2021.12.28
保育室で使うパーテーションの目的や手作り方法について
保育室では年齢に応じてパーテーションを活用し、子どもたちが快適に過ごせる空間作りを行う必要があります。
パーテーションの目的や手作りするときに必要なもの、作業手順やポイントについて解説していきます。
保育室で使うパーテーションの目的や役割とは
一般的にパーテーションは部屋の間仕切り用に使用されるものですが、保育室で使う園も多いようです。
保育室でパーテーションを使う目的や役割は大きく分けると3つありますので、それぞれ紹介します。
落ち着いて集中できる空間作りのため
保育室をパーテーションで区切ることで、子どもは好きな遊びに集中して取り組むことができます。
例えば、以下の遊びの種類ごとにパーテーションで分けてあげると、自分たちで自由に遊びを選ぶことができ、子どもの意思を尊重した保育が行えます。
● おままごと
● 絵本
● 工作
● お絵描き
遊びをコーナーごとに分けるため、「コーナー保育」と呼ばれることもあります。
限られた空間の中で友達と関わりながら遊ぶ環境は、同じ目的を持った子ども同士の接点が増えるため、コミュニケーション能力を育てることにもつながるでしょう。
子どもの安心と安全を確保するため
乳児クラスの子どもは発達に差があります。
同じクラスの中でハイハイをしている子と歩いている子どちらもいる場合、子どもの安全を考えてパーテーションを活用している園が多くあります。
子ども同士の接触や衝突など事故防止のためにもパーテーションは有効的です。
ただし、つかまり立ちをする子どもがいるクラスでは、パーテーションにつかまることが考えられますので、倒れにくく丈夫なものを使用するよう注意してください。
また、おむつ交換のスペースが保育室内で分かれていない場合、パーテーションを利用すると衛生面でも安心でしょう。
周囲に気を取られながらのおむつ替えは、保育士も子どもも落ち着けません。
おむつ替えも子どもとコミュニケーションが取れる大切な時間ですので、1対1の親密な関わりが持てる空間は必要です。
近年では新型コロナウイルス感染対策のために、昼食時はクリアパーテーションを活用している園もあるようです。
飛沫防止をしつつも友達の顔を見ながら同じ空間で給食が食べられるよう配慮できます。
おもちゃが部屋全体に散らかることを防ぐため
遊びの種類ごとにパーテーションで仕切りがあると、必要以上にブロックやおままごとグッズなどが散乱しません。
他の遊び道具と混じることがないので、子ども自身で片付けがしやすく時間も有効的に使うことができます。
パーテーションを手作りするために必要なもの
保育室でパーテーションを活用すると、子どもにとってさまざまな良い面があることが分かりました。
パーテーションは市販品もありますが、身近なものを使って手作りすることもできます。
手作りパーテーションで必要なものを紹介します。
【パーテーションの材料】
● 段ボール
● 布
● 牛乳パック
● 新聞紙
● ラミネートフィルム
● 厚紙
【作成に必要な文房具】
● はさみ
● カッターナイフ
● ガムテープ
● ボンド
● ペン
段ボールや牛乳パックは、保育士同士協力して集めたり、ご家庭に声をかけて提供してもいましょう。
ラミネートフィルムは100円ショップでも購入できます。
ただしラミネートフィルムでクリアパーテーションを作成する際は、ラミネーターも必要ですので園に置いてあるかどうか確認してから作成してください。
パーテーションを手作りする際の作業手順
保育士さんたちが手作りできるパーテーションの作り方を手順に沿って紹介します。
段ボールで手作りパーテーション
1. パーテーションに必要な長さ分の段ボールを何枚か用意し、全て切り開きます。このとき、段ボールは同じ大きさでそろえてください。
2. 開いた段ボールをガムテープで貼り合わせます。
3. 段ボールの表面にボンドで布を貼ります。
4. パーテーションの支える牛乳パックの中に、新聞紙を隙間なく詰めます。牛乳パックは全部で8本分用意してください。
5. 牛乳パック2本を横向きにしたものを、縦に並べてカラーガムテープなどでしっかり固定します。
6. 5で作ったものを2つ並べて、同じ大きさに切り取った段ボールの上に置き、固定します。
7. 6で作った支えとなる牛乳パックの隙間に、パーテーションを挟んだら完成です。
新聞紙をぎっしり詰めた牛乳パックは強度が高く重量もあるため、子どもが寄りかかったりしても倒れにくく、安全性も高いです。
布は貼っても貼らなくてもどちらでも良いですが、保育室の雰囲気に合わせた柄や色の布を貼ることで室内に馴染み、見た目にも良いでしょう。
牛乳パックで手作りパーテーション
1. パーテーションに必要な分の牛乳パックを用意し、全て注ぎ口の部分を全て開いておきます。
2. 牛乳パック下部の一面に他の牛乳パックの底面をL字になるように当て、ペンで縁取ります。
3. 縁取ったところをカッターで切り取ったら、そこに牛乳パックを上部から差し込みます。
4. 牛乳パック4本で四角になるよう差し込み、このセットをいくつか作ります。
5. 4で作ったセットをカラーガムテープでつなげたら完成です。
いくつもの窓が空いているような形でパーテーションが完成するはずです。
パーテーションとして仕切りの機能を果たしつつも、内側にいる子どもの様子がよく見える作りなので、保育士も安心です。
牛乳パックの量を増減することで、パーテーションの長さや高さを自由に調整できます。
重さを出したいときは、牛乳パックに新聞紙を詰めましょう。
飛沫防止の手作りクリアパーテーション
1. クリアパーテーションのついたて部分はラミネートフィルム使用するので、あらかじめ必要な大きさにフィルムをカットしてラミネートしておきます。
2. ラミネートしたフィルムはそのままついたてとして使用しても良いですが、シールや折り紙を貼り付けて装飾しても良いでしょう。
3. 土台となる厚紙は立体的な三角になるように折って固定します。
4. 土台についたてを挟むための切り込みを入れたら完成です。
ラミネートフィルムにシールや折り紙を貼る作業は、子どもたちと一緒に行っても良いかもしれません。
オリジナルパーテーションを作って、感染対策をしながらも給食やおやつの時間を楽しみましょう。
パーテーション作りのポイント
保育士は、常に子どもたちの様子を確認できる状態にいないといけないため、高さのあるパーテーションを作ってしまわないよう注意してください。
安全な保育を行うためにも、保育士から子どもが見えるような環境構築が必要です。
しかし、手作りパーテーションは自由度が高いため、仮に背の高すぎるパーテーションを作ってしまっても後から調整することが可能です。
段ボールパーテーションなら切り取るだけで修正できますし、牛乳パックパーテーションの場合は、窓がたくさん空いていますので外から子どもを確認できます。
また、パーテーションが軽すぎると子どもが押したり倒す危険がありますので、ある程度重さがあった方が良いでしょう。
ただし、新聞紙を詰めた牛乳パックは想像以上に重いため、パーテーションを出したり閉まったりするのも一苦労とならないよう加減してください。
手作りパーテーションを活用して落ち着ける保育室を作ろう
パーテーションを上手く活用することで、子どもの集中力やコミュニケーション能力を向上させていくことができます。
自分の好きな遊びに集中して取り組めるだけでなく、子どもの安全を確保するためにもパーテーションは役立ちます。
段ボールや牛乳パックなど身近な材料を使って、パーテーションを手作りしてみましょう。
記事公開日:2021.12.28
記事更新日:2021.12.28