2019.01.31

保育士にオススメ!幼児向け絵本:『きょうはなんのひ?』
タイトル:『きょうはなんのひ?』
対象年齢:3~5歳児
作:瀬田 貞二
絵:林 明子
出版社:福音館書店
☆おはなし☆
朝、まみこは玄関を出るとき、
「お母さん、今日は何の日だか知ってる?知~らないの?知らないの?知らなきゃ階段3段目♪」
と歌を歌ってスキップしながら学校へ行ってしまいました。
お母さんはすぐに階段の3段目に行き、赤いひもで結んだ手紙を見つけました。
“ケーキの箱をごらんなさい”
と、まみこの字で書いてありました。
居間のケーキの箱には、シュークリームの間に、また赤いひもの手紙がはさんでありました。
“つぎは玄関の傘立ての中”
お母さんは急いでまた玄関に引き返しました。
深い傘立てのつぼの底に、赤いひもの手紙がありました。
“今度は私の本の中よ。ヒントは一番好きな絵本です”
「あらあら、今度は2階だわ。」
お母さんは2階へ向かい、まみこの一番好きな本を見つけ、開くと・・・
“きんぎょの池にも浮かんでいます”
その後も、まみこの赤いひもの手紙は続きます。
“粘土のぶたがくわえています”
“ビンは、ガラスの花瓶です”
“音楽も時々おさらいなさいませ。”
お母さんは休憩がてら、ピアノを弾きました。
そして次の手紙には・・・
“めったに気がつかない所。ヒント:そのくせ、決まって使うところよ”
お母さんはさんざん考えましたが、わかりません。
諦めて今までの手紙をまとめて、じょうさしにさしこもうとしました。
するとそこに赤いひもの手紙がありました。
“電話で「お父さんのポケットの中」と聞いてください”
電話をしてみると、会社に行っているお父さんのポケットの中に、”赤いひものついた手紙”が入っていたではありませんか!!
“とうとう郵便箱にプレゼントが届きました。お世話さま!”
「なんだこりゃ!!」とお父さん。
「あとでゆっくり話すわ。」と笑うお母さん。
そして続けて、「それよりあれ、忘れないでくださいね。」とお父さんに言いました。
夕方、お父さんはバスケットをさげて帰ってきました。
居間でくつろいだお父さんに、お母さんは昼間、郵便箱から見つけた小さな小包みを差し出しました。
その小包みを開いてみると、中からきれいなおりがみの箱が現れました。
そのふたをとると、中からまた一回り小さな箱、またふたをとると、さらに一回り小さな箱、またふたをとると・・・そして最後の小さな箱には、小さな、なんてんの実が2つ入っていました。
「紫水晶が、お父さん。赤いルビーがお母さん!」
「素敵な贈り物をありがとう。それではこちらも・・・」
と、お父さんが言いかけた時、バスケットの中から、
「ワン!ワン!!」
「子犬をさしあげよう。会社の鈴木君のところでうまれたのを分けてもらったんだよ。」
まみこは大喜び。
そしてお母さんがお父さんに、昼間の9つの手紙を見せると、お父さんも最後の手紙をそれに重ねました。
「♪知~らないの、知らないの?今日は何の日知らないの?」
「♪“き”のついた字を重ねてごらん?手紙の中の木の(木の絵)ついたところよ!」
「け・っ・こん・き・ねん・び・お・め・で・とう」
☆オススメポイント☆
林 明子さんのファンの方には、たまらない一冊。
謎解きのストーリーと、心温まる林 明子さんの絵がとてもマッチしています。
まみこが嬉しそうに手紙を準備する様子も想像することができます。
沢山の謎解きを、お母さんがニコニコおこなう様子、お父さんとお母さんで、まみこを喜ばせようとサプライズを用意する様子・・・
幸せな家庭・愛情がたっぷり感じられる絵本です。
どんなプレゼントよりも素敵な心のこもったプレゼント。絵本を読んだら、自分もやってみたくなりますよ♪
☆読み方のコツ☆
学校に向かう前と、最後の謎解きをする際の「♪知~らないの?知らないの?」のまみこの言葉は、とびきりウキウキ・ワクワク・そして少し得意気にすました感じで読むと、まみこの気持ちが伝わります。
手紙は、ゆっくり読み、子どもたちと一緒に謎解きをしながら読んでいくといいですね。
読み終わった後は、余韻として“きょうはなんのひ?”遊びが流行るかもしれませんね(゚∇^*)
▼おすすめの絵本はこちら
・でこちゃん(幼児向け絵本)
・めくってごらん(4・5歳児向け絵本)
・たまごにいちゃん(幼児向け絵本)
記事公開日:2019.01.31
記事更新日:2019.01.31