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2019.04.09

保育園で必要なのはどんな「しつけ」?

保育園では、忙しい保護者の方の子育てや家庭環境の支えとなるように、子どもに対する「しつけ」が重要なテーマになることもあります。
さらに保育園によっては、子どものために、「しつけ」をメインテーマとした方針を掲げているところもあるでしょう。

では、家庭で行う「しつけ」を保育士が補うために、保育士が保育園で注意しておきたいことはどんなことでしょうか。
今回は、保育園で行われる「しつけ」とは何なのか考えていきます。

保育目標として重視する「基本的な生活習慣」とは?

ベネッセ教育総合研究所が2012年に行った「幼児教育・保育についての基本調査報告書」によると、教育・保育の目標として特に重視しているものの1位は「基しつけ本的な生活習慣を身につけること」でした。

保育園で「基本的な生活習慣」を身につけるために行う援助とは

基本的な生活習慣とは、日常生活の中で身の回りのことができたり、心身を自分でコントロールできたりするようになることです。

これは生まれつき身についている能力ではないため、誰かが子どもに教える必要があります。
「きちんとご飯を食べる」「自分で着替える」「外から帰ったら手を洗う」などの基本的な習慣を、年齢や発達に応じて身につけさせることも「しつけ」の一部といえるでしょう。

そのためには、保育士が日々の保育の中で声掛けを徹底して行い、最終的には子どもたちが自発的に行えるようになることが理想です。
基本的な生活習慣は1日、2日のような短期間で身につくものではないので、保育士が毎日の生活の一部として、子どもたちに促していくようにしましょう。

(参考)ベネッセ教育総合研究所 第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]

保育園で出来るしつけの援助

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もちろん、「食事のマナー」や「うがい手洗い」などの基本的な生活習慣を身につけることだけがしつけではありません。
ではこれらのほかに、保育園で出来るしつけの一部とは何でしょうか?

「どう育ってほしいのか」を考える

保育士が陥りがちなのは、子どもがすることを大人の基準に合わせようとすることです
例えば、子どもがお箸を正しく持てないからといって、何度も注意していれば良いということではありません。
いつかは正しい持ち方ができるようになるかもしれませんが、伝え方によっては食事の時間が子どもにとって苦痛になってしまうこともあります。

「おはよう」「さようなら」などの挨拶も、恥ずかしがりの時期には「大きな声で」と言われても、なかなかできないこともあるでしょう。
そういった子どもたちの姿が見られた場合には、保育士は子どもの欠点に目を向けるのではなく、それよりも子どもたちに人として「どう成長してほしいのか」を考えることをオススメします。

少し視点を変えて考えてみるだけで、例にあげたようなお箸の持ち方や大きな声での挨拶も、さほど大きな問題にならないかもしれません。

してはいけないことを伝えるのも「しつけ」

保育園に通う間だけでなく、これから生きていく上では「人として、してはいけないことがある」ことを伝えるのも、保育士をはじめとする大人の重要な役割です。

保育園でよく見られる子どもたちの姿から例をあげると、「自分や相手の心や体を傷つける」「誰かのものを勝手に盗る」「約束を守らない」などが挙げられるでしょう。

保育園では、年齢によって”噛み付き”をする子どももいるでしょう。しかし、これは自分や相手の心や体を傷つけることになります。
しかし、このようなことがあった場合、子どもを頭ごなしに叱るのはNG。
保育士は「どうして子どもがそのような行動をとったのか?」「本当はどうしたかったのか?」というような、子どもの気持ちの裏側をきちんと読み取り、受け止めることが大切になってきます。

さらに幼児の場合で、噛み付きなどの相手を傷つける行動が見られたときは、大人の話がきちんと聞ける年齢であるため、子ども自身に上記の経緯を確認すると共に、「どうしてやってはいけないのか」ということを、問いかけるようにしましょう。
そこで子どもの考えに誤りがあった場合には、大人である保育士が、言葉を添えて、子ども自身が理解できるように話をするように心がけてください。
家庭や保育園で指導する細かなルールも、生きていく上で身につけておくべきルールといえます。

注意しておきたい保育士の態度や姿勢

保育園で子どもたちと過ごし、しつけの一部を援助する中で、時として子どもたちが悪いことをした際、「叱る」ことがあります。
ここで注意しておきたいポイントは、「叱る」というのは「怒る」とは違います。では、「叱る」と「怒る」の違いとはなんでしょうか。

「叱る」は保育士の仕事、「怒る」は自分の感情

「怒る」とは自分の感情を相手にぶつけることです。保育園で保育士が子どもたちに怒って感情をぶつけても、子どもは保育士が「怒っている」という様子が理解できたとしても、子どもたちはなぜ怒られているのか分からないということは多いです。
そのため、保育園でしつけの補助をする上では、感情ではなく、理性で「なぜダメなのか」を諭す必要があります。

保育士は一人で多くの子どもを見ているため、子どもに注意をする際、つい感情的になってしまいがちですが、他の保育士と協力したり、意識的に気持ちに余裕を持つようにしたりして、子どもに注意を促す際には、子どもたち自身がなぜいけなかったのかということが分かるように、「叱る」ことを意識して援助していくようにしていきましょう。

体罰はしつけではない

「ご飯をこぼした」「歯磨きをしなかった」「挨拶をしなかった」からといって、頭やお尻を叩くような体罰を行っても、子どもは「叩かれて痛い」「怖い」という感情が先行します。

本来ならば上記にもお伝えしたように、「なぜこれをしてはいけないのか」を根本的に理解をさせなくてはいけませんが、体罰が続くと「叩かれるから、しない」「叩かれないから、してもいい」という誤った判断基準を持つようになりかねません。
大人が手を出せば、小さな子どもは一時的に言うことを聞くでしょう。
しかし、子どもを暴力で従わせるようなことは本来の「しつけ」とは大きく異なり、絶対にしてはいけません。

冷静に「どうしてこういうことをしてしまったのか」「本当はどうするべきだったのか」「これからはどうするのか」を整理させて、子どもが同じ過ちを繰り返さないようにしつけることが健全な成長につながります。

その子によい影響があるかどうかを優先する

それぞれの家庭の方針にも影響される「しつけ」は、保育士にとっては悩みの種になることもしばしば。
そんなとき一番に考えたいのは、「その子にとってよい影響があるか」ということでしょう。
子どもが社会で生きていくための基礎づくりを手助けする保育士は、保育園でのしつけのあり方について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

記事公開日:2019.04.09

記事更新日:2019.04.09