2021.09.14
太る?太らない?ゼロカロリー飲料に隠れた落とし穴
巷には「ゼロカロリー飲料」の種類も非常に多く、これまでは太るものの代名詞のようにいわれていた炭酸飲料もゼロカロリーだからダイエット中でも大丈夫!というような認識で飲んでいる方も多いかもしれません。
しかし、ゼロカロリーと表示されていてもじつは全くカロリーがないわけではないのです。
ここでは、飲みものに含まれるカロリーやゼロカロリーの定義、ゼロカロリー飲料の危険性などを説明します。
ゼロカロリー飲料について理解を深めれば、ダイエットにも役立てることができますよ!
目次
5. 主なゼロカロリー飲料
飲みものに含まれるカロリーってどれくらい?
普段の飲みものにどのくらいのカロリーが含まれているのでしょうか。 例えば朝食とともに愛飲している方も少なくないドリップコーヒー(ブラック)でも100g当たり4kcalあります。
そのまま飲んでもOKで、料理にも使える牛乳は67kcalです。牛乳よりもヘルシーだと考えられる豆乳でも46kcalあります。
そのほか、嗜好品であるオレンジジュースや炭酸飲料に関しては約50kcalほどです。甘い飲み物にはそれなりのカロリーがあるということは容易に想像できることです。
参照:文部科学省「食品成分データベース」より作図
スターバックスの飲み物はどのくらいのカロリーになる?
人気のコーヒーショップ、スターバックスコーヒーですが、新作のフラペチーノのが発表されるたびにそのカロリーに注目が集まっています。
定番のラテやカフェモカ、カプチーノ、キャラメルマキアートなどのカロリーは以下の通りです。
スタバの飲みものは甘くて満足感があるものが多くラインナップされているので、ショートサイズ1杯分で150〜300kcal程度あるものがほとんどです。
約ごはん1/2杯分のカロリーを有することを考えるとダイエット中にはなかなか手が出ない飲みものですね。
もちろん、選ぶミルクの種類を低脂肪や無脂肪乳を選べば若干カロリーを抑えることができます。
参考:エネルギー・アレルゲン・原料原産地情報|スターバックスコーヒージャパンより作図 *サイズはトールサイズ、ミルクの種類は「ミルク」で調査
ダイエット中にはゼロカロリー飲料なら安心?
ダイエットをしている方にとっては「ゼロカロリー」という響きはとても感心を引くものですね。それならば、カロリーの高いスタバのドリンクは我慢して、カロリーゼロといわれる飲み物を飲んでいればダイエット中でも太る心配はないのでしょうか。
「ゼロカロリー」飲料の定義とは
熱量(エネルギー)の誤差範囲は±20%とされています。飲み物100ml当たりの成分量が5kcal未満の場合「0(ゼロ)」と表示することができるのです。
ですので、500mlの飲料で25kcal未満のものはゼロカロリーという表示ができてしまいます。
「ゼロカロリー」と書かれていても、全くカロリーがないわけではないということを覚えておかないと、ダイエットに失敗して「こんなはずじゃなかった!」ということにもなりかねませんね。
*栄養成分表示では、糖類とは別に炭水化物の量を示すことになっています。糖類は単糖類(ブドウ糖・果糖など)と二糖類(砂糖・乳糖など)を指します。
参考:引用:嗜好飲料(アルコール飲料を除く) | e-ヘルスネット
人工的に作り出された合成甘味料の危険性
また、ゼロカロリー飲料なのに甘いのはどうしてでしょうか。不思議に思ったことはありませんか?
ゼロカロリー飲料が甘いのは人工甘味料が使われているからです。
人工的に作り出した甘みはごく少量でも強い甘みを引き出すため、カロリー的にも5kcal未満に抑えることができ、カロリー表示を「ゼロ」と表示することができるのです。
人工甘味料の代表といえば「アスパルテーム」。飲みものに限らず甘みを感じる食品の多くにこの合成化学甘味料は使用されています。
アスパルテームは天然のショ糖の100〜200倍の甘みを持つといわれています。
この強い甘みのある人工的に作り出された合成甘味料には副作用も心配されていますが、成分的には安全なものであると米国食品医薬品局(FDA)は発表しています。
主な副作用として、頭痛、めまい、不眠、アレルギー、月経不順、不安感、うつ病、心疾患、認知症、糖尿病などが挙げられています。
ただし、「フェニルケトン尿症」を患っている方は、アスパルテームの摂取が禁止されています。
アスパルテームに含まれるフェニルアラニンを体の中で代謝することができないため、重篤な症状に陥る危険もあるので注意が必要となります。
また、アスパルテームの摂取量については体重1kgあたり40mg未満という決まりがあります。体重が60kgの方の許容範囲は2400mgとなるので、摂取の目安にするようにしましょう。
ゼロカロリー飲料なのに太ってしまうカラクリ
インスリンの分泌によって食欲が増す
ゼロカロリー飲料はもともと糖尿病患者のために開発されたものだといわれています。人工甘味料は糖質ではないので血糖値は上昇することはありません。
しかし、人工甘味料が体内に入ると血糖値は上昇しないのにインスリンは分泌されます。
インスリンの作用によって血糖値が急激に下がってしまうとエネルギー不足によりお腹がすいて食欲を増進させてしまうということが起きてしまうのです。
誤解から引き起こされる心理的な安心感
スターバックスの飲みものについて、厳密に表品ごとのカロリーを知っていなくてもそれなりのカロリーがあるということは想像がつきます。
ですのでダイエット中に毎日飲むようなことをする方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
スタバが大好きな方でもずっと我慢をして、たまにのご褒美に1杯飲むというようにして、継続的に依存的に飲むことは少ないはずです。
ところが、ゼロカロリー飲料はどうでしょうか。
「ゼロカロリーだからダイエット中でも安心」という心理状況が働き、ゼロカロリー飲料を依存的に飲むという事態が起こりやすくなっているのです。
また、カロリーのない飲みもので我慢しているという安心感からか、「そのぶん余計に食べても大丈夫」という心理状況にも陥りやすく、結果的にダイエットにならず逆に太ってしまうということも十分にあり得るのです。
また、アメリカの研究によって、人工甘味料のアスパルテームが減量を阻害するという結果も報告されています。
”人工甘味料の一種・アスパルテームを摂取しても減量につながらないおそれがあるという。その理由は、アスパルテームが、減量などに有効な酵素の活性を阻害することにある可能性が明らかになった。米国マサチューセッツ総合病院の研究。”
このように、人工甘味料の体への影響に関して研究が進められています。 いずれにしても、「ゼロカロリーだから」といって、人工甘味料を摂り過ぎになることは注意したいですね。
主なゼロカロリー飲料
コカ・コーラ ゼロカフェイン
コカ・コーラからは2007年からカロリーゼロの「コカ・コーラ ゼロ」が発売されてきましたが、こちらのゼロカフェインは、カロリー、糖分、保存料、合成香料、カフェインまでもゼロにした商品です。
[トクホ]サントリー ペプシスペシャル
こちらのペプシコーラは特定保健用食品に認定されており、食事と一緒に飲むことによって摂取した脂肪の吸収をおさえて、排出を促す働きがあるそうです。
[トクホ]三ツ矢サイダーW
カロリー、保存料、着色料ゼロで強めの炭酸、さっぱりとした甘みのサイダーです。こちらの商品も特定保健用食品で食後の脂肪と糖の吸収を穏やかにする作用があるそうです。
アクエリアス ゼロ
水分補給に利用する方も多いスポーツ飲料のアクエリアスにもゼロカロリーのシリーズがあります。ミネラル分はしっかりと補給してもカロリーはゼロの熱中症対策ドリンクです。
ゼロカロリーのカルピスすっきり
カルピスをゼロカロリーで楽しめるすっきりとした味わいの乳性飲料です。炭酸飲料ではなくカルピスの風味が楽しめるので、好まれる方も多い商品です。
「ゼロカロリー」に頼り過ぎず賢く利用しよう
©Viacheslav Iakobchuk - Fotolia
食事全般的なカロリーを抑えるために、ゼロカロリー飲料を上手に活用することはダイエットにもメリットはあると考えられます。
また、トクホのゼロカロリー飲料も各メーカーからこぞって発売されているようなこのご時世ですから、それらを利用して血糖値の上々を抑えたり、脂肪の吸収を抑える助けにするのはダイエットに有効かもしれません。
しかし依存し過ぎることは良くありません。 副作用などの危険も完全に払拭されるものではありませんので、うまく付き合っていきたいものですね。
記事公開日:2021.09.14
記事更新日:2021.09.13