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2019.04.02

妊娠しても働ける?保育士のオメデタ事情

妊娠しても働ける?保育士のオメデタ事情

女性には、結婚や妊娠・出産などのライフステージの変化によって、働き方を考え直さなければならないタイミングがあります。
妊娠・出産は体にも大きな変化が伴いますので、どうしても仕事で無理はできません。

とくに保育士の仕事は子どもを相手にするため、ハードワークは必至。できるだけ続けたいけど自信がない…という人も多いでしょう。
妊娠中の保育士は、皆さんどうしているのでしょうか?
今回は、「妊娠しても働ける?保育士のオメデタ事情」にスポットをあててみました。

 

 

嬉しい妊娠!でも仕事はどうなるの?

妊娠がわかったとき、まずは自分の体を第一に考えたいもの。
一方でやりがいを感じている保育士の仕事をこのまま続けられるのか、心配になる人も多いのではないでしょうか。
妊娠中にはどんな症状が考えられるのかご紹介します。

また、学年やクラスの状況によっては、妊娠した際に「どうしよう。」と思ってしまうこともあるでしょう。
特に卒園を控えた年長の担任は大事な時期なので、なおさらですよね。1年任された担任であれば、責任もありますよね。

上記のようになことから、既婚者の保育士は、年度末に合わせて、年度途中に出産とならないように妊娠計画をたてるのが普通のようです。
嬉しい事なのに、妊娠する期間を調整するというのは、何だか変な話ではありますが、これが現状です。

保護者・子どもにとっては、担任の先生が変わるのは残念ですが、保育園・同じ職場で働く者としては、“いつでも変わるからね”と声をかけてあげられる環境であるとよいですね。
しかし、保育士不足でギリギリで運営している保育園にとっては、それも難しい問題なのかもしれません。

妊娠中は体調不良でつらいことも

妊娠がわかった頃から悩まされるのが「つわり」。吐き気や食欲不振などの辛い症状が、安定期と言われる妊娠5ヶ月目に入るくらいまで続きます
においにも敏感になる人が多く、今まで好きだったにおいにすら吐き気を覚えることもあります。
倦怠感が続き、仕事にも支障が出やすいため、無理しすぎずに自分のペースを維持することが大切です。

精神的にも不安定になる妊娠期間

妊娠中はホルモンの変化から、タフなメンタルを持っている人でも気持ちが不安定になりがちです。
ちょっとしたことでも不安になったり、イライラしたり、これまでと違う感覚に自分も周囲もびっくりすることもありますが、妊娠中は仕方のないこと。
妊娠すれば誰もが通る道ですが、保育士にとっては「私、子どもが大好きだったのに」と不安になることもあるかもしれません。

特に気を付けたいのは妊娠初期!

一番気をつけなければならないのは、お腹が目立たない時期
特に、職場の保育園に安定期に入るまでは話したくないと思っていても、子どもを抱っこしたり、重たいものを持ったりする機会の多い保育士には、「内緒にする」こと自体、リスクが高いことを知っておく必要があります。
園長に直接言うのは勇気がいる、という人は、まず主任に相談してみましょう。

子どもたちの反応

保護者・子どもへの妊娠報告は、安定期に入ってからする保育園が多いようです
よって妊娠初期は、とても大切な時期と言われながらも、子どもたちは知りません。
保育士が体調悪そうにしていると、子どもたちは敏感に察知します。
あまりに辛いときは別の保育士に少しの間、子どもたちをみてもらって休憩しましょう。
意外に保育に集中していると、気がまぎれてつわりをあまり気にせずに過ごせる人も多いようです。

保護者の方たちは、妊娠・出産の経験者なので、保育士の表情や体つきで、「先生、もしかして・・・。」とおめでたに勘付く人もいます。

安定期に入ったら、子どもたちに発表します。年齢によっても反応・感じ方もさまざまだと思いますが、年齢が大きくなるにつれ、よく理解し、保育士の事を助けようと手伝ってくれたり、お腹をなでたりする姿もみられます。

つい保育士が妊娠していることを忘れていつものように、ドンっと抱きついてくる子もいるかと思いますが、そこはまだまだ子ども。
保育士が強い口調で「やめて。」と言ったり、不安そうな顔をするのはよくありません。ただでさえ、いっぱい保育士に甘えたい子どもたち。
“お腹の赤ちゃんももちろん大切だけど、あなたたちのことも大好きよ。”ということは今まで以上に伝えていきましょう。
その上で、「赤ちゃんびっくりしちゃうから、抱っこはいいけど、優しくきてくれると嬉しいな。」と落ち着いた口調で伝えるようにしましょう。

続けたいけど続けられない?マタハラ事情

女性の社会進出が加速する一方で、問題となっているのがマタニティーハラスメント。
職場などにおける妊娠・出産に関連する嫌がらせのことを指します。保育士でもこのような被害に遭うことはあるのでしょうか?

産休と育休は労働者の権利

産休(産前産後休暇)と育休(育児休業)は、保育士はもちろんのこと、労働者すべてに認められている権利です。
しかし、妊娠・出産を理由に退職を勧められたり、嫌がらせをされたりする「マタニティーハラスメント(マタハラ)」が問題になっています。

保育士の仕事は体力勝負ですので、妊娠した保育士に対して「何か問題があったら困る」「今までと同じ働き方ができないのなら辞めてもらうしかない」といった考えを示す保育園も残念ながら存在します。

(参考)あなたも取れる!産休&育休|厚生労働省

保育士不足がいたわり不足に?

ニュースでも取り上げられるほどの「保育士不足」の問題。
ギリギリの人数で勤務しなければならない現実は、保育士自身が感じている部分かもしれません。

保育士不足で産休や育休の欠員を補充することが難しいのはもちろん、つわりなどで急に休むといった場合にどうしても寛容になれない環境があります。
これは保育園の運営側だけでなく、保育士同士でも言えることで、誰かが急に休んだことで負担のかかる他の保育士から嫌味を言われるなどの嫌がらせを受けるケースもあるようです。

産休育休で続けるか、いったん退職して再就職か?

妊娠がわかったら、今後保育士としてどのように働くかを考える必要があります。

早めに保育園に妊娠報告をして、協力を仰ぐ

せっかく手に入れた保育士の仕事。まずは保育士としてのキャリアを継続できる方法を考えてみましょう

産休や育休の期間中は、手当てが給付されることもありますし、何よりキャリアを途切れさせないというのは保育士を続ける上で大きなメリットがあります。
そのためには、保育園にきちんと妊娠報告をして、今後どうするかの話し合いの場を設けることが必要です。

妊娠中に体調不良や検診などで休まざるをえない場合の対策や、事務職に異動したりすることも検討してもらう必要があるかもしれません。
育休後は復帰する意思や、保育士として働き続ける熱意があることなどをしっかり伝えて、理解を求めましょう

園によっては、産休・育休制度が確立していないところもあるようです。
過去近年に妊娠して、産休・育休した人は記憶がまだ新しいので、相談してみるのがいいのかもしれません。

いったん退職をして、子育てが落ち着いてから復帰する

連日残業を余儀なくされる職場環境だったり、妊娠初期からつわりがきつかったりした場合、妊娠がわかった段階で「保育士として働き続けるのは無理」と感じる人もいるでしょう。その場合は、思い切って退職するのも手です。
不安を抱えながら仕事を続けていると、保育を担当している子ども達にも不安が伝わりますし、お腹の赤ちゃんにもよくありません。

幸いにも保育士不足に悩む保育園は多いため、再就職はそう難しくないといえます。
無理に続けて体調を崩すよりも、子育てが一段落してから復帰するという選択肢も大いに考えられるでしょう。

まとめ

妊娠は喜ばしく、おめでたいこと。子どもが好きな保育士にとって、自分自身の妊娠は嬉しい反面、仕事をどうすればいいのか不安になる人は多いはず。
しかし妊娠をチャンスととらえることもできます
保育士として働いてきた今までを振り返り、これからの人生プランを考えるきっかけになるからです。
まだ不安が大きいかもしれませんが、前向きな気持ちで将来の自分のイメージを膨らませてみましょう。

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記事公開日:2019.04.02

記事更新日:2021.07.15