Ohanaトップ|保育のこと|保育のきほん,保育知識|保育士同士のいじめが原因で退職はある?体験談をご紹介

search SEARCH

clip CLIP

2019.10.25

保育士同士のいじめが原因で退職はある?体験談をご紹介

保育士同士のいじめが原因で退職はある?体験談をご紹介

保育士のストレス原因に「人間関係」と挙げる人は多いです。職員全員の仲が良い園も多くありますが、一部では陰湿な嫌がらせをされ退職する人がいるのも事実です。

 

その背景には、保育士が女社会ということもあります。保育園で働く職員の9割は女性です。より一層、嫉妬や好き嫌いなどの感情が入り混じりやすいのかもしれません。

筆者自身も、保育園で勤務している時にいじめのターゲットになったことがあります。

ここでは実際に経験したことも含め、現在保育士同士のいじめで悩んでいる人の一助になれるよう「どのように対処したら良いのか」を見ていきましょう。

 

 

 

保育士同士のいじめで多いのは目上の職員からの嫌がらせ

989c1df382711355e44cec463d6d3b38_m

同じクラスを担任している先輩職員、主任、ひどい園の場合は園長も・・・。よくあるのは目上の立場の職員から新人保育士へのいじめです。

 

「月案・指導案などの膨大な書類を何度も訂正される」

「挨拶を返さない」

「雑用を押し付ける」

など、手を出さないけれども心をえぐってくるような陰湿な行為が多いように思います。

 

共通しているのは、「掃除・礼儀・保育などすべてにおいて完璧を常に求めて目を光らせていること」です。ちょっと挨拶が遅かったり、初めて伝達し忘れていたり、というようなことでも厳しく言われたり、陰で他の職員へ言われたりしてしまいます。

 

筆者があったいじめも、やはり、手は出さないが心をえぐるようなことでした。

認可がおりたばかりの夫婦経営による企業主導型小規模保育所に勤めることになった時、認可園として「最低限必要な書類も揃っていない」「調理師が1人のみで休みの日は保育士が保育活動中のクラスを抜けて調理しなければならない」など、必要な保育教材や人材や書類等々ほとんどが揃っていないままの状況でした。

 

半年を過ぎても状況は変わらず、夫婦ともに保育士資格はなく分かっていないことも多かったため、園長に苦言を呈したところ、妻である副園長からの嫌がらせが始まったのです。

無視されたり、園の業務連絡手段としても用いられたSNS上に「自分だけが一生懸命やってますって感じを出してくる人、面倒だしうざいよねー。今日はもう退勤してくれて良かった」というような、名前は出さないが園の職員は誰のことを言っているか分かるような投稿をされたりしていました。

その後妊娠が分かりましたが、激務でも休めない保育士の職業柄に加えてストレスもあったのか切迫早産で自宅安静を言われ、休職したのちに退職しました。

 

筆者が就職していじめを受け始めるまで約半年間・・・その間にこれと同様の嫌がらせを受け退職していった保育士が他に4人いました。

いじめをする人には、人を替え、自分でとってつけた一見正しいような理由で自覚なくやっている人が多いのかもしれません。

 

いじめを受けたらどうすればいい?

大事なのはいじめをする方が間違っているということ。「迷惑ばかりかけているから」や「仕事の能力が低いから」と自分の中で思っていたとしても、いじめの理由に使われていいはずはありません。

そしてもう一つ大事なのは、一人で抱え込まないということ。一人で抱え込まず、具体的にどのように対処したら良いのでしょうか。

 

①記録をとる

記録をとり具体的な証拠を残すことは、いじめを客観的に知ってもらうために必要です。日記のようにノートに書き記したり、撮影・録音でも良いです。

あなたを信頼している同僚や家族であれば話だけでも信じてくれやすいですが、上司や医療機関など外部にも話す必要が出てきた時に役に立つでしょう。

 

②同僚/家族に相談

まずは、身近な人へ相談しましょう。できれば、頻繁に話ができるような人が良いです。いじめは勤務するたびに受け、その度に新しい傷ができるからです。いじめをする人柄を知っていて信頼できる同僚はもちろん、家族、友達など・・・。頻繁に連絡を取っている人がなければ、家族や友達と頻繁に連絡を取るようにしましょう。理不尽ないじめは周囲も必ず味方となってくれ、話を聞いてくれるだけでも救われることは多いです。

筆者自身も同僚と家族に話すことで、「自分は悪くない」と保てることができました。

 

③医療機関を受診

朝起きられなくなったり出勤時に心臓がバクバクしたり・・・。少しでも身体に異変が起きたら医療機関を受診しましょう。精神科、心療内科を受診するのが良いです。自分の状況や仕事が行けないことを訴えると、診断書を出してくれる病院もあります。

 

保育士は、人員配置を満たさないことによる子供の受け入れへの影響を気にせざるを得ないため、自身の体調不良は見過ごしがちです。クラス担任をしていれば尚更でしょう。

しかし、うまく笑えないまま出勤していても子供たちはよく見ています。そして、先生の異変に敏感に気づく子も中にはいます。「子供たちに心配させないためにも医療機関を受診しよう」という考えで、身体に異変が起きたら医療機関を受診するようにしましょう。

 

④上司に相談

新人であれば、主任や園長と業務以外のことで個別に相談しにくいと感じているかもしれません。それでも、いじめは子供にも影響を与えかねない園の問題でもあるため相談した方が良いでしょう。信頼できる先輩職員を仲介するのも良いです。

 

一方で、声をあげたら「面倒な人」というレッテルが貼られる可能性も残念ながらあります。また、会社からのいじめ相手への指導が行われても、逆恨みされて余計に陰湿ないじめに発展する可能性もあります。

本来あってはならないことですが、上司との相性や勤める保育所に対する思い入れなどを鑑みてどうするか決めると良いでしょう。

 

⑤外部機関に相談

「上司にも相談できない」または「相談しても改善されない」というような状況でも、一人で対処しようと思う必要はありません。『不当な解雇』『パワハラ』『いじめ』について、法務省や厚生労働省がそれぞれ相談窓口を設置しています。いずれも無料なので、活用しやすくなっています。

<参考>

 

いじめが原因で退職するのは「あり」

いじめが原因での退職は選択しとして間違っていません。たとえ退職することで園の運営や子供や保護者に影響を与えることになったとしても、退職は「あり」なんです。

実際に、『東京都保育士実態調査(2019年5月)』によると、保育士の退職理由は、15項目あるうち「人間関係(33.4%)」が1位でした。「給料が安い(29.2%)」「仕事量が多い(27.7%)」よりも多かったのです。

いじめが原因で退職をするのに、自分を卑下する必要は全くありません。

ただ、転職する時に正直にいじめが原因と言えない現状もあります。すぐに転職ができるよう、資格取得や研修参加などスキルアップに励むと良いでしょう。

 

<参考>

 

記事公開日:2019.10.25

記事更新日:2021.07.16