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2019.06.24

子宮内膜症の特徴と治療法および発症した際の注意点について

子宮内膜症の特徴と治療法および発症した際の注意点について

若い女性が発症しがちな子宮内膜症ですが、なぜ子宮内膜症を発症してしまうのでしょうか。また、子宮内膜症を発症した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
今回の記事では子宮内膜症の原因について解説するとともに、子宮内膜症の特徴や治療法を紹介したいと思います。不妊症ともかかわりのある子宮内膜症なので、妊娠を希望されている方は注目してみてください。


(目次)
1.子宮内膜症とは?
  1-1.子宮内膜が子宮以外の場所にできる疾患
  1-2.子宮内膜症の好発年齢
  1-3.子宮内膜症と不妊との関係
2.子宮内膜症の原因
  2-1.はっきりとした原因は分かっていない
  2-2.有力な仮説はある
3.子宮内膜症の症状
  3-1.骨盤周囲の痛み
  3-2.痛みが全くないケースもある
4.子宮内膜症の治療法
  4-1.薬物療法
    4-1-1.対症療法
    4-1-2.ホルモン療法
  4-2.手術療法
    4-2-1.保存手術
    4-2-2.根治術
5.子宮内膜症を発症した場合の注意点


1.子宮内膜症とは?

子宮内膜症の治療法や、発症した場合の注意点について解説する前に、まずは子宮内膜症とはどのような疾患なのかについて知っておきましょう。

1-1.子宮内膜が子宮以外の場所にできる疾患

子宮内膜症という言葉を聞くと、子宮内になんらかの病変が起こるとイメージしがちですが、実際には子宮以外の場所に、子宮内膜やそれに似た組織ができる病変のことを意味します。

特に子宮と直腸の間にあるくぼみである「ダグラス窩」や子宮を支えている靭帯である「仙骨子宮靭帯」、「卵巣」や「卵管」、膀胱と子宮の間にあるくぼみである膀胱子宮窩は、子宮内膜症の見られやすい場所として知られています。

1-2.子宮内膜症の好発年齢

子宮内膜症は、比較的若い女性によく見られる疾患です。20代から30代のうちに発症することが多いとされ、中でも30歳から34歳でもっとも発症しやすいということです。

1-3.子宮内膜症と不妊との関係

子宮内膜症を発症すると、生理痛のような痛みが現れるだけでなく、不妊症を発症するケースも多いということです。ある大学病院の調べによると、子宮内膜症を発症した女性の半分が不妊症になるということです。

2.子宮内膜症の原因

子宮内膜症を発症すると、生理痛のような痛みが現れるだけでなく、不妊のリスクも高くなるということでした。ではなぜそのようなことが起こるのでしょう。

2-1.はっきりとした原因は分かっていない

子宮内膜症をはじめとした婦人科系疾患ですが、現代医学をもってしてもハッキリとした原因が分かっていません。

2-2.有力な仮説はある

子宮内膜症の原因は今のところよく分かっていませんが、初潮が早かった女性や妊娠したことのない女性など、月経の回数が多くなるにつれ、子宮内膜症を発症するリスクが高くなるということです。
そのことから、月経の際に排出されるべき血液が逆流し、子宮内膜症を発症すると考えられています。そのため、高齢出産や少子化が進んでいる現代では、子宮内膜症を発症する可能性も高くなってきているのです。

3.子宮内膜症の症状

子宮内膜症の原因についてはよく分かっていないということですが、子宮内膜症を発症すると特徴的な症状が表れます。では、どのような症状が現れるのでしょう。

3-1.骨盤周囲の痛み

子宮内膜症の症状の特徴が骨盤周囲の痛みです。子宮内膜症を発症した場合、ほとんどの女性が生理痛を訴えます。また子宮内膜症が進行すると、月経のときだけでなく、普段でも下腹部に痛みを訴えるようになります。

3-2.痛みが全くないケースもある

子宮内膜症を発症した場合、ほとんどの女性が何らかの症状を訴えます。ところが、稀に痛みが全くないケースもあります。ただし、痛みがないから安心という訳ではありません。
月経の際の経血量が以前よりも増えたとか、経血にレバーのような塊が混じる、月経のとき以外にも不正出血が見られるなどといった場合、子宮内膜症を発症している可能性があるので要注意です。

4.子宮内膜症の治療法

子宮内膜症は今のところはっきりした原因が分かっていないので、基本的には対症療法が施されることとなります。治療用としては薬物療法と手術療法の2つがあげられています。

4-1.薬物療法

子宮内膜症を発症した場合、薬物療法が採られるケースもあります。薬物療法としては、一般的に鎮痛剤などを用いた対症療法、ホルモンバランスにアプローチするホルモン療法の2つがあげられます。

4-1-1.対症療法

子宮内膜症にともなう痛みが激しい場合や、日常生活に支障をきたしているような場合には、鎮痛剤が処方されます。一般的にはロキソニンやボルタレンといった鎮痛剤が処方されるということです。

ただし、鎮痛剤を用いての治療は一時的なものでしかありません。子宮内膜症自体を改善したり、子宮内膜症の進行を抑制したりする効果は期待できません。

4-1-2.ホルモン療法

先ほど、子宮内膜症は初潮の早かった人や、妊娠経験のない人、もしくは妊娠回数が少ない人ほどなりやすいと解説しました。つまり、月経の回数が増えれば増えるほど、子宮内膜症を発症するリスクが高くなるのです。

そこで、人為的に妊娠状態を作ることで、月経回数を減らすという治療法がおこなわれます。偽妊娠療法などと言い、ピルを服用することで排卵を抑え、妊娠状態を作ります。

4-2.手術療法

子宮内膜症にともなう症状があまりにもひどい場合や、薬物療法では手に負えない場合、もしくは今後の妊娠を望まない場合などに手術療法が採られるケースもあります。

4-2-1.保存手術

今後の妊娠を望む場合や未婚の女性の場合、主に子宮や卵巣を温存する保存手術がおこなわれます。手術と言っても必ずしも開腹するとは限らず、病巣が小さい場合は内視鏡を用いた腹腔鏡手術がおこなわれます。

4-2-2.根治術

保存手術では手に負えないほどの病巣がある場合や、今後の妊娠を望まないような場合、子宮や卵巣を完全に摘出する根治術がおこなわれます。

5.子宮内膜症を発症した場合の注意点

子宮内膜症を発症した場合、長期にわたって経過を観察することが重要です。仮に手術で病巣を取り除いたとしても、閉経まで常に再発の危険性があります。そのため、定期的に婦人科を受診するようにしましょう。

 

子宮内膜症は女性の10人に1人が発症する、比較的ポピュラーな婦人科系疾患です。ただ、不妊やがんに結びつくケースもあるので、長期にわたって推移を見守ることが重要です。

記事公開日:2019.06.24

記事更新日:2019.06.21