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2019.04.22

子どもの噛みつき、どう対処したらいい?

子どもの噛みつき、どう対処したらいい?

1~2歳頃の子どもに見られる特有のトラブルの中に、「噛みつき」があります。噛みつかれた子どもにくっきり歯の跡が残ってしまうこともあり、たくさんの子どもを預かる保育園にとって、やめさせたいことのひとつですよね。

でも、なぜ子どもは噛みつきをしてしまうのでしょうか? 今回は、噛みつきのメカニズムと対処法についてお伝えします。

 

 

子どもがつい噛みついてしまうその理由とは

子どもが噛みつくのは、なぜなのでしょうか。

噛みつきは子どもの「意思表示」

子どもの噛みつきは、自分の意思をうまく伝えられないときに起こります
1~2歳は言葉を覚え始める時期でもありますが、ボキャブラリーがそれほど多くありません。
嫌なことがあっても、自分の気持ちを適切な言葉にして伝えられないもどかしさから、噛みつき行為に発展してしまうことがよくあります。
また、友だちとのかかわり方がわからない子どもにも、噛みつきが現れることもあるようです。

さらに、じゃれ合っているときの親愛の情として、もしくはケンカのときに相手に対する攻撃手段として噛みついてしまうケースも。
このように言葉が上手く操れない子ども特有の背景から、さまざまな場面で噛みつきが起こってしまうのです。

子どもの噛みつきの防止と対処法

子どもの噛みつきを防ぐため、保育士はどんなことができるでしょうか。また、噛みつきが起こってしまったら、どう対処すべきでしょうか。

噛みつきを防ぐには

子どもには、まだ噛みつきが「悪いこと」という認識がありません
いつ起こるかわからないため、保育士が目を離さずに見守ることで、噛みつきを未然に防ぎましょう。
具体的な方法として、次のようなことを実践してみましょう。

・子ども同士の動きから目を離さないようにする
・子どもが集まる場所にすぐに手を伸ばせる位置にいる
・子どもの密度が高くならないようにする
・頻繁に噛みつきが見られる子どものそばに常に保育士がいる

それでも噛みつきが起こってしまったら

保育士がいくら注意を払っていても、もちろん噛みつきを100%防げるわけではありません。
もし噛みつきが起こってしまったら、保育士は早急に駆け寄って、噛みついた子どもと噛みつかれた子どもを引き離し、それぞれに適切なケアをしましょう

噛みついた子どもには、噛んでしまった理由を聞き、その気持ちに寄り添いましょう
その上で、噛まれた子どもの気持ちを考えられるような声かけをします。そして「もうお友だちのことを噛まない」と、子どもと約束をします
このステップで子どもに噛みつきが「悪いこと」だと認識させることができ、噛みつき行為がグッと減っていきます。

一方、噛みつかれた子どもには、噛まれた場所を冷やすなどの応急処置を行います。
その上で、噛みつかれた子の気持ちに寄り添いつつも、噛んでしまった子の気持ちを代弁し、保育士として噛みつき行為を止められなかったことを謝ります

保護者対応はどうしたらいい?

子どもの噛みつきは、場合によっては保護者とのトラブルにもなりかねません。噛みつきが起こってしまったときは、適切な対応が求められます。

0~2歳児は保育園の方針に沿った対応を

幅広い年齢の子どもを預かる保育園にとって、噛みつきに関する保護者対応が決まっているところも少なくありません。
たとえば、乳児の場合はそばにいる保育士の責任として、噛んだほうの保護者には伝えないとする保育園もあるようです。

保護者に報告するときは、噛まれた子どもの保護者には相手の名前を伏せて、子どもの気持ちや発生した経緯をしっかり伝えた上で、保育士が未然に防げなかったことを謝罪するとよいでしょう。

3歳児以上は誠意のある状況説明と謝罪を

3歳児以上の噛みつきの場合、子ども自身に大人に伝える能力があることから、保護者への報告もお互いの名前を明かして状況を説明するのがベターでしょう。
その上で、噛んだ子の保護者から、噛まれた子の保護者に謝罪を促すような対応が必要になることもあります。

もちろんこのような場合でも、保育士として噛みつきを防げなかったことへの謝罪は必須です。
また、傷跡の有無に関わらず、その後の応急処置についてもしっかりと説明し、保護者に不信感が残らないようにします。

まとめ

噛みつきは会話でのコミュニケーションが難しい小さな子どもにとって、表現方法の1つ。
噛みつき行為がないに越したことはありませんが、起こってしまった場合は、子どもや保護者にしこりを残さない対応が求められます。
噛みついた子、噛みつかれた子の双方に配慮を忘れないようにしましょう

 

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記事公開日:2019.04.22

記事更新日:2021.07.16