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2022.01.04

保育園の食育活動とは?年齢ごとの目的や事例を紹介

保育園の食育活動とは?年齢ごとの目的や事例を紹介

生きるために必要不可欠な「食事」の大切さを保育園では子どもたちに伝えていかなければなりません。

保育園で具体的にどのような食育活動を取り入れたらいいのか悩んでいる保育士さんは多いのではないでしょうか。

食育とはどのようなものなのか、年齢ごとの目的やねらいについて解説していきます。

保育園で行う食育活動は2005年に制定された食育基本法に基づく

食育とは子どもたちに食事の重要性を知ってもらい、正しい知識を持って健康的な食習慣を身に付けるための教育です。

2005年には食育基本法が制定され、全国の保育園や学校などで食育が実践されるようになりました。

食べることは生きることに直結し、子どもの心身の発達に深く関係しています。

そのため、乳幼児期のうちから「食べることって楽しい、おいしい」と思える体験を積み重ねて、生きる力の基礎を育んでいくことが大切です。

保育園で過ごす時間は、子どもの活動時間の大部分を占めていることが多いため、園での食育活動は重要視されています。

現代では家族形態や生活様式の多様化によって子どもを取り巻く環境は変化しており、食生活も例外ではありません。

共働き家庭が増えたことによる孤食の増加食生活の欧米化が進んだことによる栄養バランスの偏り、生活習慣の乱れによる朝食欠食など、子どもの食に関する問題はさまざまです。

このような数々の問題があるなか、保育園では子ども自ら意欲的に楽しく食事ができる環境を作り、「食を営む力」が育まれるような食育活動を行う必要があります。

食育の目的は大きく5つ!年齢ごとのねらい

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保育園で行う食育の目的には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

厚生労働省は、保育所保育指針で定める保育の目標を食育観点で表した「5つの子ども像」を提案しています。[注1]

保育園ではこれらを目標にして日々の保育で実践していくことが求められています。

1. お腹がすくリズムのもてる子ども

2. 食べたいもの、好きなものが増える子ども

3. 一緒に食べたい人がいる子ども

4. 食事づくり、準備に関わる子ども

5. 食べものを話題にする子ども

5つの子ども像を見て分かるように、食事とはただ空腹を満たすためだけのものではありません。

食に興味を持って何が食べたいのかを考えたり、保育園の友達や先生と一緒に食べることを楽しみながら人間関係を築いたりと、食育にはあらゆる役割があります。

しかし、保育園に通う子どもは0歳から小学校入学前と年齢が幅広いため、食育のねらいも各年齢ごとに設定する必要があります。

[注1]楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~

【0歳児】食べることに興味を持ち、進んで食べる

同じ0歳児でも離乳食の内容は異なりますので、子ども一人ひとりに合わせた食事内容に配慮し、「食べたい」という意欲を尊重しながら食事を進めていきます。

離乳食をなかなか食べてくれないときもあるかもしれませんが、保育士は焦らず子どものスピードに合わせながら、楽しく食事ができる雰囲気を作りましょう。

また、食に興味が湧いてくると自ら手を伸ばして料理を掴んで食べる姿が見られるようになるでしょう。

手で掴んで口に入れ、食材の味やかたさ、匂いなどを確認してさまざまな刺激を経験することで、自分で食べようとする意欲を育んでいくことができます。

保育士は「おいしいね」など声かけをたくさんし、食を通して気持ちを共有する関わりを持つことが重要です。

【1歳児】さまざまな食材を知って意欲関心を育み、食べる楽しさを味わう

1歳になると手づかみ食べから、スプーンやフォークなどを使って食事ができるようになっていきます。

保育士は「上手にカミカミできているね」と子どもを褒めてあげましょう

褒められることでより食べる意欲が増し、食事が楽しいものと思えるようになっていきます。

ただし、発達には個人差がありますので手づかみ食べをしている子どもを止めさる必要はありません。

1歳児は空腹を感じる食事リズムが整う時期なので、「お腹を空かせた状態でご飯を食べる喜び」が感じられるよう、午睡やおやつの時間を配慮する必要があります。

【2歳児】食事のマナーを知り、友達と一緒に食べることを楽しむ

2歳頃になるとほとんどの子どもが食具を使って食べるようになりますが、自我が芽生える時期でもあるため、好き嫌いが出てきたり、遊び食べをし始めることもあります。

好奇心旺盛でいろいろなことに関心が向くので、食事に興味がなくなってしまう子もいるでしょう。

そのため、2歳児クラスでは給食の時間に苦労する保育士さんも多いかもしれません。

いつまでもダラダラ食べている場合は、集団で食べるルールとして時間を決めたり、効率良く食べ進めるため、姿勢や食具の持ち方などを教える必要もあります。

2歳になると友達との関わりも増えてきますので、一緒に食べる友達に関心が持てるよう楽しい雰囲気で食事ができる環境作りを心掛けましょう。

【3~5歳児】食事を通して人間関係を築いたり、自然やいのちを大切にする

3歳以上になると、食事のマナーが身についたり食べたいものが増えるので、園での給食の時間が楽しみになります。

好きなものをおいしく食べる楽しみを味わいながらも、苦手なものに挑戦しようとする意欲が生まれたり、「野菜は体に良い」「魚は栄養がたっぷり」など体に必要な食材の種類に気付き始めます。

自分たちで配膳を行って食事をする環境を整えるなかで、友達同士の関わり合いが生まれるなど、人間関係の構築にもつながっていくでしょう。

また年長児になってくると社会性が発達してきますので、食べ物は自然の恵みであることを知って、食事を作ってくれた人や食べ物に感謝の気持ちが持てるような取り組みを行う必要があります。

給食を作ってくれる栄養士や調理師と連携を取り、子どもたちに食に関する話をしてもらう機会を設けるなどの工夫をしてみても良いでしょう。

保育園で行う食育活動の事例を紹介

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給食の時間、食事のマナーを守りながら友達と一緒に食べることももちろん食育のひとつではありますが、子どもにより食について興味を持ってもらえる取り組みを紹介します。

園庭で野菜を栽培して食材について知る

普段食べている食材がどのようにして育つのか知ることも食育活動の一環です。

保育園に畑がない場合でも、プランターなどで野菜を育てることは可能ですので、子どもたちと一緒に毎日水やりをして野菜が成長していく様子を観察しましょう。

手軽に栽培できる野菜には、ミニトマト・ナス・きゅうり・にんじん・ピーマンなどが挙げられます。

自分たちで育てた野菜に子どもたちは愛着を感じ、苦手な野菜も「食べてみたい!」と思えるようになります。

種や苗を植えて水やりをして育つという過程を知ることで、自然の大切さいのちのありがたさを学んでいくことができるでしょう。

簡単な調理体験を保育に取り入れる

調理保育では、コンロや包丁を使わずにできるものが良いと考える保育士さんは多いのではないでしょうか。

安全性が高くおすすめなのは「おにぎり作り」です。

好きな食材を自分で選び、おにぎりを自分で握る体験を通して、身近な食材に親しみを持つことができます。

いろいろな野菜を細かく刻んでお米と混ぜても良いかもしれませんね。

子どもたちが握るおにぎりは、丸や三角だけでなく個性あふれるさまざまな形のものができるので、作る過程も楽しめます。

自分で作ったおにぎりは毎日食べるお米とは違い、よりおいしく感じることができるでしょう。

また、簡単な食材の下ごしらえなら子どもも一緒に行うことができます。

例えば、根菜類を型抜きしてカレー作りをしたり、葉物野菜を手でちぎってサラダを作ったりと、包丁を使わなくても体験できる調理はありますので、ぜひ保育に取り入れてみてください。

食育は保育園だけでなく、親御さんの協力も必要

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保育園での食事や食育活動だけで、子どもの健康的な食習慣を身に付けようとしても難しいものです。

なぜなら、朝晩は基本的に自宅で食事をしますし、生活リズムを整えるためには家庭での過ごし方が重要だからです。

そのため、保育士は家庭と連携しながら食育活動を行っていく必要があります。

「普段家ではなかなか食べないのに保育園の給食はよく食べる」といったケースがありますが、これは子どもが周囲に影響されるからです。

給食で苦手なメニューが出ても、周りの友達がおいしそうに食べている姿を見ると「自分も食べてみようかな」という気持ちになってきます。

保育園では毎月給食だよりを発行していますので、人気メニューのレシピを掲載して家庭での調理に役立ててもらっても良いでしょう。

また、保育園で子どもが楽しく食べている様子や、行っている食育内容を保護者に伝えることで、子どもの食に関心を持ってもらうことができます。

給食の配膳は子どもたちで行っていることや、「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶を行っていること、食べ終えたら自分で片づけをしていることなども、保護者にしっかり報告しましょう。

保育園で行っている食事の習慣を継続するためには、自宅でも行ってもらうことが大切です。

保育園での食育活動は年齢に合った内容を取り入れて食べることを楽しもう

食育は、子どもたちが生涯にわたって健康的な生活を送るための基礎的な取り組みです。

保育士は年齢ごとの目的やねらいを把握して、食べることが楽しいと思えるような環境を作る必要があるでしょう。

友達に刺激されながら楽しく食事ができる環境は、子どもにとって貴重な体験であり、今後の生活にも良い影響をもたらします。

ぜひ保育園では子どもたちの健やかな成長のために家庭と連携しながら、食育活動を進めていきましょう。

記事公開日:2022.01.04

記事更新日:2022.01.04