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2019.04.08

その声かけ、逆効果かも?子どもへの声かけで保育士が気をつけたいこと

その声かけ、逆効果かも?子どもへの声かけで保育士が気をつけたいこと

保育士からの何気ない「声かけ」は、子どもたちを笑顔にしたり、スムーズな行動につなげたりといったよい効果がある反面、場合によっては子どもの心を傷つけてしまうこともあります。

子どもに対して効果的な声かけとは、一体どんなものなのでしょうか。
今回は、保育士が子どもへの声かけで気を付けたいことについてお伝えします。

 

 

こんな声かけしていない?逆効果の声かけ

保育士が子どもたちに接するなかで、逆効果になりかねない声かけがあります。

頭ごなしの声かけは要注意

「早くしなさい」「先生の話を聞きなさい」などの「○○しなさい」といった声かけ、していませんか?
頭ごなしの声かけは、小さい子どもにとっては恐怖感につながることがあります

もちろん、こういった声かけが必要な場面もあるでしょう。
しかし、毎回怒鳴り散らすような形で子どもに言って聞かせていては逆効果です。
いつしか子どもは「怒られるのが怖いから、とりあえず保育士のいうことを聞く」ようになってしまい、「どうして怒られているのか」という根本を理解できなくなります。

子ども自身を否定する声かけはNG

「○○ちゃんはできるのに」「そんなことする子は先生嫌い」などの、否定する声かけは子どもの心を傷つけてしまいます。
たくさんの子どもたちを担当する保育士は、どうしても比較してしまいがちですが、それぞれの違いは子どもたちの個性です。
その個性を認めずに、最初から否定するような声かけは絶対に避けましょう

失敗した後の「追い打ち」の声かけは×

「なんでできないの」「だからダメっていったでしょ」など、保育士が子どもの失敗に追い打ちをかけるフレーズは、子どもの劣等感を増幅させる原因になりかねません。
子どもの行動に対して否定的な言葉を繰り返していると、子どもは何かをするたびに「これもダメって言われるかも」と消極的になってしまうこともあります
そのような声かけは必要最低限にとどめるように、日頃から意識しておきましょう。

子どもを「やる気」にさせる声かけ

自分から進んで何かをしてもらいたいと思っても、保育士が「○○して」というだけでは、なかなか子どものやる気にはつながりません。
効果的な声かけとは、どんなものでしょうか?

子どもに「自分で決めた」と思わせる選択肢

保育士が「トイレ行こう」「お片付けしよう」と声かけしても、子どもは聞く耳を持たないこともあるでしょう。
そんなときには「今日はスキップしてトイレに行く?それとも後ろ歩きしながらトイレに行く?」「○○ちゃんは本を片付ける?それとも積み木を片付ける?」など、選択肢を用意した問いかけが有効です。

どちらかを選ばせることで「自分が決めた」という意識を持たせ、行動につなげやすくなります。
コツは「どっちを選んでもいい内容にすること」。片方の選択肢にしか魅力がないものにすると、子どもは自分で選んだと感じることはできないので要注意です。

「嬉しい」「ありがとう」は魔法の言葉

大人でも「嬉しい!」「ありがとう!」といわれるとまた頑張ろうと思えるのと同様に、子どもにとってもこれらは魔法の言葉です。
「元気なごあいさつ、先生嬉しくなっちゃうな」「お片付け、たくさん頑張ってくれたから早く終わったね。ありがとう!」など、日頃の声かけに取り入れてみましょう。
これによって「先生を喜ばせることができた!」という達成感や「先生に認めてもらえた!」という肯定感を生み、子どもの成長によい効果をもたらします。

声かけと一緒にすると効果アップな○○!

単に声かけするだけよりも、一緒にすることで効果がアップする○○って何でしょうか?

音楽を有効活用

特に小さい子どもにとっては、保育士が「○○してね」というよりも「この音楽が鳴ったら○○する時間」と、感覚で覚えてもらう方がスムーズにいくものです。
慣れてくると声かけしなくても音楽が鳴るだけで、自分から行動してくれるようになります。
片づけ終わったらほかの遊びを用意しておくなど、「何か楽しいことが待っている」と子どもがより楽しく行動できるようになります。

ゲーム感覚の「どっちが○○できるかな?」

何かをして欲しいとき、子どもたちの行動を促すポイントになるのは、そこに「楽しさ」があるかどうか
「靴をきれいに並べられるのは男の子チームかな?女の子チームかな?」「誰が最初に先生のところに集まれるかな?」など、競争心をくすぐるとゲーム感覚で取り組むことができます
ただし、競争心をあおりすぎてしまうと子ども同士でケンカになってしまうこともありますので、あらかじめ加減しておきましょう。

子どもの成長をサポートできる声かけを

たくさんの子どもたちをお世話していると手が回らなくなって、ついつい命令口調になってしまったりするもの。
しかし、それではかえって保育士の話を聞かなくなる原因にもなりかねません。
保育士の仕事は、子どもたちが楽しく充実した保育園生活を送れるように見守ることです。
上手に声かけをしながら、子どもの成長をサポートしていきたいですね。

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記事公開日:2019.04.08

記事更新日:2021.07.16