は「挨拶をする」「食事の準備をする」といった「である調」で書くのに対し、感想や反省欄は「勉強になりました」「明日に活かしたいです」など「ですます調」で書くのが一般的です。

同じ枠の中で文体が混在しないように注意しましょう。

保育実習日誌を書く際のポイント③:修正の仕方に注意する

実習日誌は黒の消えないボールペンで描くのがマナーですが、間違えてしまったときに修正ペンや修正テープを使用してはいけない園もあります。

間違えた箇所は二重線にして訂正印を押すというルールの場合は、手間に感じるかもしれませんが鉛筆で下書きしてからボールペンで清書した方が間違いを減らすことができます。

園によって対応は異なりますので、オリエンテーションのときや実習初日に確認してみてください。

保育実習日誌の書き方

保育の実習日誌は学校によってフォーマットが異なりますが、概ね以下の項目は必須です。

● 配属されたクラスの1日のねらい

● 実習生の1日の目標

● 保育の内容

● 感想や反省

これらの項目を実習1日につきA4サイズの用紙で1~2枚にまとめます。

毎日書かなければならないものなので、書くのに苦労する実習生も多いでしょう。

より詳しい書き方について、項目を一つずつ説明します。

クラスのねらいは指導担当保育士に確認しよう

担任保育士は1日の保育活動を計画するために「日案」を作成しています。

日案には、ねらいや内容を設定して、予測される子どもの姿や保育士が行う援助などが書かれていますが、実習生は毎日どんなねらいを設定したのか保育士に確認する必要があります。

朝の忙しい時間帯ではなかなか聞くタイミングがないかもしれませんので、子ども達の午睡の時間や隙間時間を狙って確認し、しっかりメモしておきましょう。

実習生の目標は具体的な内容を設定しよう

毎日設定する実習生の目標は、配属されるクラスの年齢何日目の実習なのかで大きく変わってきます。

例えば1~2日目であれば、「子ども達の名前と顔を覚える」「〇〇クラスの1日の流れを把握する」などでも問題ないでしょう。

しかし、実習後半ともなれば「子ども達一人ひとりに合わせた保育者の援助を学ぶ」「〇歳児の発達の特徴を理解して遊びの様子を観察する」など、もっと踏み込んだ内容が求められます。

また、クラスの保育計画を参考にしたり、その日に実践したいこと前日の反省点を活かした目標を設定するのも良いでしょう。

保育の内容は時系列に沿って記録する

実習日誌の中でも一番スペースの広い保育内容の部分は、1日の流れを時系列に沿って記入していきます。

主な内容は以下の通りです。

● 環境構成

● 子どもの活動

● 保育者の援助や配慮

● 実習生の気付きや動き

環境構成の欄には、活動場所の物の配置、子どもや保育士の位置などを図にします。

図はフリーハンドではなく定規を使って書きましょう。

子どもの活動では子どもの姿を記入します。

ただ単に「園庭で遊んでいた」と書くのではなく、「友達同士でチーム分けをして鬼ごっこをしていた」など具体的に書くことが大切です。

活動の場面では必ず近くに保育士がいて、子どもを見守りながら声かけを行っていますので、保育者の援助や配慮の欄に声かけの内容保育士の動きを記入しましょう。

保育の内容で最も重要とも言える欄は、実習生の気付きです。

実習生が子どもや保育士を観察して何を感じたのか、どんなことに気が付いたのか、指導担当者はその部分に着目しています。

ただ行動や事実を書くだけではなく、環境設定に対しての気付きや保育者の援助を見て感じたことなどが記入できると、学びの深い記録となるでしょう。

反省や感想は1日を振り返って学んだことや気付いたことを書く

実習を終えて1日を振り返ると、さまざまな反省点が出てくるでしょう。

1日を通して学んだことや、「こうすればよかった」と思ったこと、翌日の実習に活かしたい点などをまとめて記載します。

その日に設定した目標が達成できたかどうかも書けると良いかもしれません。

印象に残ったエピソードで例えば「〇〇ちゃんが泣いているところを〇〇くんが心配そうに近くで見ていた」と書く場合は注意が必要です。

なぜなら、子どもの名前は個人情報なので実名で書くことをNGとしている園が多いためです。

イニシャルで書くか、あらかじめ園に確認を取って書いた方が良いでしょう。

保育実習日誌を効率よく書くためのコツ

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実習日誌作成に費やす時間は人によってさまざまですが、実習終わりの疲れが出てくる時間帯に書くのは想像以上に労力を必要とします。

「なるべく早く書き終えて翌日のために睡眠時間を確保したい」と思う実習生は多いと思いますので、日誌を効率良く書くためのコツを紹介します。

保育実習日誌を効率よく書くためのコツ①:実習中にメモを取る

子どもがどのようなことに興味関心を持ったのか、保育士の声かけの工夫など、印象に残ったことはメモしましょう。

また、日誌は活動の時刻も記入する必要があるため、イレギュラーなことがあったときは時間もメモしておくと日誌を書くときにパッと書くことができます。

しかし、いくら効率良く日誌を書きたいからといって、実習中にメモばかり取っていると肝心の保育がおろそかになってしまい、保育士さんから注意を受けてしまうかもしれません。

メモを取る頻度はなるべく少なくし、簡潔に時間や要点を残しておくようにしましょう。

保育実習日誌を効率よく書くためのコツ②:休憩時間を活用する

子どもと一緒に給食を食べることも実習として大切な経験なのでお昼休憩がないパターンもありますが、実習生には休憩時間を用意してくれている園もあります。

休憩がある場合は、その時間を活用して午前分の日誌を書いてしまうのも手です。

中には日誌の大変さに気遣って、別で書く時間を設けてくれる親切な園もあるようなので、時間をもらえた場合はできる限りその時間に書き進めておきましょう。

保育実習日誌の書き方を覚えて有意義な実習にしよう

今回は、保育実習日誌の具体的な書き方や効率良く書くためのポイントについて紹介しました。

保育実習では子どもの動きや保育士の援助を観察する中で、たくさんの学びを得ることができますが、それだけで終わらせないために日誌を書いて目標を設定したり振り返りを行います。

実習日誌は慣れるまで書くのに時間がかかってしまうかもしれませんが、書き方やコツを知って、有意義で充実した保育実習を行ってください。

記事公開日:2022.03.11

記事更新日:2022.03.11