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2019.03.20

保育士にオススメ!幼児向け絵本:『もう ぬげない』

保育士にオススメ!幼児向け絵本:『もう ぬげない』

タイトル:『もう ぬげない』

対象年齢:3~5歳児
作者:ヨシタケ シンスケ
出版社:ブロンズ新社

☆おはなし☆

「ぼくの服が引っかかって、脱げなくなって、もうどのくらい経ったのかしら。」
男の子は服が頭に引っかかって困っている様子です。
どうしてこんなことになってしまってのでしょうか?

「お母さんが”お風呂に入ろう”なんて言うからいけないんだ!ぼくは”自分で脱ぐ”って言ったのに。お母さんが急いで脱がそうとするからひっかかっちゃったんだ」
「ひとりで脱ぐから大丈夫」って、服を脱ごうと、頭をぶんぶん振り回したり、回ってみたりもしたけれど・・・やっぱりちっとも脱げないみたい。
「このままずっと脱げなかったらどうしよう。ぼくはこのまま、おとなになるのかな。」そういって男の子は椅子に座り、途方に暮れていました。

その時、男の子はTシャツの中から前が見えることに気がつきました。

「前はうっすら見えるし、なんとかなりそうな気もするね。それに服がぬげなくたって、えらくなった人はたくさんいるさ。だって服が引っかかってるだけで、他の人となんにもかわらないんだから。」と男の子はそう思いました。

そして男の子は「そうだよ!服が脱げないんだったら脱がなきゃいいんだ!簡単なことじゃないか。」と嬉しそうにしましたが、ふと冷蔵庫の前に立ち、「でも・・・のどが渇いたらどうしよう。」そう思いました。

でも、コップに長いストローを指したり、お辞儀をするように飲んだり工夫すればきっと大丈夫だと思いました。

「それにぼくみたいな子はいるかもしれないよ。きっとすぐにみつけられるよね。」といって、お友だちができたときの姿を想像してみました。
お友だちとは一緒に虫捕りをしたり、前は見えないけど、一緒にゴロゴロしたり。「絶対仲良くなれると思う。」男の子はそう思いました。
そんな楽しそうなことを想像した男の子は「うん!大丈夫!ぼくはずっとこのままでいよう!」そう思いました。

でもずっとお腹を出していたので・・・・

「・・・・うーん。でもおなかがちょっとさむくなってきた。やっぱりお母さんに脱がせてもらって、お風呂に入ろうかな。」と思い始めました。
「いや!!でも、悔しいから、自分で脱ぐ!!」そう思った男の子は体を動かしたり、床に体をくっつけたりして上の着替えを脱ごうとしました。着替えている最中、「あ!もしかしたら、先にズボンを脱いじゃえば良いんじゃない?」と男の子はひらめいたので、ズボンを先に脱ごうとしました。

しかし・・・!

「・・・・・・やんなきゃよかった・・・・」

上のシャツに頭がはまり、ズボンに足が絡まり、身動きが取れなくなってしまいました。
「もうおしまいだ・・・」と男の子はボソッと話すと・・・『ガラッ』と部屋の扉が開き、お母さんがそんな様子の男の子を見つけました。

お母さんは男の子を見つけ、ため息をつきながらも、『ポイ』とシャツやズボン、靴下やパンツを全て脱がし、お風呂に向かいました。お母さんは男の子の髪や体を洗い流し、体を拭いてあげて、男の子がおふろから上がると「はい、これパジャマね」と男の子に伝えました。

男のこはお風呂から上がると、「・・・結局お母さんのいいなりだ。ぼくだってその気になれば自分のことくらい全部自分で・・・・自分で・・・・」とぶつぶつ言いながら着替えをしていると・・・・今度はパジャマが。

「・・・パジャマがひっかかって着られなくて、どのくらい経ったのかしら」

☆オススメポイント☆

今回オススメする絵本は、子どもに読み聞かせするのもオススメですが、大人が見ていて、ついクスッとなってしまうようなお話です♪

保育現場に携わっている方はもちろんですが、子育てをしている保護者の方も、こんな可愛らしい子どもたちの姿を見たことがあるのではないでしょうか?
コメディのような子どもの可愛らしい姿に癒される、そんな一冊になっています。

☆読み方のコツ☆

この絵本の読み方のコツは絵本に登場する子どもの気持ちになりきって読むことです。
この絵本の中には主人公の男の子の台詞しか描かれていません。そのため、主人公の気持ちになりきって読むことで絵本の魅力がより引き出されます★

▼幼児におすすめ絵本はこちら

・ともだちや(幼児向け絵本)
・くれよんのくろくん(4・5歳児向け絵本)
・月ようびはなにたべる?(0~5歳児向け絵本)
・からすのパンやさん(4・5歳児向け絵本)

 

記事公開日:2019.03.20

記事更新日:2019.03.19