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2019.04.09

未然の防止が肝心!保育園の安全対策

厚生労働省が発表した「保育施設における事故報告集計」によると、2014年に報告された死亡事故や30日以上治療を要するケガや病気の件数は177件。
うち17件は死亡事故となっています。

保育園は乳幼児を保護者に代わって保育する場所であることからも、子どもの安全を守ることは絶対。
しかし、残念ながら死亡事故といった最悪の事態が発生しているのも事実です。
保育園内はもちろん、公園などでの園外保育中も、しっかりとした安全対策を取る必要があります。
今回は、子どもたちを危険にさらさないための「安全対策」にクローズアップしてみました。

(参考)保育施設における事故報告集計|厚生労働省 

保育園で起こりがちな「危険」とは?

保育園で遊ぶ子どもたちは元気いっぱい。
時には予想もしない行動をとることも多く、保育園内でも、十分な注意と安全対策が取られていなければ、子どもたちを危険にさらしてしまいます。

【1】保育活動中の事故

▼遊具などからの転落
▼子ども同士や園内の備品などとの接触
▼お昼寝中のSIDS(乳児突然死症候群)や窒息など
▼プールでの事故   など

【2】火事や地震などの自然災害

▼調理室からの出火
▼地震や竜巻などの自然災害  など

【3】不審者

▼保育園内への不審者侵入
▼園外保育などでの連れ去り  など

【4】アレルギーによる事故

▼給食での食物アレルギー  など

どうすれば危険から子どもたちを守れる?

保育園内外で起こりうる危険に対し、施設側はどのような安全対策を講じておく必要があるのでしょうか。
まず「どんな危険が潜んでいるのか」を知り、それに対する具体的な安全対策に取り組むことが大切です。
また、個人ではもちろん、保育士全員で安全対策の確認を定期的に行うことも大切です。
前出の危険に対して想定される安全対策の一例は、次のようになります。

【1】保育活動中の安全対策

▼遊具などからの転落
・遊具の下には安全マットなどを配置し、転落してもケガをしにくい環境づくり
・遊具本体の老朽化を定期的にチェックし、部品破損などによる転落を防ぐ
・雨後の遊具はしっかり拭き、水濡れによる滑りやすさを取り除く

▼子ども同士や家具などとの接触
・子どもの動線を考えて机や棚などを配置する
・ふざけあいなどで不意に体がぶつかることなどがないよう配慮する

▼お昼寝中のSIDS(乳児突然死症候群)や窒息など
・お昼寝中は定期的に呼吸の確認
・布団が顔にかかってないか、暑すぎないか確認

▼プールでの事故
・プール遊び中は、見守る保育士の数を増員
・床をしっかり水切りし、水濡れによる転倒防止

【2】火事や地震などの自然災害に対する備え

▼調理室からの出火
・調理室内には燃えやすいものを置かない
・ガス器具などは消火をダブルチェック

▼地震や竜巻などの自然災害
・関係機関と連携を密に取り、迅速な情報収集ルートの確保
・避難訓練などの定期的な実施

【3】不審者の侵入を防止する安全対策

▼保育園内への不審者侵入
・保育園内外に防犯カメラを設置、施錠の確認
・保育園内の巡回パトロール

▼園外保育などでの連れ去り
・人目が多く、死角の少ないルートで移動
・トイレなどは必ず保育士などが同行

【4】アレルギーを持つ子どもへの安全対策

▼給食での食物アレルギー
・保護者からの定期的なアレルギー状況のヒアリング
・常に最新で正しいアレルギーに対する知識を習得する

情報収集や共有も安全対策の1つ

保育士や保護者、有識者などさまざまな人からの情報を収集し、それを全員で共有することは安全対策として有効な手段です。

「危険では?」と思ったら保育園内で情報共有

「保育園の遊具に不具合があった」「保育園のフェンスに穴が開いていた」など、安全対策で気付いたことは保育園全体で共有しておくことで、早急に安全対策を講じることができます。「危険かもしれない」と思ったら、急いで園長や主任保育士などに報告しましょう。

保育園

安全対策のために今できること

安全対策や、定期的に教師のみの訓練や講座を行ったり、地震や火事・不審者の訓練などは実際子どもと一緒に訓練を行なったりすることが大切です。
しかしその際、注意点もあります。それは、「今日は練習だよ。」とあらかじめ伝え、子どもを決して怖がらせないことです。

中にはトラウマになってしまう子もいるので十分配慮しましょう。
保育園で繰り返し体験を積んでから、時には抜き打ちで訓練してみるのもよいかもしれません。
本当に起きた際、子どもはもちろん、保育士自身も慌てないように毎回の訓練は真剣に取り組みましょう。
保護者が実際災害が起きた際を想定してお迎えに来てみる、という日も設定できるのならやっておくとよいですね。

また、近年アレルギーを持つお子さんも増えてきています。
保護者の方との連携はもちろん、これも万が一発作が起きてしまったときのことを想定して、どう対処するのかを保育園全体でも確認しておく必要があります。
また、担任がそばにいない時も想定しておくとよいでしょう。
ただし、アレルギーの件などでは、保護者の意向を聞きすぎてしまい、翻弄されるのはよくありません。
きちんと保育園としての意向(どこまで受け入れられるか)を提示し、その上でできる限りのフォローをしていきましょう。

近隣の関係機関にお願いし、心肺蘇生(AED)の講習や、消火器の使い方の講習も積極的に行いましょう。
AEDや消火器が、いくら保育園に常備されていても、保育士一人ひとりが使えなかったら全く意味がありませんもんね。

近年地震の被害が日本では大きな話題となっています。保育園には必ず防災グッズなども置いてあると思います。
(例えば、テント・簡易トイレ・保存食など)これも安全対策として、しっかり確認しておきましょう。 

実際に起きてしまった場合

もちろん、実際に起きないことが大前提ではありますが、もし起きてしまった場合の対応も記しておきます。
災害については上記にもありますが、日々の安全対策・訓練がとても大切になってきます
慌てず、訓練のように迅速に行動しましょう。不審者については、進入場所にもよりますが、とりあえず、子どもを避難させ不安にさせないことが一番です。

そしてこれが一番ありえると思いますが、子どもの怪我について。まずは応急処置を施しましょう
場合によっては、保護者に連絡し、病院に連れて行きましょう。一刻を争う場合はもちろん救急車を呼んでください。
また、保育士が現場を見ている場合・見ていない場合とあると思いますが、周りに目撃者はいないか、怪我の状況を確認しましょう。
保護者の方に対しては、どんな場合でも、保育時間に起こってしまったことは事実なので、十分にお詫びしてください。怪我の経過もしっかりフォローしていきましょう。

消費者庁発信の「子ども安全メール」などで情報収集

ほかの保育園や幼稚園などで発生した事故を知ることは、自分が勤務する保育園でも「起こるかもしれない」という危険シグナルを受け取ることにもなります。
消費者庁が発信している「子ども安全メール」は、未就学児の子どもが遭遇しそうな「思わぬ事故」を未然に防ぐための注意点や豆知識などをメール配信しています。
こうした情報発信をキャッチしておくことも、安全対策に有効です。

(参考)消費者庁 子どもの安全メールfrom消費者庁

まとめ

家庭において子どもの安全を守るのは保護者ですが、保育園ではその役割を保育士が担うことになります。
保育園で起こりうる危険を1つでも減らすためには、保育士一人ひとりの安全への意識を高めることが肝心です。
大切な子どもをお預かりしている立場であることを再認識したうえで、園内の点検や外部の情報収集などの安全対策に取り組みましょう。

記事公開日:2019.04.09

記事更新日:2019.04.09