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2021.11.26

パネルシアターの作り方3つのステップを分かりやすく解説

パネルシアターの作り方3つのステップを分かりやすく解説

保育園や幼稚園で行われるパネルシアターはさまざまな行事で活用することができ、どの年齢の子どもにも大人気です。

まずはパネルシアターで必要な材料や作り方を分かりやすく紹介していきます。

初めて作る保育士さんはぜひ参考にしてみてください。

パネルシアターを作るのに必要な材料

パネルシアターで必要な材料は大きく分類すると3つあります。

それぞれ確認していきましょう。

1. パネルボード

パネルシアターの土台となるパネルボードは、段ボールや発泡スチロールでも作成可能です。

ボードは市販のものもありますが、手作りの場合はその上にパネル布(不織布)を貼りつけます。

パネル布とは、人形の素材となるPペーパーが付着しやすいパネルシアター専用の布です。

2. パネル人形

パネルシアターで1番重要な素材がパネル人形です。お話の中に登場する人物や乗り物、建物などはPペーパーと呼ばれる不織布で作成します。

Pペーパーは厚みのある不織布で、手芸屋さんや大型書店などで入手することができますが、確実に手に入れるためにはネット通販がおすすめです。

3. 作成に必要な文房具

Pペーパーに色を塗ってパネル人形を作りますので、絵の具やマジックペンなどの文房具を用意しましょう。

以下は、パネルシアター作成で必要となる文房具です。

 ● はさみ
 ● カッターナイフ
 ● 布テープ
 ● マジックペン
 ● 絵の具
 ● 接着用ボンド
 ● 仕掛け用の糸

文房具に関しては、どれも100円ショップなどでそろえることができるものばかりです。

用意するパネル人形の数が多い場合、途中でマジックペンがインク切れしたり、絵の具が足りなくなってしまうが可能性がありますので、余分に買っておくと安心でしょう。

パネルシアターの作り方3ステップ

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続いてパネルシアターの作り方を分かりやすく3つのステップで紹介します。

1. 題材を決める

まずは、どんな題材でパネルシアターを行うのか考えなければなりません。

パネルシアターの題材は、「何歳児に向けたものなのか」「パネルシアターを行う目的」などで変わってきますが、基本的に子どもが理解しやすいストーリーのものを選びましょう。

王道のものを挙げると、以下のような題材があります。

 ● 3匹のこぶた
 ● おおきなかぶ
 ● はらぺこあおむし
 ● カレーライス
 ● どんな色が好き
 ● おべんとうばこのうた

人気の童話や、子どもたちが喜ぶような歌が楽しめるものを選ぶのがおすすめです。

子どもが一緒に参加できる題材にすれば、より盛り上がるでしょう。

2. パネルボードを作成する

園でパネルシアターを行う場合、観賞する園児の人数によってパネルボードの大きさを考える必要があります。

もし20人以上の園児が観るのであれば、縦80cm×横110cmくらいがちょうどいいでしょう。

段ボールを使ってパネルボードを作成する場合は、必要な大きさになるように段ボールを切ってガムテープで繋ぎ合わせます。

茶色い段ボールを使用する場合は、布を貼ったときに透けないよう、白い画用紙を貼ることをおすすめします。

パネル布を貼るときは、事前にアイロンでしわを伸ばしておくと、きれいに貼ることができます。

パネル布の上にパネルボードを置いて、引っ張りながら折り返し、ボードの裏側でテープか接着剤で固定しましょう。

パネルボードを支えるためにはスタンドのようなものが必要ですが、もしなければ段ボールを三角形に折ってボードの裏側に貼りつけるだけでも問題ありません。

3. パネル人形を作成する

パネル人形はフリーハンドで書いて作成しても良いのですが、初めて作る保育士さんなどは型紙を利用すると簡単に作ることができます。

型紙は、市販のパネルシアター集を使ったり、インターネットの素材をダウンロードして入手しましょう。

印刷した型紙の上にPペーパーを置いて、上からペンでなぞります。

続いて縁取った下絵に、絵の具や油性カラーマジック、ポスターカラーなどで色を塗っていきましょう。

色塗り後、縁取った黒い線の上に塗った色が重なって薄くなってしまっている場合は、見栄えを良くするためにもう一度上から縁取るときれいな仕上がりになります。

色塗りが全て完了したら、切り取り作業です。パネル人形の形にそって丁寧にハサミで切っていきましょう。

仕掛けのない表面のみのパネル人形の場合は、切り取るだけで完成です。

裏表で表情などを変える仕掛けを施す場合は、カットする前に2枚のパネル人形を重ねて接着してから切り取ります。

このとき、Pペーパーが薄いものだと、裏と表の絵が透けてしまうことがありますので、間にペーパーを挟むなどして工夫してください。

パネル人形の仕掛けを作ってみよう

パネルシアターでは人形に仕掛けが施してあると、より子どもたちに楽しんで観てもらえます。

仕掛けの方法はたくさんありますが、子どもたちも驚く楽しい仕掛けをいくつか紹介します。

重ね貼り

パネル人形を重ねて見せたいときに使える仕掛けです。裏打ちとも呼ばれます。

Pペーパーは重ねてもくっつかないため、重ねたい人形の裏側にパネル布を貼りつけます。

パネルボードを作ったときの余ったパネル布を使用するとよいでしょう。

切り込み

Pペーパーを重ねてふちだけ貼りつけて、切り込みを入れる仕掛けです。

パネル人形の服のポケットに何かを入れたいときや、バッグから物を出し入れしたい演出を行うときなどに便利です。

糸を使った仕掛け

人物や動物などの手足に動きをつけたいときは、胴体と手足を別に作ります。

関節となる部分に小さな穴をあけ、糸を通して玉止めをすれば、なめらかな動きを演出できます。

この他、糸を使った引っ張り仕掛けもおすすめです。引っ張り仕掛けは、連なった音符など、何か連続してパネル人形を出したいときなどに活用できます。

パネルシアターの魅力とは?

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パネルシアターは子どもを釘付けにし、保育士と子どもの間に一体感を生み出してくれるものです。

パネルシアターの魅力を知って、子どもの意欲や興味を引き出す演出を行いましょう。

子どもに身に付けて欲しい能力が養われる

パネルシアターは子どもが楽しく夢中になってくれるだけでなく、成長を促す効果があると言われています。

慣れ親しんでいる物語だったり、「次は何が起こるのだろう」とワクワクするような展開だったりすることで、子どもの想像力や発想力が高まるのです。

保育士は子どもが楽しく考えて声を出してみたくなるような演出を行いましょう。

途中、子どもたちから声が聞こえてきたら、問いかけをして活動に参加する積極性が身につくよう促していくことが大切です。

また、パネルシアターに夢中になることで集中力や観察力も養われます。

子どもも一緒に参加できる

観ているだけでも楽しいパネルシアターですが、参加型のものであれば子どもと一緒に歌をうたったり、一斉にかけ声を合わせることができます。

子どものリアクションを見ながら演出を行うのは難しいかもしれませんが、タイミング良く問いかけをしたりアドリブをきかせて、一緒に参加することの楽しさを味わえるように工夫するのがおすすめです。

クイズ形式のパネルシアターにすれば、保育士の「これはな~んだ?」という問いかけに、子どもたちが思い思いの答えを返してくれるでしょう。

子供が参加しやすいだけでなく、考える力も身につきやすくなります。

保育士は臨機応変な対応が身について普段の保育に活かせる

子どもをひきつけるパネルシアターにするためには、楽しい空間を作り上げなければなりません。

しかし、本番緊張して「セリフを忘れてしまった!」ということも十分考えられます。

そのようなときでも、慌てずにアドリブを入れてお話を進めていけば笑いに変えることができます。

他にも、「パネル人形が落っこちちゃった!」というトラブルも起こるかもしれません。

そのときは「どこに行っちゃったのかな~?」「逃げちゃったね~」などと言って、臨機応変に対応しましょう。

予想外の出来事に対応できるようになると、普段の保育でも余裕をもって柔軟に子どもに接することができるようになっていきます。

保育園でのパネルシアターの活用ポイント

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パネルシアターはお楽しみ会や季節のイベントなどでよく使われますが、活用場面はそれだけではありません。

「手洗いうがい指導」や「歯磨き指導」にも活用できます。

保育士が言葉で「〇〇しようね」と言っても、子どもにはなかなか伝わらない場面は少なくないでしょう。

パネルシアターは視覚的に分かりやすいところがメリットなので、正しい手の洗い方や歯ブラシの使い方、歯を磨く順番などを人形の動きに合わせて教えることができます。

歯磨きについて伝えるときであれば、「歯を磨かないとばい菌がやってきて虫歯になってしまう」ということも、子どもたちに理解してもらいやすいでしょう。

また、子どもに食べ物や食事に興味を持ってもらうきっかけにもパネルシアターは有効なので、食育を行いたいときにも活用できます。

身近な食材をかわいいキャラクターにしてパネル人形にすれば、野菜や果物に親しみを感じてもらいやすくなります。

このように、パネルシアターは日々の保育でも活用することが可能です。

子どもに注目してもらいたいときや、指導を行いたいときなどにぜひ活用してみてください。

パネルシアターを作って子どもの興味関心を引き出そう

今回はパネルシアターの作り方と、魅力や活用ポイントについて紹介しました。

パネルシアターは材料さえそろえれば簡単に作ることができるうえ、イベントや普段の保育など多くの場面で活用することができます。

タイミング良く子どもに声かけをして、その場の子どもたちみんなが一体感を味わえるようなパネルシアターを作っていきましょう。

子どもを夢中にさせてくれる魅力たっぷりのパネルシアターを保育の現場に取り入れて、ぜひ子どもたちと楽しい時間を共有してください。

記事公開日:2021.11.26

記事更新日:2021.11.26