Ohanaトップ|保育のこと|保育のきほん,保育知識|保育士が英語力を活かして働ける場所はある?

search SEARCH

clip CLIP

2019.04.18

保育士が英語力を活かして働ける場所はある?

保育士が英語力を活かして働ける場所はある?

2020年に東京オリンピックの開催が決まり、国内ではさまざまな環境整備が進められています。
その中には子どもの英語教育も含まれていること、知っていますか?

文部科学省は2013年に「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を打ち出しており、英語教育は改革期の真っ只中です。
2011年に新学習指導要領が全面改訂されてから、それまでは中学校から必修とされていた英語教育を小学5年生から導入、さらに2018年からは小学3年生から必修化することが決まり、子どもの英語教育がますます注目されています。

今回は、保育の場で求められている英語教育の重要性にクローズアップしてみました。

(参考)グローバル化に対応した英語教育改革実施計画2013年|文部科学省

子どもの英語教育の現状って?

以前から子どもに対する英語教育は注目されていましたが、社会のグローバル化が進むにつれて、今後ますます重要視されていくと予想されます。

習わせたい習い事のトップは「英語」

「ケイコとマナブ」を運営するリクルートライフスタイルが行った「2015年子どもの習い事ランキング」によると、保護者が今後子どもに習わせたい習い事のトップは、調査開始の2012年から4年連続で「英語・英会話」。
多くの保護者が子どもの英語教育を重要視していることが分かります。

小学3年生の英語必修化のスタートは、2009年生まれの子どもから導入される予定で、つまり今現在、保育園に通っている子どもたちは3年生から英語を勉強することになります。
そのため、子どもに早い時期から英語教育に触れさせることで、英語に対する抵抗感をなくしたいと思う保護者はますます増えていくでしょう。

(参考)「ケイコとマナブ」2015年子どもの習い事ランキング|リクルートライフスタイル

保護者のニーズに合わせて保育園も変化

ベネッセ教育総合研究所が2012年に行った「第2回幼児教育・保育についての基本調査報告書」によると、通常保育時間内に「英語」の活動を行っている保育園は、公立で10.7%、私立で33.8%、認定こども園では54.7%という結果が出ています。

2008年に行った調査では、公立で5.3%、私立で27.5%、という結果でしたので、徐々に英語教育に力を入れ始めている状況です。

(参考)第2回幼児教育・保育についての基本調査報告書2012年|ベネッセ教育総合研究所

保育士

保育施設での英語教育はさまざま

一概に保育施設での英語教育といっても、さまざまな種類があり、保育士に求めるレベルも大きく異なります。

インターナショナルなプリスクール

「プリスクール」は、6歳までの子どもたちに英語でのコミュニケーションを中心とした保育を行う施設です。
1日のほとんどを英語環境で過ごすことになるため、英語の上達も早くなります。

多くのプリスクールは認可外保育園として届け出を行い、保育士資格を持たないネイティブ講師が英語教育を担当しています。
この場合、担任の保育士がネイティブ講師をサポートすることがあるため、保育士も子どもの英語教育に関わることができます。

保育時間にネイティブ講師と遊びながら学ぶ

私立保育園に多く見られるケースとして、月に数回ネイティブ講師が保育園を訪問し、遊びを通じて英語教育を行っているところもあります。
保育士が進める、通常保育にプラスして英語教育を取り入れられるため、保育園側としても導入しやすい点がメリットのようです。

実際の例

ほとんどの私立幼稚園の場合、“英語教育”といっても、子どもが英語を話せるようになることが目的ではなく、あくまでも英語に触れることが目的です。
ネイティブの講師は、基本的に英語を話し、日本語は話しません。
この時間は英語講師がカリキュラム・メニューを考えているので、保育士は子どもと一緒に参加します。ゲームや歌を通して、自然と英語に触れたり、英単語を覚えたりしていきます。
あまりにも英語の指示が子どもに通っていないと感じた場合(ゲームの説明など)は、保育士が日本語で補助にまわります。

中には「先生、英語であの先生何て言っているの?」と保育士に聞いてくる子もいますが、はっきり理解していなくてもよいと思います。
「先生もわからないんだ。」と正直に言ってみてもよいでしょう。ニュアンスやジェスチャーで意思疎通がとれることが大切です。
保育士がそこまでネイティブの英語に自信がなくても大丈夫です。保育士も子どもと一緒に英語を学んでいけます。

 

英語教育のメリット・デメリット

子どもにとって英語教育のメリット・デメリットはあるのでしょうか。

メリット

・大人のように、英語に対する抵抗感が少ない。

・英語を“音”として耳で認識するので、よりネイティブに近い発音ができる。

(日本人が発音しにくい、LとRの違い)

・ゲームや歌を通して、遊びの中で習得できる。

デメリット

・英語と日本語が混同しやすい。

・母国語である日本語の能力の発達が遅れる。

・継続をしていかなければ、大人になるまでに忘れてしまう。

 

どんなことでも必ずメリット・デメリットはあると思いますが、それを保育士が理解・認識している、していないでは話が変わってきます。
デメリットを知った上で、ではどうすればそのデメリットをカバーしていけるかが大切なのです。

どれくらいの英語力があれば大丈夫?

保育士が英語力を活かして働くには、どのくらいの英語力レベルがあればいいのでしょうか?

求められる語学力はさまざま!英語力不問も

英語教育に力を入れている保育施設でも「英語はネイティブ主導なので保育士は英語に抵抗がなければOK」というところから、「ネイティブ並みの英語力」を保育士に求められるところまでさまざまです。

そのため、自分の英語スキルに合わせて、どんな保育施設であれば貢献できるかを考えたほうがよいでしょう。
長期留学の経験や、英語での保育経験があれば有利ですが、それらがない場合でもTOEICの点数などの目安があるとアピールしやすくなります。

また、数は多くないものの、日本語が話せないネイティブ講師と打ち合わせ可能な、通訳を兼ねた保育士を求めている保育施設もあります。
保育士専門の求人サイトなどを利用して探してみるのもおすすめです。

まとめ

今後ますます注目されていく、子どもの英語教育。英語力を活かしながら働きたいという保育士にとっては、これから活躍の幅が広がる可能性が高まりそうです。

今すぐ英語力を活かすことは考えていなくても、今後チャンスが巡ってきたときのために英会話レッスンに通ったり、英語圏の友人と会話をしたりして、日頃から努力を続けておくといいですね。

記事公開日:2019.04.18

記事更新日:2019.04.18