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2019.05.19

もし不慮の事故が起こったら…?保育園で子どもの怪我を防ぐための対策とは

もし不慮の事故が起こったら…?保育園で子どもの怪我を防ぐための対策とは

たくさんの子どもが集まる保育園にとって、無視できないのが「怪我」や「事故」の心配です。
2014年の1年間で保育施設における事故件数は177件。この件数は報告があったものに限るため、実際にはもっと多くの事故が起こっている可能性があります。
今回は、保育園での子どもの怪我や事故を防ぐための対策について、改めて考えていきましょう。

(参考)厚生労働省 保育施設における事故報告集計

 

 

保育園での重大な事故の背景には300件のヒヤリ・ハットが

「ヒヤリ・ハット」とは、医療機関にかかるまでにはならなかったものの、状況によっては大怪我や大事故につながりかねなかった事例を指します。

毎日の保育中にもたくさんのヒヤリ・ハット

アメリカで提唱されたハインリッヒの法則によると、1件の重傷者が出るような重大事故の背景には、29件の軽傷者が発生した軽微な事故があり、その軽微な事故の背景には300件のヒヤッとしたり、ハッとしたりする出来事がある、といわれています。保育園で過ごす中で、こうした多くのヒヤリ・ハットを経験している保育士も多いのではないでしょうか?

「事故は起こるもの」と常に注意する

子どもは走って転んだり、高い遊具から手を滑らせて落ちてしまったりと、怪我をすることもたくさんあります。
しかし、転びにくくするために「靴はきちんと履こうね」と指導したり、保育園の園庭のデコボコやつまずきそうな石を取り除いておいたり、怪我を未然に防ぐために対策することは可能です。
こうした小さな積み重ねがヒヤリ・ハットを防ぎ、ひいては大きな怪我や事故を防ぐことにもつながります

知っておきたい救急救命!

子どもが怪我をするような事故が起こらないことが一番ですが、まったく起こらないという確証はどこにもありません。
いざというときに落ち着いて正確な判断を下せるように、保育士はできるだけ最新の救命知識を習得しておく必要があります

子どもの命を左右する初期対応

保育園で事故が起きたとき、もっとも早く子どものそばに駆けつけられるのは保育士です。
怪我の状況によっては、どのような初期対応をするかで怪我の回復具合はもちろん、子どもの命までも左右しかねません。

不測の事態が発生したら、保育士はほかの子どもを不安にさせないためにも落ち着いて対処しましょう。
「救急車を要請する必要があるのか」「頭を打っていないか」「呼吸はあるか」など、状況の把握に努め、何をすべきか適切かつ迅速に対応することが求められます。

保育士が受けておきたい、救急救命講習

公的機関が行う研修のほか、民間の認定機関でも救命救急の講習を行っています。
次のような研修は、積極的に受講するのがおすすめです。

小児救急救護法講座(メディック・ファーストエイド®)
国連や世界安全機構などをはじめとする公的機関で公認されている、応急救護の手当訓練を学ぶことができる研修です。
チャイルドケアプラスでは、0~8歳までの子どもを中心とした研修プログラムが組まれていますので、保育園などで役立つ内容を学べます。

(参考)メディック・ファーストエイド チャイルドケアプラス

救命技能講習認定
全国の消防署などで実施されている応急処置の技能認定講習を受け、一定の技能があると認められれば取得することができる「公的な資格」です。
応急救護や救命入門、普通救命や上級救命など、複数のコースがあります。

(参考)東京消防庁 救命講習のご案内

まとめ

子どもの命を預かる保育園では、怪我を未然に防ぐためのさまざまな安全対策を講じるとともに、怪我や事故はいつ起こってもおかしくないと常に意識した行動が求められます。

1人ひとりの保育士に正しい知識があれば、急なアクシデントが起こっても慌てず冷静に対処することができます。
日頃から研修や講習などに参加し、子どもの命を守るための知識や技術の取得を欠かさないようにしましょう

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記事公開日:2019.05.19

記事更新日:2021.07.16