2019.04.29
保育士にオススメ!幼児向け絵本:『おいもをどうぞ』
タイトル:『おいもをどうぞ』
対象年齢:3~5歳児
作:柴野 民三
絵:いもと ようこ
出版社:ひかりのくに
☆おはなし☆
くまさんの畑で、おいもがどっさりとれました。
くまさんは積み上げたおいもの山を見て、考えました。
「こんなにいっぱい!ひとりで食べてももったいない。
おとなりのぶたさんにも分けてあげよう。ぶたさんもおいもが大好きだから・・・。」
くまさんは、おいもの半分を荷車に積んで、お隣のぶたさんの家におすそ分けに行きました。
ぶたさんは「これはこれはどうもありがとう。」とくまさんにお礼を言いました。
ぶたさんは大喜び。そして、もらったおいもの山を見て、ぶたさんは考えました。
「こんなに沢山、一人で食べるのはもったいない。
お隣のたぬきさんに分けてあげよう。たぬきさんもおいもが大好きだから・・・。」
ぶたさんは、もらったおいもをお隣のたぬきさんの家に届けにいきました。
「いただきものです。どうぞ召し上がって下さい!」
たぬきさんは大喜び。たぬきさんも、沢山のおいもを見て、一人で食べるのはもったいない、
と考え、お隣の家のうさぎさんにおいもをおすそ分けに行きました。
うさぎさんも大喜び。
そして・・・うさぎさんも一人で食べてはもったいない、
とお隣のねこさんにおいもをおすそわけに行きました。
ねこさんだって大喜び。
そしてそして・・・ねこさんはお隣のねずみさんの家に、
おいもを一つ持っておすそ分けに行きました。
ねずみさんももちろん大喜び!
ねずみさんは、まるまるふとった大きなおいもを見ながら考えました。
「こんなに大きなおいもだもの。一人で食べてはもったいない。
おとなりさんにも分けてあげましょう。」
そう言って大きなおいもの真ん中を包丁でさくっと切りました。
そしてお隣のくまさんの家においもをおすそわけに行きました。
くまさんは、半分のおいもを見ながら、何度も嬉しそうにうなずきました。
でもおかしい・・・なぜねずみさんのお隣の家がくまさんの家なのかしら?
それは、お池の周りに
くまさん→ぶたさん→たぬきさん→うさぎさん→ねこさん→ねずみさん
の家が順番に並んでいたから。
その日の夕方、お池の周りのどの家からも、おいもをふかすいい匂いがしていましたよ。
☆オススメポイント☆
"いもと ようこさん"の、あたたかみのある絵が何とも言えず素敵で、
すぐに絵本の世界に魅了されます。
おいもをおすそ分けする、そしてそれが連鎖していく、という単純な話の流れではありますが、
相手を想う優しさにほっこりします。
絵本の最後のページには、「あなたも、おいもをどうぞ。」と、
私たちにまでおすそわけが・・・!!皆が優しい気持ちになれる絵本です。
☆読み方のコツ☆
絵本のはじめは、沢山のおいもにびっくりする子どもたち!
「すごい量だね~!!」と読み手も一緒に驚きましょう。
そして、くり返される、「こんなにいっぱい。ひとりで食べてはもったいない。
お隣さんに分けてあげましょう。お隣さんも大好きだから・・・。」
のフレーズは、優しさをいっぱい込めて読むといいですね。
子どもたちもだんだん話しの流れはわかってきますが、
「考えました。」のセリフの後は少し間を空けて、子どもたちにも考える時間をあげましょう。
最後に私たちにも、おいもが半分おすそ分けされますが、
その頃には、子どもたちの方から、「○○人(クラスの人数)で分けよう!」、
「お母さんにも残しておいてあげよう!」、「年少組さんにも分けてあげたいな。」
などといった優しさが広がっているはずです。
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・おやおや、おやさい(幼児向け絵本)
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記事公開日:2019.04.29
記事更新日:2019.04.26