2019.04.01
保育園で0歳児クラスの担任になったら?
0歳児クラスの担任に!
保育園で働く保育士は、さまざまな年齢の子どもたちの成長をサポートしています。
その中でも生まれて間もない0歳児は、可愛いけれどもっとも緊張感をもって保育する必要がある年齢といえるでしょう。
0歳児はほとんど分別がつきませんから、保育士のちょっとした気のゆるみが、子どもの安全を脅かしかねません。
今回は、保育園で0歳児クラスの担任になったら、保育士が注意するべきことや0歳児の子どもの発達の特徴などをご紹介します!
0歳児は何ヶ月から入園OK?
保育園によって差はありますが、早ければ生後2ヶ月の子どもから受け入れOKの保育園もあります。
この「生後2ヶ月以上」というのは、保護者が出産後8週を過ぎなければ就労できないことが関係しています。
保育園は共働きの家族が利用することが多く、産後すぐに働かなければいけないという家庭もあるかもしれませんが、そういった場合でも生後2ヶ月未満の0歳児の入所を認められることは少ないでしょう。
0歳児クラスの子どもの平均的な月齢は生後4~6ヶ月と言われています。また保育園によっては0歳児クラスがなく、1歳児以上のクラスからという園もあります。
しかし同じ0歳児クラスの子どもでも、「みんな同じ保育でOK」ということはありません。
0歳児の子どもの特徴
0歳児の月齢による発達の違い
同じ月齢でも、発達には個人差が大きく見られるのが0歳児。
同じ0歳児のクラスの子どもでも、月齢が2ヶ月の子と11ヶ月の子では発達に大きな差があります。
2ヶ月であればまだ首がすわっていない子がほとんどですし、11ヶ月にもなると上手に伝い歩きができる子もいます。
他にも3ヶ月で寝返りを打つ子もいれば、6ヶ月でやっと寝返りができる子もいます。
0歳児クラスは「子どもによってできることがまったく違う」ということを、しっかり認識しておく必要があります。
半日以上寝ている0歳児
保育園に入園が可能な生後2ヶ月頃の0歳児は、1日の中でよく眠ります。
1日の睡眠時間の平均は17時間前後です。
2ヶ月を過ぎると日中、目を覚まして、起きて過ごせる時間が長くなることから、昼と夜の区別がつけられるようにもなり、少しずつ生活リズムが整ってくるようになります。しかし、睡眠時間は同じ0歳児でも異なります。
そのため、0歳児クラスではお昼寝の時間を固定するのではなく、一人ひとりのペースに合わせて睡眠時間をとってあげましょう。
0歳児は一人ひとりの個人差が大きく、睡眠時間に関しては「この子いつもお昼寝しているな」という子どもと「この子はなかなか寝てくれないんだよな」という子どもがいるかと思います。
そんな時保育士は焦ることなく、子どものペースに合わせてあげるようにしましょう。
また、睡眠を促すには、お昼寝の時間には室内を暗くしたり、オルゴール等の優しい音楽をかけたりして落ち着ける環境づくりを心がけましょう。
他にも日中天気のいい日にはお散歩に行ったり、室内のカーテンを開けて日光を浴びさせてあげることも良い睡眠をとるには大切なことです。
0歳児の子どもは保育士など大人の力がないと生きていけません。
生活リズムを整えたりするためにも、保育園の生活の中で、さまざまな工夫をしてみてください。
4~6ヶ月頃になるとある程度の生活リズムが一定になってくるので、それまでは子ども一人ひとりに寄り添うように援助していきましょう。
0歳児の運動機能
保育園で0歳児クラスの平均月齢の4~6ヶ月。
その頃になると子どもの運動機能も少しずつ発達し始めます。4~6ヶ月頃であれば、腹ばいにすると、肘で上半身を起こし支えるようになります。
6~7ヶ月頃になると同じ姿勢をとらせても腹ばいになった状態から、手の平で上半身を支えられるようになります。
さらに左右に寝返りができるようにもなり、動きが活発になる時期になります。さらに7~8ヶ月頃になると「ハイハイ」ができるようになります。
0歳児にとっての危険
なんでも舐めて確認!0歳児の誤飲
このように段階を追って少しずつ発達が見られる0歳児ですが、判断する力や考える力はまだありません。
そのため運動機能の発達と0歳児が持つ好奇心で、多くの危険にさらされるようにもなります。
0歳児の子どもは色々なものの安全性を、舐めて判断しようとします。そのため誤飲をする危険が多くあります。
0歳児の子どもでも、大きさが3.5cmのものは飲み込めてしまうといわれています。
そのため、保育士はそういった子どもが危険な目になり得るものはあらかじめ排除しておくようにしましょう。
0歳児はなんでも口に入れてしまう危険がありますので、子どもが口に含む恐れのあるものが保育園内に落ちていないかなども、すみずみまで十分にチェックすることを心がけましょう。
0歳児は特に注意したい「乳幼児突然死症候群」
0歳児の担当保育士になったら、特に気を付けたいのは乳児突然死症候群です。
厚生労働省の発表によると、乳児突然死症候群はおよそ6000~7000人に1人の頻度で発症しているとされています。
2011年には全国で148人の子どもが亡くなっていて、特に生後2~6か月の時期が起こりやすいとされています。
乳児突然死症候群を防ぐために、うつぶせ寝や保護者の喫煙などの育児習慣を避けるような指導がされていますが、いまだ原因が特定されていません。
特に保育園での寝ている時間はこまめに見守り、「呼吸の確認」や「鼻や口がふさがっていないか」などを確認する必要があります。
(参考)・乳幼児突然死症候群について|厚生労働省
0歳児の事故のトップは「転落」
東京消防庁が2013年にまとめた「救急搬送データから見る日常生活の事故」によると、0歳児の救急搬送のトップは「転落」事故で、504人が救急搬送されています。
その転落の事故発生の要因上位は「ベッド」「人」「階段」「ソファ」「イス」です。大人にとっては大して高い場所でなくても、0歳児にとっては落ちたら怪我をする恐れのある高さであることが多いため、注意が必要です。
保育園内にハイハイや伝い歩きで登れるものがないか、十分に確認しましょう。
このほか、日常生活で起きやすい事故として、「ノドにものが詰まる」、「転ぶ」、「やけど」などが挙げられています。
(参考)救急搬送データから見る日常生活の事故|東京消防庁
0歳児とのかかわり方とは?
0歳児にもスキンシップや声掛けが大切!
月齢が低い0歳児は寝て過ごすことがほとんど。ですが、単におむつを替えてミルクを飲ませるだけが保育士の仕事ではありません。
0歳児はまだ言葉によるコミュニケーションを取ることはできませんが、保育士の表情や雰囲気で「この人は安心できる」などを感じ取る能力は十分に備わっています。
おむつを替えながら「きれいにしようね」「すっきりしたね」など優しく声をかけたり、「こちょこちょしちゃうぞ~」などくすぐってみたり、コミュニケーションやスキンシップを取りながら行うことで、0歳児に安心感や信頼感をもたらすことができます。
また、抱っこも優れたスキンシップの1つ。たくさん抱っこしてあげることで、子どもとの絆も深まります。
まとめ
言葉を話せない0歳児は「泣く」ことが自分の気持ちを伝える唯一の手段ですので、保育士はわずかな泣き声の変化などにも注意して接することが大切です。
保育士にとって、0歳児の保育は責任を感じる仕事ではありますが、その分子どもの成長を目の当たりにしたときの喜びは大きいですね。
0歳児の接し方に悩んでいる保育士の方は、ぜひ積極的なコミュニケーションを図りながら取り組んでみてはいかがでしょうか。
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記事公開日:2019.04.01
記事更新日:2021.07.15