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2022.03.10

実習のお礼状の書き方は?お礼状の基礎知識や注意点について解説

実習のお礼状の書き方は?お礼状の基礎知識や注意点について解説

「お礼状って何を書けば良いのだろう」「かしこまったイメージで難しそう」と思っている保育学生さんは、園にお礼状を送る理由を知って正しい書き方を学びましょう。

本記事では実習のお礼状の書き方文例を紹介していますので参考にしてください。

実習のお礼状を送る理由

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実習生は基本的に、保育実習後は園にお礼状を送ることがマナーとなっています。

なぜお礼状を送らなければならないのでしょうか。それには2つの理由があります。

感謝の気持ちを伝えるため

まず挙げられる1番の理由は感謝の気持ちを伝えるためです。

実習生は何も分からない状態で来ているため、1から色々なことを指導担当保育士さんから教わります。

保育士さんは普段の業務に加えて、実習生の指導、日誌の添削、実習後は実習生の評価のために学校と連絡を取り合ったりしてくれます。

激務で多忙な保育士さんたちが実習生のために2週間近くも時間を割いてくれたわけですので、お礼状を送ってしっかり感謝を伝えなければなりません。

実習した園に就職する可能性もあるため

保育実習を行った園にそのまま就職する保育学生さんは意外に多いものです。

園側は実習生のことを覚えています。お礼状を出す保育学生さんがほとんどなので、出さなかった場合「お礼状が送られてこなかった」といったイメージが残ってしまうかもしれません。

印象を良くする目的でお礼状を出すのは少し意味が違いますが、就職のことも考えると、お礼状は出すべきと言えるでしょう。

実習のお礼状はいつまでに出す?

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お礼状を送る期日は学校によって異なります。

ですが、早いに越したことはありません。できれば実習の翌日から3日以内には出したいところです。

どんなに遅くても、実習後10日以内には送るようにしましょう。事情があって10日以上経ってしまった場合は、遅れてしまったお詫びを添える必要があります。

実習を終えた安堵感から気が付いたら数週間が過ぎていて「お礼状を書くのを忘れてしまった!」ということにならないよう、実習後はなるべく早くお礼状を送りましょう。

実習のお礼状の書き方・例文

保育実習のお礼状は書き方が決まっています。お礼状の基本的な構成を見ていきましょう。

前文:最初の挨拶文

前文とは本文を書く前の挨拶のようなものです。以下の3つから構成されています。

● 頭語

● 時候の挨拶

● 安否の挨拶

これらは概ね書く内容が決まっているため、型を覚えてしまえば難しくありません。

ひとつずつ解説します。

◇頭語

頭語とは手紙で使う書き出しの挨拶にあたるものです。

末文の結語とセットで使うのが決まりで、一般的に多い組み合わせは「頭語=拝啓・結語=敬具」です。

◇時候の挨拶

正式な手紙には、そのときの季節に合わせた時候の挨拶を頭語の後に書きます。

時候の挨拶は独特な言い回しですが、お礼状には必要なものです。

例えば10月に実習を行った場合は、「秋涼の候」や「秋も深まり涼しさを感じる季節となりましたが」といった挨拶文を使います。

◇安否の挨拶

時候の挨拶に続くように、安否の挨拶を書きます。以下は安否の挨拶の例です。

「皆様におかれましてはお元気でお過ごしでしょうか。」

「貴園ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」

「園長先生や皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。」

主文:お礼状の一番重要な部分

主文は、以下の2つで構成されています。

● 起こし言葉

● 本文

ここでようやく本題とも言える感謝の気持ちを伝える本文に入っていきます。

お礼状では主文がメインとなります。

◇起こし言葉

起こし言葉とは、前文と主文をつなぐ言葉です。

突然本文が始まって不自然にならないために用いられます。

書き出しは「さて」「この度は」「先日は」と始めるのが一般的です。

保育実習を終えた翌日に出す場合は「この度は」を使い、3日以上経っている場合は「先日は」と使い分けましょう。

◇本文

本文を書くときは、まず実習を受けさせてもらったことへの感謝の言葉を述べるようにしましょう。

例えば「この度はお忙しい中、〇日間にわたって保育実習の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございました。」など、起こし言葉とつながるように書きます。

その後に、実習中に学んだこと勉強になったこと印象に残ったエピソードなどを文章にします。

本文は主となる部分なので、文章が短くなりすぎないようボリュームを調整しながら書いていきましょう。

前文から末文までを10としたら、8が主文となります。

実習を経験したことで保育士になりたい想いが強くなったという気持ちや、担当保育士さんからもらった心に残っている言葉などを具体的に書くことがポイントです。

本文の最後に改めてもう一度、感謝の言葉を述べるとより丁寧でしょう。

末文:お礼状の締めくくり

末文も前文と同様、ある程度決まった書き方があるものです。

以下の2つから構成されています。

● 締めの挨拶

● 結語

◇締めの挨拶

末文の締めの挨拶では、お世話になった園や園長先生に対して今後の健康や発展をお祈りする言葉を書きます。

よく使われる締めの挨拶文例はこちらです。

「末筆ではございますが、皆様のますますのご健康をお祈り申し上げます。」

「末筆ながら、貴園の一層のご発展を祈念いたします。」

◇結語

結語とはお礼状の結びの言葉です。

「拝啓」から始めた場合は「敬具」で終わらせます。

この他にも、「謹啓」で始まり「謹言」で終わる組み合わせもあります。どちらを使っても問題ありません。

後付け:いつ誰が誰に書いたものか書き表すもの

実習のお礼状の後付けは、日付・学校名・氏名・宛名の順番で書きます。

記入する日付はお礼状を投函する日にし、字下げや改行に注意して記入しましょう。

実習のお礼状の例文

お礼状の書き方を詳しく解説しましたので、次は例文を見ていきましょう。

園長先生宛と法人の人事担当者宛に書く場合の2パターンに分けて紹介します。

◇お礼状例文1:園長先生宛(7月想定)

拝啓

 晴天が続く盛夏のみぎり、園長先生をはじめ諸先生方におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

 先日はお忙しい中保育実習を受け入れてくださり誠にありがとうございました。

 12日間という短い間でしたが、保育現場でしか味わえない貴重な体験をさせていただき、学校での学習とは違った多くのことを学ぶことができました。

 実習の中でも印象に残っている出来事は、部分実習で絵本の読み聞かせをしたときのことです。

 子ども達を前にすると緊張してしまい思ったように進めることができず悩んでいましたが、担任の〇〇先生からご助言をいただき、子ども目線で考える大切さを教えていただきました。

 今回の実習で得た経験を活かして、私も〇〇先生のような素敵な保育士になれるよう日々精進して参ります。

 実習中は至らない点ばかりでご迷惑をおかけしましたが、先生方からお力添えいただいたおかげで無事に終えることができました。

あたたかく丁寧なご指導をしていただいたこと、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

敬具

令和〇年〇月〇日
〇〇大学 〇〇学科 〇年
〇〇〇〇(自分の氏名)
〇〇保育園  園長〇〇様

 

◇お礼状例文2:法人宛(12月想定)

謹啓

 寒冷の候、貴園におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 この度はお忙しい中保育実習の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございました。

 実習では子どもの発達の違いを観察してほしいというお心配りから、全クラスの子ども達と接する機会を作っていただき、年齢によってできることや遊びの内容が大きく異なることを学びました。

 先生方の子ども達一人ひとりに寄り添った援助や声かけはとても印象に残っており、私も一人前の保育士になって子ども達の育ちを支えていきたいという想いが強くなりました。

 多くの学びや気付きを得ることができたのも園長先生をはじめ先生方のご指導の賜物と存じます。

 今回の実習で学んだことを今後の糧にし、さらなる成長を目指し経験を積んでいきます。重ねて貴園で実習を受けられたことに感謝申し上げます。

 末筆ながら、貴園のご発展と皆様方のご健勝をお祈りいたします。

謹言

令和〇年〇月〇日
〇〇大学 〇〇学科 〇年
〇〇〇〇(自分の氏名)
社会福祉法人 〇〇園  
人事担当 〇〇様

 

実習のお礼状を書く際の注意点

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お礼状を書く際にはいくつかマナーがあります。書く前や郵送する前には3つのポイントに注意しましょう。

◇封筒は白無地が基本

封筒は茶封筒ではなく、白無地のものでなければなりません。

また、中身が透けない二重構造になっている封筒の方が丁寧な印象を与えてくれます。

◇便箋は縦書き

お礼状に使用する便箋は、余計なデザインが入っていない縦書きのものを選びましょう。

罫線が入っていない白無地のもの、罫線入りのもの、どちらでも構いません。

◇黒のインクペンを使う

本来であればお礼状は筆や万年筆が良いと言われています。しかし使い慣れていない人が多いので、黒のインクペンであれば問題ありません。

消えるボールペンはマナー違反なので使わないようにしてください。

実習のお礼状は正しい書き方で感謝の気持ちを伝えよう

今回は保育実習の後に送るお礼状の書き方を紹介しました。

お礼状とは、実習を受けさせてもらった感謝を園に伝えるための手紙です。マナーや書き方に注意して、実習後はできるだけ早く送るようにしましょう。

お礼状の書き方の具体例を参考に、実習での体験を盛り込んだ内容にアレンジして、感謝の気持ちが伝わるお礼状を作成してくださいね。

記事公開日:2022.03.10

記事更新日:2022.03.10