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2022.03.09

節分とは?節分を子どもに説明する方法や楽しく過ごす方法を解説

節分とは?節分を子どもに説明する方法や楽しく過ごす方法を解説

まずは節分の基本的な知識を得て、節分の由来や豆まきをする理由を理解しましょう。

子どもに向けて説明する際のポイントについても解説します。

節分の意味・由来とは

節分と言えば、鬼退治をするためにみんなで豆をまくイメージがあるかと思います。

そもそもなぜ節分の日は豆をまくのでしょうか。節分の由来を見ていくと、豆まきをする理由も分かります。

節分の由来

2月の節分は季節の変わり目であり、冬の終わりを示します。

季節を分ける」から節分という意味があり、この日を堺として翌日からは立春となります。

昔は、2月以外にも「5月の立夏」「8月の立秋」「11月の立冬」と4つ全てを節分と呼んでいた時代もありましたが、現代では2月の立春の前日のみを節分としています。

2月だけが節分として残った理由は、旧暦が関係しているようです。

旧暦では立春を1年の始まりとして扱っていました。そのため、節分の翌日はお正月だったのです。

4つある節分のうち、立春が1年の中で最も大きな変わり目であり、前日は現代で言う大晦日であったことから大切に扱われ、今でも残っていると考えられています。

ちなみに暦は地球と太陽の位置関係で決まるものなので、毎年2月4日が立春とは限りません。

そのため年によっては節分も2月3日ではなく、2日や4日に前後する可能性があります。

豆まきの由来

立春を区切りとして新しく1年が始まるため、新年を迎える前に邪気や厄を払うために行われていたのが豆まきです。

さらに元をたどると、中国から伝わったと言われている「追儺(ついな)」と呼ばれる鬼を払う儀式が始まりとも言われています。

追儺の儀式では鬼払いに弓や矢が使われていましたが、室町時代に日本全国に広まると、鬼を払うための道具が豆へと変化しました。

豆で鬼を払った理由はさまざまな説がありますが、「豆には魔除けの力があると信じられていたから」「魔滅(まめ)という語呂合わせから」などが有力です。

また、季節の変わり目は体調を壊しやすいので、目に見えない病気や災いを鬼に見立て、

豆まきで無病息災を願ったとも言われています。

節分で使う大豆は、炒った豆でまくのが正しい使い方です。

なぜなら、鬼を退治した豆は厄や災いを追い払ったものなので、その豆から芽が出るのは縁起が悪いとされているからです。

また「魔目を射る」という語呂合わせも関係していると考えられています。

現在、節分の時期になるとスーパーなどで並ぶ福豆は、すでに炒ってあるものなので心配いりません

節分の過ごし方とは

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節分の過ごし方はどのようなものがあるのでしょうか。一般的な過ごし方について解説します。

豆まきをする

節分と言えば、やはり豆まきが定番です。大きな声で「おには~そと!ふくは~うち!」と豆をまいて日本の行事に親しみましょう。

保育士が鬼のお面をかぶって子ども達に豆を投げてもらいます。

年齢によっては鬼が怖くて泣いてしまう子もいるかもしれませんが、鬼役以外の大人が子どもに寄り添い、一緒に豆まきをすれば子どもも安心できるでしょう。

豆まきのあとは年の数だけ豆を食べると言われていますが、一体なぜなのでしょうか。

正確には数え年の分だけなので「年齢+1個」の豆を食べますが、これは「数え年=次の年」という意味があります。

ひとつ多めに食べて翌年も健康に過ごせますように」と願ったのが、数え年の分だけ豆を食べるようになった理由です。

ただし、豆類は窒息や誤嚥が起こる可能性が高く、2021年には消費者庁から「5歳以下の子どもには食べさせないように」と注意喚起が行われています。[注1]

[注1]参考:食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意 消費者庁

保育園や幼稚園に通う子どもは年齢的に当てはまりますので、園で豆まきをする場合は、新聞紙を丸めて豆に見立てたり、柔らかいボールなどを使用しましょう。

恵方巻きを食べる

元々恵方巻きは関西発祥の食べ物で、節分の日に食べる習慣として定着したのはわりと最近のことです。

縁起の良い七福神にちなんで7種類の具が入っていることが多く、その年の吉方向を向きながら太巻き寿司を静かに黙々と食べます。

給食やおやつで恵方巻きが出る園では、子ども達に今年の方角を教えて「みんなが健康で幸せに過ごせますように」と願いながら食べましょう。

「節分とは」を子どもに分かりやすく伝えるには

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子どもは「どうして節分になると鬼が来るの?」「どうして豆で追い払うの?」などさまざまな疑問をぶつけてきます。

節分の正しい意味を子ども達に分かりやすく伝えましょう。

● 「昔は節分が大晦日だったから、新年を迎える前に病気にならないよう豆をまいて悪いものを追い払っていたんだよ。鬼を外に払って幸せをたくさん呼ぼうね。」

● 「2月がお正月だった頃は、新しい年を迎えるときに鬼が混じってやってくるって言われていたんだよ。鬼がお部屋に入ってこないように豆を投げようね!」

● 「今も年末になると「来年も良い年になりますように」ってお願いするよね?節分も同じように、昔は1年間の幸せや健康を祈っていたんだよ。」

● 「昔から豆には不思議なパワーがあるって言われてきたから、鬼は豆が苦手なんだよ。みんなで豆を投げて鬼をやっつけようね。」

節分はみんなが元気に過ごせることを願うために昔から続いている伝統行事であることを、子ども向けに易しく説明してみましょう。

節分を子どもと楽しむ方法とは

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保育園では豆まき以外にも節分を楽しむ方法はたくさんあります。当日は節分に関わる遊びを保育に取り入れていきましょう。

節分にちなんだ製作物を作る

◇鬼のお面作り

節分の制作活動でおすすめなのは、鬼のお面作りです。

紙皿や画用紙で土台を作り、輪ゴムで耳に引っ掛ければ簡単に作ることができますよ。

自分だけの個性的な鬼のお面を作って、節分を楽しみましょう。

1~2歳児の場合はお面ではなく、頭にかぶる鬼の帽子にして「鬼が怖い」という気持ちを和らげてあげられると良いでしょう。

◇折り紙で鬼作り

折り紙2枚で顔と胴体を分けて鬼を作ります。

途中、はさみで切り込みを入れる工程がありますので、4~5歳の子どもにおすすめです。

細かい部分がありますので、保育士さんは一度作ってお手本を見せてあげましょう。

目や口など、顔をペンで書き入れたら完成です。

◇トイレットペーパーの芯で恵方巻き

カラフルな折り紙をトイレットペーパーの芯の長さになるよう具材に見立てて細く丸めます。

白い折り紙を一度くしゃくしゃにして広げ、具材を置いて巻いていきます。

全てをトイレットペーパーの芯の中におさめたら、黒い折り紙を海苔のように巻きつけます。本物の恵方巻きと同じように7色の具材を入れてみても良いですね。

節分に関係する絵本を読む

鬼や豆まきがテーマになっている絵本はたくさんあるので、子どもの年齢に合った絵本を選んで読み聞かせをしましょう。

中には、節分の由来を教えてくれる内容で描かれているものもありますので、絵本を活用して子ども達に節分の意味を伝えても良いかもしれませんね。

おすすめの絵本を紹介します。

◇せつぶんだまめまきだ

この絵本では、節分の風習である豆まきやヒイラギの葉、イワシの頭のことまで子ども向けに分かりやすく教えてくれます。

絵本を使って節分の由来を子ども達に伝えたい保育士さんにおすすめです。

◇ふくはうちおにもうち

本来鬼は怖いものとして子どもに恐れられている存在ですが、この本は鬼に優しい内容です。

豆まきで外に追いやられた鬼を家の中に招き入れて、にぎやかに宴会を始めるという心温まるストーリーなので、明るい気持ちで読み聞かせをすることができるでしょう。

節分の歌をみんなで歌う

◇節分の歌:まめまき

「おにはそと~ふくはうち~」のメロディーで始まる「まめまき」は節分ソングの定番です。

歌詞に合わせて、豆をまく動作を入れてみても楽しいでしょう。

誰もが一度は聞いたことがあるほど有名な曲なので、幅広い年齢の子ども達と一緒に歌うことができます。

◇節分の手遊び歌:鬼のパンツ

節分に楽しめる手遊び歌と言えば「鬼のパンツ」が有名です。

リズミカルで明るい曲調なので、子ども達はノリノリでうたってくれます。

歌詞に合わせたコミカルな振りも人気なので、保育士さんがお手本となってみんなで手遊びやダンスを楽しみましょう。

節分クイズを行う

保育士さんは節分にまつわるクイズを子ども達に出題してみましょう。

〇×で答えるだけのゲームなら、道具も準備もいりませんので、隙間時間を有効活用できます。

子どもはクイズが大好きなので、楽しみながら節分の知識を覚えることができるでしょう。

【節分クイズの問題例】

● 節分の日にまく豆は枝豆である。(答えは×:正解は大豆)

● 鬼のパンツはトラ柄である。(答えは〇)

● 節分に豆をまくのはおばけを追い払うためである。(答えは×:正解は鬼)

● 鬼退治で使う豆はゆでてからまいた方が良い。(答えは×:正解は炒る)

● 節分の時にかざるのはイワシである。(答えは〇)

● ワタナベさんという名前の人は豆まきをしなくて良い。(答えは〇)

節分とは日本の伝統行事!子どもに分かりやすく伝えて楽しく過ごそう

節分とはどのような行事なのか、由来や意味を紐解いて詳しく解説しました。

子ども達に教えるときは、節分の由来や豆まきをする理由を分かりやすく簡単に説明しましょう。

鬼を怖がる子もいるかもしれませんが、年齢に合わせた制作活動や歌などを取り入れて、子どもと楽しく節分を過ごせると良いですね。

豆まきは節分の定番ですが、子ども達が豆を口にすることのないよう保育園や幼稚園ではボールを代用するなど工夫してください。

記事公開日:2022.03.09

記事更新日:2022.03.09