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2019.05.20

子育てと仕事の両立はできる?これからの保育士の働き方とは

子育てと仕事の両立はできる?これからの保育士の働き方とは

保育士は、子どもたちの成長を間近で感じられる魅力ある職業。
しかし一方で、自分の子どもの子育てとうまく両立できず、職場を離れる人は少なくありません。

なぜ保育士にとって、子育てと仕事の両立は難しいのでしょうか
今回は復職したいと考えている保育士の方へのアドバイスとして、知っておいてほしい制度やサービスなどをご紹介します。

どうして保育士は復職しづらい?

なぜ、子育てや妊娠・出産で現場を離れたあと、復帰できない保育士が多いのでしょうか。

子どもを預けられないと復職できない

2011年に、厚生労働省の委託を受けて株式会社ポピンズが全国の保育士を対象にアンケート調査を行いました。
その中で子どもがいる保育士に、日中の主な保育者について聞いたところ、約70%の保育士が「自分で子どもの面倒を見ている」ことがわかりました。

つまり、保育士が保育園の職場復帰を果たすには、まず自分の子どもを保育園に預ける必要があります。
しかし、保育園に入れない待機児童の問題は、保育士の子どもも例外ではありません。
子どもを預ける場所が容易には見つからないことも、保育士が復帰しづらい理由の1つといえるでしょう。

子育てしながら働ける条件の求人が少ない

保育士が保育園で就労していない理由について聞いたところ、「条件に合う求人がない」が最も多く29.6%、次いで「就職する必要性を感じない」の24.5%、「就職に不安がある」26.4%という結果が明らかになりました。

また、東京都福祉保健局の調査では、「保育士として再就業するときの希望条件」として全体の 70%程度が「勤務日数」や「通勤時間」を挙げています。
また、配偶者や子どもがいる保育士の半数は、復職するにあたり重視したいのは「働くことが可能な家庭の状況」だと回答しています。

これらの結果から、満足のいく勤務条件が揃い、復職の不安を取り除くことができれば、保育士の復職は可能であることが読み取れます。

(参考)潜在保育士ガイドブック
(参考)東京都保育士実態調査

子育て中の保育士は復職できる?

こうした状況を受け、厚生労働省は「保育士確保集中取組キャンペーン」を打ちたてました。
これらには、子育て中の保育士の復職をサポートする内容も含まれています。

再就職準備金や未就学時の保育料を一部貸付

子育て中の保育士が職場復帰する際に、再就職準備金の貸付や未就学児がいる場合の保育料の一部貸付が可能になりました
いずれも2年間の勤務で返済が免除されるため、子どもを預ける場合の保育料がネックになって、復職をためらっていた保育士の方にとっては嬉しい制度でしょう。

このように経済的なサポートは実施されているものの、肝心の子どもの預け先については、まだ不安が残るところではあります。
子育て中の保育士は、引き続き注目していきたいですね。

子育てでブランクがあっても復職しやすいように

出産や子育てなどで保育士の仕事にブランクがあり、復職に不安のある保育士の方を対象に、保育実技研修などを行う保育士・保育所支援センターを新設する取り組みも始まっています。就職に関する相談ができたり、求人情報を提供してもらえたりと、さまざまなサポートが受けられます。こうしたサポートを受けるには届出が必要なので、興味のある方はお近くのハローワークに問い合わせてみましょう。

(参考)厚生労働省-「保育士確保集中取組キャンペーン」について

民間の紹介会社でも相談できる

保育士専門の求人サイトに登録すると、専任のコンサルタントに相談することができます。
就職先の紹介はもちろん、他の子育て中の保育士がどのように復職しているのかといったリアルな事例を教えてもらえたり、勤務条件の調整も代行してくれたりするので、子育てしながらの就職活動がスムーズに進みます。

子育てと仕事を両立させるには…

「もう一度、保育士として働きたい」と思いつつも、子育てしながら保育士として復帰することは難しく感じられることもあるでしょう。
しかし、現在は保育士不足の深刻化を背景にさまざまなサポートが実施されているので、子育てでブランクがあるからといって、あきらめる必要はありません。
公的な制度や紹介会社などを上手く利用しながら、職場復帰の第一歩を踏み出してみませんか?

記事公開日:2019.05.20

記事更新日:2019.05.19