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2019.03.28

保育士や幼稚園教諭に実践してほしいストレス解消法

保育士や幼稚園教諭に実践してほしいストレス解消法

幼稚園や保育園に限らず、まったくストレスのない職場というのはあり得ません。
特に近年では、ストレスが原因で発症するうつ病などのほか、円形脱毛症や胃潰瘍、慢性じんましんといった病気を引き起こして体調を崩す人も少なくないようです。
体調を崩し、仕事を休むことで「仕事を休んでしまっている」「どんどん仕事がたまっていく」「迷惑をかけてしまう」と悩み、さらにストレスを溜めてしまうことで、すべてが悪循環となってしまいます。

この社会的な問題を受けて、厚生労働省は2015年12月から従業員50名以上の事業所に対して、従業員のストレスチェックを義務づけるなどの取り組みを行っています。幼稚園や保育園においても、膨大な業務量や保護者対応などでストレス過多になっている人も多いかもしれません。

今回は幼稚園教諭や保育士に実践してほしいストレス解消法について、お伝えします。

(参考)厚生労働省 ストレスチェック制度導入マニュアル

 

 

こんな症状が出ていたらストレス注意報

「最近、何となく体調がおかしい」と感じている人はいませんか?
ストレスは急激な変化ではなく「何となくいつもと違う」といった感覚から始まるケースが多く見られます。原因が明確な人もいます。

子どもを預かる責任から「子どもたちが最優先」と無理して頑張りすぎると、こうした初期症状を見逃しがちなので要注意。
原因不明の不調を感じたら、早めに対策をとることが大切です。

幼稚園・保育園での具体的なストレスの例(5点)

1.クラス運営がうまくいかないストレス

発達障がい児や、手が出てしまう子のフォローに入る教師がおらず、自分一人で何とかしよ うと抱え込んでしまいます。

2.保護者への対応のストレス

俗に言うモンスターペアレンツの増加。新人のうちは保護者との距離感がうまく取れず悩むことがあります。
また、“先生と仲良しになりたい”と、友達感覚で接したいと迫ってくる親もいます。

3.教師間のいじめのストレス

いじめに関して、悩みを打ち明ける同僚もいない。女社会特有の問題でもあるといわれています。

4.教師間の保育観の違いに関するストレス

お互いの意見を曲げず、話し合いが平行線となってしまうこともあります。

5.勤務時間の長さ・仕事内容を考えた際、給料が割に合ってない、というストレス。

行事前は深夜まで幼稚園・保育園で残業したり、休日も仕事を家に持ち帰り行ったりする園もあります。
※上記は、具体例のほんの一部です。それぞれの幼稚園・保育園によって、ストレスや悩みもそれぞれでしょう。

ストレスが原因で起こる体調の変化

ストレスが溜まると、自分の体の中でも一番弱いところに出やすいといわれています。
代表的な例として、次のような症状が挙げられます。

【消化器系】下痢、便秘、胃痛、潰瘍、吐き気
【神経・血流系】頭痛、肩こり、不眠、顔面けいれん
【耳鼻科系】めまい、耳鳴り
【婦人科系】生理不順
【皮膚科系】じんましん、円形脱毛症

ストレスが原因で起こる精神的な変化

ストレスは体だけでなく、時には精神的に悪影響をおよぼすことも。この場合には次のような症状が考えられます。

【うつ症状】

気分が落ち込む、楽しかったことが楽しく感じなくなる、イライラする、疲れやすい、集中力が低下する

【パニック症状】

急に激しい動悸に襲われる、胸が苦しくなる、めまい

保育士

ストレスをコントロールする方法

現代社会で生きていく以上、ストレスは切っても切り離せないものとなっています。
完全なストレスフリーの環境に身を置くことは難しいので、自分自身でストレスを上手くコントロールして少しでも負担を減らすことが肝心です。

「疲れた」「つらい」と感じたときに試したいこと

何となくイライラしたり、気持ちが落ち着かなかったりするときには、簡単な「セルフケア」を意識して行ってみましょう。

▼体を動かす
激しい運動よりも、ストレッチや軽い運動を行うほうが凝りかたまった体をほぐし、緊張を和らげる効果があります

▼腹式呼吸
腹式呼吸を正しく行うことで、脳に十分な酸素を送り届けることができ、リラックス効果をもたらしたり、ストレスを軽減したりする効果があります

▼よく笑う
人は笑うことで心と体を休める副交感神経が働き、血行が促進されてリラックスするほか、気分転換にもなります。幼稚園でも、子どもたちの何気ない行動で大笑いしたらすっきりし、ストレスがふっとんでいったという経験がある人も多いかもしれませんね。

みんなが試しているストレス解消法

幼稚園教諭や保育士の仕事は毎日忙しく、とくに園内行事の前などは残業続きでストレスが溜まり心身ともにクタクタになることも。
そんなときにこそ、リラックスできる方法があると気持ちを切り替えやすくなります。
またリラックスすることで、筋肉がゆるんで血管が広がるため血行が良くなり、老廃物を体の外に出したり、胃腸の働きを正常にしたりする効果もあります

大きな声を出してすっきり

ストレス発散といえば「これ!」という人も多いのが「一人カラオケ」。
腹式呼吸によって大きな声で歌ったり、好きなアーティストの曲を無心に熱唱したりすると自然とすっきりし、ストレス発散できます。
幼稚園や保育園で大きな声を出す場面もあるでしょうが、好きな音楽に合わせて歌うのもストレス解消に役立ちます。

涙とともにストレスを洗い流す

「泣く」ことは「笑う」ことの対極にあるようですが、実際には悲しみや感動で涙を流すことでも副交感神経を刺激してストレス解消につながるのです。
定期的に感動できる映画やドラマを見るなどして、涙と一緒に溜まったストレスを洗い流しましょう。

仲の良い友人と過ごす

一緒にいるだけで安らぐ友人の存在は貴重です。価値観や感覚の似ている友人と過ごしていると、ストレスを感じにくくなります。
平日は幼稚園と自宅の往復だけで1日が終わってしまうという人は、休日に古い友人や家族と会って他愛もない話をするだけでも、ストレス解消につながります。

まとめ

幼稚園教諭や保育士の仕事は、常に子どもたちの安全に気を配る必要があるほか、さまざまな保護者とも上手くかかわっていくことが求められるなど、ストレスを感じやすい職場でもあります。

また、幼稚園や保育園では、教師間のコミュニケーションがとても大切です。
どんな小さな悩みや愚痴でも、言葉に発することによってストレス解消することもあるでしょう。
同僚と沢山話し、不満を自分ひとりで抱え込まないようにしましょう

自覚症状のあるストレスはまだ対処ができますが、自覚症状のないままストレスを溜めこんでしまっているときは、特に注意が必要です。
自分の健康状態をチェックして、ストレスに押しつぶされることのないよう、うまくコントロールしていきましょう。

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記事公開日:2019.03.28

記事更新日:2021.08.04