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2019.04.01

保育士にも多い?うつの実態と予防法

厚生労働省の調査によると、精神疾患の患者数は年々増加傾向にあり、2011年度のうつ病患者数は95.8万人、統合失調症は71.3万人、不安障害57.1万人という結果が出ています。特に患者数の多い「うつ病」は、現代病とも呼ばれて社会的にも大きな問題となっており、保育士も例外ではありません。

今回は保育士と「うつ」の関係にクローズアップしてみました。
(参考)厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 患者調査

うつ病ってどんな病気?

「うつ病」と聞くと、ストレスによる心因性の病気ということは知っていても、具体的にどんな病気なのか知らない人も多いのではないでしょうか。

さまざまな要因が重なることで「うつ」状態に

うつ病は一つの要因で発症するケースは少なく、人間関係のトラブルや慢性的な疲労、長時間緊張感を絶やせない状況など、さまざまな要因が重なることで発症すると考えられています。
一時的に気持ちが沈んだり、元気が出ないといったことは誰にでもありますが、長期間回復しない場合は、うつ病を発症している可能性が高くなります。

どんな症状があったら「うつ病」なの?

うつ病の症状には個人差がありますが、一般的に次のような症状が現れることが多いようです。

精神的に不安定になる

気分が重い、気持ちが沈む、イライラする、集中力がなくなる、好きだったことにも興味がなくなる、物事を悪い方に考える、生きていることが辛くなる など

身体的な不調が続く

食欲がなくなる、眠れない、疲れやすい、安静にしていても動悸がある、慢性的な頭痛や肩こり、めまい など

なぜ保育士は「うつ病」になりやすいの?

実は保育士にはうつ病などの精神的な疾患にかかる人が多いといわれています。それはなぜなのでしょうか?

保育士の仕事はストレスフル

厚生労働省が2011年にまとめた「保育士の再就職支援に関する報告書」によると、保育園就業中の職場環境に関する悩みのトップは「責任の重さ・事故への不安」が43.4%にのぼります。
そのほか「勤務時間」が26.4%、「職場の人間関係」が22.5%と続き、ストレスのたまりやすい環境を避けられない傾向にあるのです。

さらに保育士の仕事は、長時間労働による肉体的な疲労、保護者とのトラブル、緊張を絶やせない業務など、うつ病を引き起こす要因がそこかしこにあるという状態といえます。
(参考)厚生労働省委託事業 保育士の再就職支援に関する報告書

女性が多い職場だからこそ

うつ病は男性よりも女性の方がかかりやすいといわれています。
ホルモンバランスの影響によって気持ちの浮き沈みが現れやすいことや、ライフステージの変化で生活リズムが乱れやすいことなどが原因として考えられています。
保育士という職業は女性が圧倒的に多いことから、ほかの職業と比べてうつ病にかかる割合が多いともいえるでしょう。

うつ病にかからないためには?

子どもに対する責任感から不調があってもなかなか病院に行けないなど、悪循環に陥りやすいのが保育士という仕事の辛さでもあります。
うつ病のリスクを少しでも減らせるよう、日頃から次のようなことを実践してみるとよいでしょう。

自分の心と体に優しくなろう

うつ病予防には、健康的な生活を送るのが一番よいといわれています。簡単なことからでも構いませんので意識してみましょう。

トリプトファンの多く含まれる食品を摂る

脳内神経伝達物質であるセロトニンの不足が、うつ病の原因となるという研究結果が報告されています。
体内のセロトニンを十分に確保するためには、セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む、肉類や牛乳などの乳製品、納豆などを食事に取り入れるのがおすすめです。

ストレスを発散できることを見つける

仕事に疲れて平日は保育園と自宅の往復のみ、休日も寝て過ごすという人も多いかもしれません。
ゆっくりと体を休めることももちろん大切ですが、それだけでは気分転換にはならずストレスを発散しきれないこともあります。

「家族と温かいお茶を飲みながらおしゃべりする」「大好きな映画を見て感動する(涙を流す)」など、仕事のことを忘れてリラックスできる時間をつくるように心がけることで、うつ病予防につながります。
(参考)日本メンタルヘルス研究センター うつ予防ナビ 予防法

うつ病になってしまったら?

うつ病はれっきとした病気です。うつ病と診断された場合、さらに原因が仕事や職場環境によるものだとすれば、休職して療養に専念することをおすすめします。
どうしても仕事を休むことができないという場合は、職場に相談して勤務時間を減らしてもらうなど、負担を減らす必要があります

将来のことを考えて不安な気持ちになることもあるかもしれませんが、病気をしっかり治すことが第一。
この先も保育士を続けたいと思うなら尚のこと、症状が悪化するまえに休養して、回復に努めましょう

時には自分を甘やかすことも大切

保育士を目指す人の多くは、まじめな人が多いといわれています。
「自分が頑張らなければ」「しっかりしなければ」と意識を高く持つのは素晴らしいことですが、体を壊してしまったら元も子もありません。
最近何かおかしいなと感じたら医師に相談するなど、悪化する前になるべく早めに対処しましょう。

記事公開日:2019.04.01

記事更新日:2019.04.01