Ohanaトップ|保育のこと|現場の悩み,保育知識|上手に休んでリフレッシュ!保育士の有給休暇事情

search SEARCH

clip CLIP

2019.05.29

上手に休んでリフレッシュ!保育士の有給休暇事情

上手に休んでリフレッシュ!保育士の有給休暇事情

毎日忙しい保育士にとって、休日は疲れを癒すための大切な日。
とはいっても普段の休みは日数も限られているので、まとまった休みを取るのはなかなか難しいですよね。

たまには有給を活用したいところですが、「有給なんて取っている暇がない!」とほとんど消化していない方も多いかもしれません。
でも、その有給は本当に使えないのでしょうか?今回は保育士の有給休暇事情にスポットを当ててみました。

 

 

有給休暇の豆知識

先輩から「保育士は忙しいから有給は取れないよ」と言われた経験がある方もいるかもしれません。
でも、本当に有給は使えないのでしょうか?

有給は労働者に認められた権利

有給は「冠婚葬祭にしか使えない」、「病気のときくらいしか取れない」と思っていませんか?
有給は労働者に認められている「権利」で、一定の要件を満たせば必ず付与される「給与を支給される休暇」です。

そもそも有給とは、「しっかり心と体を休めて、日々の疲れをリフレッシュする」ことを目的にしています。
心身ともにリフレッシュすることは、仕事の生産性やモチベーションの向上につながります。
冠婚葬祭や病気のとき以外でも、計画的に活用してしましょう。

労働条件に応じて有給の日数が変わる

対象者は正職員だけでなく、パートやアルバイトでも「6か月以上の継続勤務」と「働くべき日の8割以上出勤」といった条件を満たせば付与されます。

有給日数の図表

 

有給を取るときに注意したいポイントは?

いくら有給が法的に認められた権利とはいっても、忙しくてなかなか言い出せなかったり、「この日は絶対に出勤して」と頼まれることもあるかもしれません。
周りに迷惑をかけずに有給をとるために、気をつけたいポイントをお伝えしましょう。

いつでも必ず認められるわけではない「有給」

有給は一定要件を満たせれば誰でも活用できる制度ですが、同時に雇用主である保育園側にも「時季変更権」という権利が認められています。

時季変更権とは、忙しい時期には労働者の申請した有給の取得時期を変更できる権利です。
たとえば保育園の運動会や発表会がある時期は、保育士も準備に追われます。
そのタイミングで保育士が1人でも欠けると、業務に支障をきたしかねないため、保育園側は「ほかの日に変えて申請してほしい」と保育士に求めることが認められているのです。

どのタイミングなら有給をとりやすいか確認しよう

保育園側に時季変更権で有給申請を却下されないためには、有給を取りやすいタイミングを見極める必要があります。
保育園の年間行事を事前に確認するのはもちろん、異動や退職などの多い3月ごろは避けるなどの配慮が必要です。

逆に、年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどは保護者もお休みに入ることが多く、登園する子どもたちが比較的少ないので、有給を取りやすいタイミングでもあります。
ただし、この時期は有給申請が重なりやすくもありますので、申請するまえに同僚と相談しておくとよいでしょう。
上手に調整して、なるべくみんなが平等に休めるように配慮することも、職場の雰囲気を良くするためには大切です。

「有給は使って当然!」という態度はNG

周囲の状況を顧みずに自分勝手に有給を取っていては、チームワークが大切な保育園ではトラブルのもとになることも。
自分が有給を取ることで、ほかの保育士がその分の仕事を担ってくれるということを絶対に忘れないようにしましょう。

たとえば、有給を取る際には仕事を代わってくれる同僚に「よろしくお願いします」と一言かけたり、休んだ翌日は「ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えるなどの心配りが大切です。

協力体制を整える保育園の環境づくり

有給を取りやすい環境にするためには、何より保育園全体での協力体制が重要です。
日頃から子どもたちの状況を共有したり、業務の連携を取ったりすることで、誰かが休んでもフォローしあえる体制づくりを心がけましょう

有給を使う際に、保育士同士が快く送り出しあえる関係こそが、有給を取りやすい環境づくりには大切です。
また協力体制がしっかりすることで、必然的に保育園内での人間関係も良好になり、「居心地の良い保育園」にもなります。

 

メリハリのある働き方を実現するために……

2014年に厚生労働省が行った調査によると、全職種の労働者1人あたりの年間の有給取得日数は9日で、取得率は48.8%となっています。
しかし保育士のなかには、実際にはこれほど有給を取れていないという人も少なくないでしょう。

保育士不足が叫ばれる昨今、有給をはじめとする福利厚生を整えることで保育士を集めようとする保育園も増えています。
保育園自体の制度や環境の見直しはもちろんですが、日頃から同僚との連携を強めるなど、保育士自身が状況を変えるために積極的に動くことも大切かもしれません。

 

▼おすすめ記事

記事公開日:2019.05.29

記事更新日:2021.07.15